nanami-JP’s blog

40代おひとり様の日々のささやかな幸せ探し。日々の楽しみや旅行記などを徒然に。

お籠りのお正月2021

 毎年恒例の強制実家帰省イベントもコロナ禍ではさすがに効力が無効となり、2021年のお正月は実家に帰らず家で一人で年越しを迎えることに。
 仕事納めも無事に済んで1週間近くの冬休みを一人で過ごすことになるとは、全く予想ができなかった。
 実家は田舎ならではの風習で、大晦日と1日は親兄弟たちと連チャンで宴会し、2日は父方の親族大集合のおもてなし会、3日は母方の実家にご挨拶と4日間に渡って食べて飲んでの祝宴が繰り広げられるのだが、今年はそれがない。
 しかもこんなご時世なので家で一人、外出も控えて大人しくしているしかない。

 

 ならばこの1週間、お籠り正月に徹しようではないか! かつ、せっかく大人になってもらえた長期バカンス。しかも一人で過ごすとなると時間だけは有り余るほどにある。ならば、より丁寧な暮らしを目指してみよう…!
 ということで、正月料理にも挑戦して迎えた2021年となったのだった。

 

■大晦日

 年始のお籠りに向けて、午前中に食糧の買い出しへ。大掃除は台所のシンク以外は30日までにあらかた済ませたので、今日は余裕をもって取り組むことができるのがありがたい。
 今年は喪中なのでお正月料理も紅白の華やかなものは控え、お節料理にこだわる必要もないので、自分の食べたいものにお正月感を+αする方向で食材をチョイス。
 酒のツマミになりそうな正月料理として、酢だこや数の子を選んでみたのだが、その価格にビックリ!

 えええ?!酢ダコってこんなに高いの?
 数の子って噂では年々高級食材になっているとは聞いてはいたけど、こんなにするの?
 それに野菜が2日前より値上がりしてない⁉

 …いやはやお恥ずかしい話、長いおひとり様人生、お正月は実家に帰省し食材は親が購入してくれていたので、正月価格というものを全く知らなかった。
 お正月の帰省は両親へのお年賀を一応がんばって奮発していたものの、次回からは食費も払うか持ち込んだほうが良いかもしれないと改めて自省しつつ、鮮魚コーナーで買うべきか買うざるべきか暫し悩んだ末に購入することに。
 やっぱりお正月気分を少しは味わいたいし、年始は家に自主的待機ということで籠りっぱなしになるので、食べるしか楽しみがないのだ。たまには贅沢したって良いじゃない。
 とはいえ、ファミリー向けスーパーなので、量もそこそこあるのが悩ましい。正直、数の子と酢ダコはお正月気分を盛り上げる演出要素が強い食材なので、正直1月1日にだけ食べられれば良いのだ。
 都内では100円ローソンでおひとり様おせちが好評というネットニュースを見かけたが、確かにそのほうがコスパ良いし、個別包装で使い切りだしなんてナイス商品!…とはいえ、100円ローソンは電車に乗って都内に行くか自転車で何キロも探しにいかなければなさそう…。てか、往復の電車賃をかけてまで2~3切れの酢だこを買うくらいなら、その分の値段で多めに酢ダコを買っても罰は当たるまい。
 次はお肉も食べたいなぁ、お正月はちょっと贅沢に牛肉……やっぱりローストビーフが良いなぁと思って総菜コーナーで出来合いのローストビーフを探したのだが見当たらない。クリスマスの時はあんなに置いてあったのに!てか、普段もローストビーフはお惣菜コーナーで良く見かけてたのに、何故に⁉と思って探したらお肉コーナーの一角に発見。
 だがしかし、いつも見かけるお惣菜のローストビーフとちょっと色合いが違う。しかもgに対していつもよりちょい高め?とはいえ牛肉、しかも都度焼いたりせずに日持ちのするローストビーフが食べたい…そう思って振り返ると、冷蔵ワゴンに牛肉の塊が!しかも既成のローストビーフのお値段2倍で4倍の量! むしろこっちのほうが牛肉モリモリ食べられるんじゃ⁉…とその場のノリと勢いだけで購入し、その夜、想定外の人生初のローストビーフ作りをすることになったのだった。

 当初の予定より微妙に斜め45度な方向ながらもなんとか食材を調達し、やっぱりスーパーで買ったお買い得な海鮮丼で昼食を済ませたら、夕方までは録画しておいたドラマ「タイガー&ドラゴン」を観てまったりと。
 やっぱりクドカンの脚本は良いなぁ~とご満悦になっていたら、すっかり日が暮れてしまった。
 あ、ヤバイと思って慌てて明日の仕込みへ。
 いざ、煮物と初挑戦のローストビーフ作りへ!

 今回のテーマは「丁寧な暮らし」ということで、煮物もニンジンやレンコンはお花の形に飾り切りしたり、こんにゃくもひと手間かけて湯がいてから手綱の形にしたりとしていたら、想定の1.5倍の時間がかかってしまった。
 そして、煮物を煮ている間に牛肉の塊をフライパンで焼き目をつけてからオーブンに投入。
 そこから30分近くは待ってるだけなのでちょっと休憩。
 最近になってオーブン料理にも挑戦してみるようになったのだが、思った以上に楽チン。仕込みさえしてしまえば、あとは数十分、オーブンに突っ込んでおけば良いだけ! その間、ほかのことができちゃうのだ。フランスのホームパーティでオーブン料理がメインに多いのも納得。焼いてる間、お客さんたちと一緒に飲んで食べて待っていられるのだもの。

 そうこうしているうちに煮物とローストビーフもなんとか無事に完成。

 そして大晦日といえばやっぱりお蕎麦!ということで、夕食は天婦羅蕎麦に。

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 せっかくの大晦日だしということでスーパーで売っていたちょっとお高いけれど大振りのエビがめちゃ美味しそうなエビ天に。
 やっぱり大振りのエビで作ったエビ天はプリプリ食感がボリューミィで美味しい。
 ビールにも合って最高のひと時♪
 
 その後、シンク周りの掃除をしていたら、あっという間に年末カウントダウンの時間になってしまったのだった。


■1月1日

 2021年の一番最初の日! しかも、初めて家で一人で迎えるお正月。
 せっかくなので、何か特別なことをしたい。
 ということで、 家の東側の窓が大きく開いているので日の出もバッチリみられるはず!と、早起きして日の出を拝むことに。

 日の出の時間は6時50分台ということで、ギリギリ6時40分まで寝ていたのだが、なんとか無事に起きることができ朝焼けの空を眺めることができた。
 清々しい朝の空気に赤らむ冬空のなんと美しいこと。
 …なのだが、肝心の朝日は木々や建造物に遮られ一向に見ることができない。冬はすっかり日が昇った8時以降にしか起きたことが無かったので、日の出の位置を事前確認するという概念がすっかり抜け落ちていた…。
 それならばと、近くの高台の森林公園に朝の散歩をすることに。
 すでに朝日が昇ってはいるが、早朝の清々い空気の中、木々の間を散歩するのはとっても気持ちが良い。ちょっと早起きを頑張れば手に入る楽しみがそこにはあった。まさに早起きは三文の得だなぁ、でもやっぱり冬は寒いしこういう特別な日じゃないと起きられないよなぁと相反する想いに揺られながら落ち葉の路を黙々と歩いたのだった。

 散歩から帰ったら昨日のうちに焼いておいたアップルパイ(冷凍パイシートにリンゴペーストを包んだだけの簡易版)と挽きたてのコーヒーで朝食。

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 軽い運動後ということもあってお腹が良い感じに空いていたので美味しい。
 しかもゆっくり朝食を採っても時間はまだ8時。お昼まで4時間もあるではないか。
 いやぁ早起きすると午前中って長い。
 とはいえ、録り溜めていたドラマや特番を片っ端から観まくっていたら昼過ぎに。

 

 さていよいよここからが本番(私的に)!

 

 せっかくのお正月。
 しかも家でひとりお籠りとあっては、ここはもうあれしかない!
 そう、おひとり様晩餐会ならぬ、おひとり様宴会!!
 昼から飲んじゃう♪

 

 今回のテーマ「丁寧な暮らし」を実践すべく、料理の盛り付けもちょいとこだわってみることに。

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 奮発して買った酢ダコと数の子はじめ、数種類のお料理をワンプレーとに盛り付けておもてなし料理に。
 昨夜のうちにすべて仕込んでおいたので包丁もあまり使わず、煮物は電子レンジでガスは全く使わずに出来てしまいすごく楽。
 お節料理がもともとは年始の家事を減らすための保存食だったというのもなるほど納得!と、実践してみて身をもって分かったのだった。

 その後は、ちびちびツマミながら飲んで食べてを十二分に楽しんで、午後のお楽しみとして録画しておいた金曜ロードショーの「風の谷のナウシカ」を鑑賞。
 30年前の作品ながら、まさに見えない菌に怯える今現在に通じるものがあって、やっぱり宮崎駿監督は時代を先取りしていたのだなぁと襟を正して見始めたのだが、ついつい杯を重ねていたため、うっかり途中で寝落ちという失態(笑) 気づいたら夕方になっていたのだった。。。
 その後、寝落ちしたところからまた見直して最後まで完走。

 ということで午後はずっと座りっぱでろくに動いていない(というか寝てた)ので、お腹もあまり空いていない。昼よりかはちょっとボリューム減らして、お酒のアテにしてチビビチやりながら実写ドラマ「岸部露伴は動かない」全3話を一気観していたら、あっという間に夜になってしまった。

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 うんでも、美味しいお酒と料理と、上質な作品をじっくり鑑賞することができたので大満足な1日だった。

 


■1月2日

 さて2日目、この日も家でお籠り。
 昨日の早起きはどこへやら、いつもの休日、安定の9時半すぎ(というかほぼ10時近く)に起きて、冷凍しておいた食パンのトーストと挽きたてコーヒーで朝食を摂るも眠気はおさまらず午前中はぼんやりと(笑)

 

 お昼はネギたっぷりのお蕎麦と、大量に作った煮物をまたレンチンで。

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 午後もまったりしつつ、窓辺で日向ぼっこしながら漫画を読みふけっていた。
 今夜、Eテレで萩尾望都先生の特集番組が放送されるので、気分的に萩尾望都作品にしよっかなと、先日購入した「マージナル」を一気読み。
 出生形態が変わってしまった未来の地球の物語ではあるけれど、昨日のナウシカに通じる自然破壊と人類の再生が描かれていて興味深い。「風の谷のナウシカ」も「マージナル」も80年代の作品で、増え始めた人工問題や汚染や環境破壊問題などが表面化しつつある時代に描かれており、だからこそ問題が露呈した今、改めて観たり読むことで気づきも得られる。
 また「マージナル」は男だけの世界という枠の中に生まない女性の物語も内包していて、いろいろと身につまされる。
 と、人類の行く末と個としての自身の行く末をどうしたもんかと揺蕩っていたら、あっという間に夕方になっていたのだった。

 晩御飯は昨日からのパート3(笑)

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 配置は多少変えてみたものの使っている具材が一緒なので大きな変化は無い。
 煮物のレンチン含め、5分もかからず準備ができてしまうのはすごい楽ちんなのだが、昨日から変わりがないことに多少の飽きも出始めてくる。
 せっかくなので、お酒はちょっととっておきにしておいた白ワインにして、夜の晩餐会を楽しむことに(チェイサーがわりの柘榴酢の炭酸割も添えて)。
 良い感じに酔っぱらってきた頃合いで楽しみにしていた新春ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」をリアタイ視聴。
 今回はみくりさんの出産話を軸に、婦人科の病気にかかった伯母の話やLGBTの向き合いや育休問題などここ最近の社会問題がこれでもかとぶっ込まれており、さらにとどめはコロナにもド直球に向き合った内容になっていて、リアタイだったから1個ずつ思考のハードル越えながら見られたが、振り返るとあまりの問題提起の多さにドッと疲れてしまった。
 逃げ恥は生む女性の話ではあったけれど、その陰には生まない女性(伯母の百合ちゃん)のエピソードも織り交ぜており、「マージナル」といい「逃げ恥」といい、生命としての女性と個人としての女性の悩みや葛藤が凝縮されて、たぶんもうすぐ百合ちゃんと同じく生まない女性の路を歩まざるをえなくなる身としては考えさせられる時間でもあったし、これらの作品を通じてエールをもらったようにも思えて。
 何はともあれ、これだけ女性性について真向から向き合っても良いのかも、問題提起しても良いのかもと思える時代になってきて良かった。令和は女性や男性といった性差を超えて個として充足できる時代になって欲しい。


■3日目

 お正月も気づけばあっという間に3日目!というか冬休みがもう6日も経っていて残りわずかという事実にビックリ。休み前はこんな長い休暇、一人じゃ持て余すかも…と思ったのが杞憂だった。むしろ足りない。まだまだ観たい番組や漫画や小説が控えている。まぁ、それだけ観たい読みたい作品があるというだけで幸せなのかも。

 さて、今日は9時にがんばって起き、ちょっとスクランブルエッグにこだわったカフェ風朝食。

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 連日、和食寄りだったのでバターの風味を効かせて味変。


 ちょっとした喫茶店のモーニング気分でまったりとした時間を過ごしたら、昨夜録画しておいたEテレの特番「100分de萩尾望都」を視聴。
 昨夜リアタイしたかったのだが「逃げ恥」と時間がドンかぶってしまい、かつ、酔っぱらいながらながら見するには勿体ないと、一番意識がしゃっきりしている本日午前に遅ればせながら襟を正して観ることに。
 いやぁ100分では全然足りない!まださわりだけって感じで、有識者の方々にもっともっと語って欲しかった。さまざまな見解を通して新たな気づきもあれば、再認識することもあり。永遠と一瞬を少女漫画という技法で閉じ込め結晶化した萩尾望都先生はやっぱり偉大。
 また近々、久しく読んでいなかった「トーマの心臓」を読み直してみよう。
 きっと今だからこそ気づけることが多そう。

 と、気づいたらすっかり昼過ぎ。冬の有能保存食たちや作り置き料理はまだまだ残っているものの、なんかこう全然違う味がするものが食べたい。とはいえ作る気力は全く無い。
 ということで、お正月3日目の昼食はコンビニで買ったカレーになったのだった。

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 スパイスの効いたカレー最高に美味しかった!


 午後はのんびりお茶したりTV見たり、こうして大晦日から3が日までを振り返っている内に気づけばもう夜。


 今夜は未だ残っている大量の煮物はじめ、酢ダコや数の子などなど酒のツマミのオンパレードで、キンキンに冷やした白ワインを愉しむことにしよう。

 

 

 こうしておひとり様のお籠りのお正月もあと僅か。
 例年とは一味も二味も違ったお正月だったけれど、久しぶりに好き勝手に思う存分、思考を揺蕩わせて過ごすことのできた贅沢なお正月だった。

 

 そしてまた、恒例だと思っていた行事の有難さを再認識できたことも良かった。
 お正月の帰省は義務だと思っていたけれど、義務ではなく親しい間柄の人たちと労りあう感謝の時間だったのだなぁと。

 

 次のお正月はまたみんなで一緒に過ごせることを願って、この新年が自分自身にとっても新たな進展の年になれるよう、1つずつ丁寧に向き合いながら頑張っていきたい。

 

 

お題「昨日食べたもの」

お題「ささやかな幸せ」

お題「気になる番組」

 

お風呂を求めて6時間 さすらいのおひとり様の冬

お題「ささやかな幸せ」

 

 その予兆は数日前から確かにあった。

 

 キンキンに冷え込んだ朝、お風呂場の給湯機パネルから間断なく鳴り響く温度設定のコール。
 寒さで給湯機パネルの調子が悪いのかしら…?と気楽な判断で、ひとまず音声オフにして過ごすことにした2日後、お風呂を沸かしてゆっくり温まろう♪とお風呂を沸かすボタンを押したところ、全く反応しない。
 
 なんと給湯機パネルがすっかり故障してしまったのだ…!

 

 お湯は出るので、蛇口からお湯を出して浴槽に溜めてみたものの、浴室のあまりの寒さに溜まる先から冷めていくお湯。結果、体温よりちょい温かい?くらいのぬるめのお風呂が出来上がったのだった。
 さすがにこれはマズイ…。
 冬場、思った以上に冷え込む住まいの貴重な楽しみがお風呂だったのに。

 シャワーでちゃちゃっとすますこともあるけれど、浴室の寒さに正直、シャワーだけだとかなり辛い。

 仕方なく不動産屋に連絡して、給湯機を設置したお店に相談してもらうことに。

 こういう時、おひとり様的にはやっぱり賃貸で良かったと実感する。

 自分で全部やらなくてよい楽さ。

 賃貸契約書にすでに備わっている設備のメンテナンスを貸主責務と明記されている安心感。
 毎月粛々と賃料を払う身として気兼ねすることなく相談することができる。

 そして、販売店のオジサンと大家さんの立ち合いのもと給湯機パネルを見てもらったのだが、なんと、パネルの不具合はもちろん、給湯器自体もそろそろ限界ということが判明…!なんと⁉
 そういや最近、シャワーのお湯も一定の温かさを維持できなくてちょっと調子が悪かったような。
 築30年の賃貸物件なので、海外のお湯の出ないホテルよりかはマシかな、という気持ちで使っていたのだが、本来は一定温度でちゃんと出る代物だったようだ。
 この四半世紀、キレイさよりも広さ優先で同じ値段なら古くても広い物件を選んできた弊害か、多少温度が変わってもお湯が出るだけでありがたいという心境になっていたため、事態の深刻さに気付くのが遅くなってしまった。

 結果、給湯器パネルどころか給湯器自体を交換することになったのだが、季節は年の瀬、しかもコロナ禍。取り替える給湯器が全然来ない…(涙

 ということで、当面シャワー生活が続くことになったのだが、やっぱり寒さで萎えてしまうし体の芯から温まらない。
 かといってほどよい片田舎で閑静な住宅街となると銭湯などなく…。
 それならばと、先月訪れた市営温泉「かたくりの湯」を訪れることに。  

※前回の話はこちら

【週末散策】森林浴と温泉でリフレッシュ【多摩湖自転車歩行者道とかたくりの湯】 - nanami-JP’s blog

 

 前回の反省を生かして、出発は日曜の午前中。
 といってもやっぱり寒くて寝坊したので、朝ゴハン食べてちょっとTVを見ていたらあっという間に11時間近となってしまい慌てて出発。

 前回は湖畔沿いの遊歩道というか後半はかなり人気のない森の道だったので、この真冬の時期に延々と枯葉の落ちた寒々とした木々を延々と眺めながらというのも物寂しいかなと、今回は別ルートで少し街中を通るルートに。途中まで湖畔沿いを歩き、湖畔の半周コースの分岐点で青梅街道方面へ。

 のんびり歩いていると林の中に謎の動物たちを発見…⁉

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謎の動物たちの傍には小さな社がいくも点在している。どうやら神社の裏手のようだ。

こんなブサ可愛な動物たちを飼っている?神社ってどんな神社⁉…と思ってちょっと寄り道することに。

 訪れてみたら思った以上に広くて素敵な神社だった!

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 この「豊鹿島神社」なる神社、後で調べたら都内現存する最古の神社本家らしい。なんと室町時代に建立されたのだとか。すでに室町時代から武蔵野の山に人がいたんだということもちょっとびっくり(まぁこの近辺、古くは縄文時代から人はいたらしいが)。なんとも趣があり、清浄な空気に満ちた素敵な神社だった。

 

 ちょいと寄り道がてら水分補給してから再び青梅街道を延々と歩いていったが、途中、分岐点から山方面に向かうと案の定、人気のないも森の中の細い遊歩道へ。恐々と進んだ先、前回通った「武蔵野の路」の中間地点あたりの場所に合流。
 前回、Googleマップを見ずに本能のままに三差路で違うルートを選んで迷ったのだが、どうやら今回合流すべく歩いた道は、前回迷った道とはまた違うもう1つの路だったようだ。
 意図せず三差路のそれぞれの先のルートをこれでコンプリート。
 ちなみに愛用しているGoogleマップ君だが、さすが機械、最短距離となるたけアップダウンのない平坦な道を選ぶという優秀さは合わせ持つのだが、選んだルートのコンディションまでは把握できないので、最短コースが時として獣道かと思うほど鬱蒼とした道になることが…。そんな細道まで把握している事もすごいのだが、人気のない獣道に近いなんとか維持された遊歩道は、昼間でないとマジで怖い。
 なんとか午前中に出発して本当に良かった。

 2回目ということで多少の土地勘もできたせいか、今回は迷わずに到着!
 
 ほどよく汗ばんできたので、さっそく入浴。
 広々とした浴槽に思いっきり手足を伸ばして堪能できる幸せ。
 しかも炭酸泉が日頃の疲れに沁みる沁みる。
 内湯で十分温まったら今度は露天風呂へ。外はちょっと寒いがお湯が熱めに設定されているので良い感じ。お昼時ということでファミリー層はお昼ごはんに集中しているせいか客もほんの数名。人生の大先輩のおばあちゃまと小さな孫がいそうな妙齢のご婦人、そして若い女の子、その中に40代おひとり様な私と幅広い客層ゆえか、各自、距離感も絶妙。というかかなり距離を取りつつ己の好きな浴槽にのんびり入ることができた。

 

 いい感じに温まった後は、お腹も空いてきたのでランチへ。
 今回は天婦羅ソバとビール!

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 風呂上りのビール最高‼

 

 しかもさくさくの天婦羅とビールの相性の良さといったら♪
 この一杯のために1時間半、歩いた甲斐があるというもの。
 適度に運動したという言い訳もできるから天婦羅だってモリモリ食べちゃう。

 

 ランチ後、適度に休憩した後、足元が冷えてきたので、もう1回お風呂に入って再度ポカポカになったところで制限時間3時間間近に。これ以上お風呂に入ると逆上せるし超過料金もかかってしまう。ここは潔く撤収。

 そして帰りは湯冷めしないよう、徒歩ではなくバスを利用。
 ちょうどバスの時間も迫っていたので、ポカポカしたままバスで帰路に。
 ちなみにバスは直通などなく、バスからバスへの乗り換えになってしまう。
 最初のバスの終点は上北台駅ということで、駅前の100均の大型店舗で細々とした日用品を買ったりスーパーで食材を買っていたら、あっという間に日が暮れてしまった。
 乗り換え後のバスで家の近くまできたものの、すっかり日が暮れ森の遊歩道の近道は使えず、結果やっぱり少しだけ遠回りして住宅街の路地を通って帰ったのだった。

 

 そんなこんなで、家に着いたのは5時過ぎ。
 お風呂を求めて実に6時間のプチ旅行となったのだった。

 
 それにしても今回の件で、世の中の文明の便利さを改めて実感。
 でも、それに慣れきってしまうことも危ういのだなと思ったのだった。

 

 そもそも、蛇口をひねってお湯が出るってだけですごいことなのだ。
 そんな便利ツール、100年前にはなかった訳で。
 蛇口からお湯がでることを感謝こそすれ、出なくなったことを嘆き悲しんだり怒ったりしてはならない。
 というかそこであたふたするだけ無駄。

 何故なら、文明の利器とは壊れやすいものなのだ。
 そもそも本来、お湯が当然ある現象などこの地球上、そうそう無い。 
 自然温泉が湧き出た場所か活火山にほどよく近い場所くらいって、かなり限られている。
 無いものを人間の知恵と文明で作り上げ日常にまで高めているのだから、その時点で実はかなりの労力と歴史がある訳で。
 人為的な物は壊れるのが前提なのだと、身をもって体験したのだった。

 だからこそ、この日常が実は絶妙なバランスで作り上げられた幸せのガラスの箱庭だったのだと。

 そう思うとささやかな日常がとっておきの日々になってくる。


 …とはいえ、毎日のようにお風呂を求めて6時間もさまようのも辛いので、年内には新しい給湯器が来ることをけっこう切実に願っていたりはする。


 文明の利器は、使えるのであればそれはそれでぜひフル活用したいのも、正直な人間のエゴだったりはする(笑)

 

 

 

白菜と大根で、冬野菜使い切りチャレンジ!

お題「昨日食べたもの」

お題「簡単レシピ」

 

 12月に入りすっかり寒さ厳しい今日この頃、買い出しもできれば回数を減らして家でぬくぬく暖を取りたい。
 そんな気持ちでいたところ、スーパーで冬野菜が特売となっていたので、そういや11月半ば頃に白菜1/4を買って鶏肉との水炊きが美味しかったなぁ…と、特売の白菜1/2(100円)と大根1本(100円)を購入。
…してみたのだが、おひとり様で使い切るにはなかなかのボリューム。

同じ料理だと飽きてしまうので、手を変え品を変え「冬野菜使い切りチャレンジ」を開催してみた。

 

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※在宅だと気づいたら日が暮れてしまって買い物に行きづらくなってしまう。そんな時、白菜と冷凍鶏肉があれば水炊きで暖も取れるしお腹もいっぱい。柚子胡椒で味変するのもおススメ。

 

  今年は愛用しているニトリで土鍋を購入し、冬料理モードだったので鍋は何回かしたので、鍋とはまた違った楽しみはないかとネットで白菜や大根のレシピを探して、自分でも作れそうなものをいくつかチャレンジ!

 

■中華風

レンジだけで作れてしまう白菜とそぼろの中華あんかけ風。
大根もレンジで3分くらいチンしてから、フライパンで焦げ目をつけて照焼き風に。

ショウガが効いて身体もポカポカに。

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■すき焼き風

豚ロース肉と白菜、えのきですき焼き風に。
ほんとはしっかりすき焼きにしたかったのだが、何をどこで間違ったのかただの煮物一歩手前に。
それでもといた黄身につけて食せばかなりすきやきな気持ち♪

(ちなみに白身は勿体ないので鍋に投入)
和食ということで大根もレンチンした後は、これまたゆずの砂糖煮と味噌をレンジで軽くチンして混ぜた柚子味噌風で風呂吹き大根に。
辛口の日本酒が合いそうな組み合わせ。ぜひ今度またキンキンに冷やした日本酒と一緒に楽しみたい。

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■グリル

白菜レシピで自分的ヒットだったのが、グリル白菜!
フライパンでじっくり焼いただけなのだが、外側は焼き目がついてほんのり香ばしく、中はジューシー。
1/4サイズでもモリモリペロリと食べられてしまう。
付け合わせで冷蔵庫に残った野菜も一緒にグリルして食べると美味しい。

 大根は拍子切りにして白ワインビネガーと刻んだ柚子に唐辛子を入れて漬けたもの。ちょっとした副菜として数日楽しめる♪

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※白菜グリルのアレンジで、白菜の間に豚ロースを挿し込んで焼いてみたら、これも美味しい。こちらはグリル後にバルサミコ酢を振りかけてさっぱりと。

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 大量の白菜と大根のおかげが、もりもりお腹いっぱい食べて大満足の翌日は、お腹の調子もいつもより良い感じなのもありがたい。

 

 寒さにテンションが下がることも多いけれど、冬場は食材も傷みにくいので即日使い切りや冷凍対策もしなくてよいのが楽で嬉しい。
 しかも今年はお安い冬野菜が多いのも嬉しい限り。心置きなくいろんなレシピに挑戦できる。

 

 年末年始はコロナの影響で実家にも帰れずやむなく自宅待機となってしまったので、せっかく時間もたくさんあるのでクリスマス料理やおせち料理にも挑戦してみようかな…と、ささやかではあるけれど、ほどよく幸せな年末年始の楽しみも見出したのだった。

 

 

 

アラフォーの行く末は、お局か女王かそれとも魔女か

 繁忙期が近づいて在宅ワークから出社する日も増えてくると、エンカウント率が高まってくるのが社内モンスターたち。
 久々にさまざまなタイプに遭遇し、ああこれこそが会社だった、仕事の8割は人間関係の調整だったわ…と思い出し、なんだかモンスターたちとの邂逅も懐かしさが伴って多少のストレスは軽減されるものの、やっぱり疲弊は半端ない。いつになくやけ酒の杯も増えてしまうのだった。

 

 そんな週末、家でのんびり寛ぎながら、社内モンスターたち、特に同世代のアラフォー&アラフィフ女子社員のモンスター化について対処法をつらつらと考えてみた。

 

 中小企業で大企業に比べたら社員数もそこまでではないので、アラフォー&アラフィフ女性があまりおらず、むしろ40代の自分が気づいたらあれ?女性陣の中ではお局クラス⁉という現実が辛い。
 自分の5年後、10年後のモデルケースとしてお手本にしたい女性上司が見当たらないので、自分自身の向かう先が暗中模索なのだ。そのため、うっかり気づかない内に己自身がモンスター化するかもしれない恐怖に日々怯えている(ちょっとだけ)。
 ということで、モンスター化したこじらせアラフォー&アラフィフ女子たちの成り立ちと対処法を考えるとことで、そうならないための防御呪文を考案せねばならない。

 

■THEお局
・意地悪度  ★★★★★
・意固地度  ★★★★
聞く耳度  ☆
・業務遂行力 ★

 巷で良く効く代表的なモンスターといえば「THEお局」。
若手だけでなく、同世代の知人友人たちがもれなく被害にあっているのが実に悩ましい。
 このお局なる物、人の話を全く聞き入れず、偏った社内知識と穿った常識で自分のやり方だけですべてをゴリ押ししようとしてくる。
 通常業務を粛々とこなす平和な時はまだ良いが、会社の変革や業務体制の見直しなど、何かしら新しいことを行う時に荒ぶることこの上無い。
 被害にあった知人友人の話を総合すると、お局という物は、どうやら幅の狭い業務を長年やってきたことで無駄な自信と限られた能力で他部署での受け取り拒否が生み出してしまったようだ。
 「私にしかこの仕事はできない」というセリフが出たら要注意。
 いや、仕事など、特に会社という組織において、たった一人にしかできない仕事というものは無いし、本当のところいくらでも替えがきくのだ。それを自分一人で囲いこむことで、さも仕事のスペシャリストという体を装っているが、実際のところスキルは高くないのが事実。彼女たちも自身の低スキルを知っているがゆえに、出来る風を装って仕事のシェアを全くせず、ブラックボックス化することで「なんかスゴイ」「あの人でないと出来ない仕事」と思わせる特別枠を作ることに必死なのだ。
 さながら荒野の岩場に細く長く誰も入り込めない穴を掘って過去資料を整理もせずにため込むだけため込んでお宝だと思わせるために穴の入口で日々威嚇しているようなものだが、実はその穴はため込んだ資料ごと埋めてしまっても本当のところは困らなかったりする。

 となると対処法としては、まずお局化する前に、適度にジョブローテーションさせることだろうか。部内でも同じことを長年させるのではなく、適度に役割交代することで、「自分だけができる仕事」というものを無くさなくてはならない。
 既にお局化したモンスターは悩ましい。長年かけて掘り続けた細い穴をまず埋めてしまうしかない。そのうえで、現時点で年齢性差関係なく、一個人として彼女ができる仕事内容を精査して適正量を与えるしかない。もし「そんなの私の仕事じゃない」と言われようが泣かれようが聞き流し、1か月ごとのノルマを与えてきちんとできてるか精査しフィードバックすることで、お局に現実をつきつけるしかない。もしくは業績や他社員にあまり影響のない場所を作るしかないか。実にめんどくさいが、他の有能な複数の社員たちがお局のイビリで病んだり辞めたりする損失を考えたら、対処しないと多大な損失になってしまう。
 討伐か是正かさせることこそが上司の仕事なので、被害者友の会を作って上司に訴えるしかない。
 それでも動かない上司がいたら、その上司も無能なので、会社の訴えるか、もしくは上司と局を見えない壁で遮断して必要最小限の仕事だけやってもらい、実務を部下たちでやってしまうという荒業もある。
 ここで肝心なのは決して一人では立ち向かわないこと。
 一人で戦うと、単なる気の合わない女同士のイザコザというフィルターをかけられてしまうので要注意。


ピリ辛女王さま
・いばり度  ★★★★★
パワハラ度 ★★★★
・謙虚度   ☆
・業務遂行力 ★★★

 出世街道に乗って、かなり上層部に席を確保している「女王さま」。
きっと若いころは美人としてもてはやされ、辛口トークが気風の良いお姉さまとして好評だった時代もあっただろう。だが、無駄に高い地位に辛口トークが相まってしまうと、もはやそれただのパワハラですから~となってしまう。
 本人は「サバサバしている私♪」という無駄な思い込みと、高い地位ゆえに周りが気遣っているだけなのに気づかないので、辛口トークが止まらない。
 飲み会で「私の酒が飲めないの⁉」「若いんだからもっと食べなさい(飲みなさい)」「男子ならもっと頑張れるでしょ」「女性推進ために女子だけの社内プロジェクトを成功させましょう」とか言い出したら要注意。
 このケース、身近にいないのであまり詳しく考察できないが、自身の能力と魅力で会社を立ち上げた女社長だったり、大企業で何かしらの権威をゲットして上層部に行けたり、若くして役員になってしまうとなりうる可能性が高いと思われる。
 しかも女性であることをある種の武器としてのし上がってきたパターンもあるので、常に女として現役でいたいという願望も抱えている。そのため若くてカワイイ女子社員は女という性ゆえに鼻持ちならないわと無視をしてくることも想定されるし、30代、40代女子社員には「貴方たちとは違ってよ」とブランド物の鞄やアクセサリーでマウンティングしてくることがある。
 そして女王さまは現場をあまり経験していないうちに管理職や上層部になってしまうので、業務の大変さもイマイチわからないので、部下への共感力が甚だ低く実務スキルもないので無茶なスケジュールやプランを立てがちである。とはいえ、さすが女王さま、社内政治力の高さや取引先の上層部との懇意度は高い。

 対処法としては、もう別次元の存在と割り切るしかない。
 そして辛口トークは右から左に受け流すしかない。
 もしブランド物やセレブ旅行談でマウンティングしてきたら、「わ~すごい~素敵です~」と棒読みでも良いのでその場限りのセリフでお茶を濁すしかない。あまり持ち上げすぎて気に入られると無駄な宴会やプロジェクトに引き込まれてしまうこともあるので、着かず離れずの程よい温度感が大事。
 また幸いなことに女王様は下々のいる場所での出現率は低いので、エンカウントしないよう回避し続けるという手がある。
 宴会の席では絶対に隣や対面にならないよう敢えて幹事役を買って出て末席をキープするか、鈍感力の高い同僚を仲間にして女王さまの相手をしてもらうしかない。


■永遠のプリンセス
・可憐度   ★★★★
・甘え上手度 ★★★★
・気遣い度  ☆
・業務遂行力 ★

 女王さまの派生版として、女王さまほどの貫禄はないが可愛らしさとおじ様受けの良さでそこそこのポジションをゲットした「永遠のプリンセス」というモンスターも少なからずいる。
 20代の頃は年配のオジ様たちに気に入られ、同僚の男性陣からもチヤホヤされ、可もなく不可もない程よい業績で会社に損失も出していないとなったらまぁそれなりに出世するだろう。
 とはいえそこは「永遠のプリンセス」。すべては周りの好意と優しさで生きてきたので、自分で何かを仕切ったり成しえたりすることがとんとできない。
 そのため、女王さまとしての仕切り能力や交渉力も発揮できないので、出世街道もある程度のところで打ち止めになってしまう。蝶よ花よと育てられたままアラフォーになってしまった「永遠のプリンセス」ほど、対処がめんどくさいものはない。
 常に人にやってもらった人生なので、それが当たり前すぎて他人への思いやりがないのだ。しかも、いつもおぜん立てしてもらってるので、物事の対処能力が低く想像力も欠如しており実に気が利かない。
 そのため、部下には無邪気に無茶振りをしてくる。
 もしくはある程度のポジションを得た=自分は仕事ができる…と思っているので、彼女に話を通さないと拗ねる。また自分でやれるという無駄な自信で仕事を抱え込み、部下や同僚への適切で早期な采配ができない。抱えこんだリンゴが腐ってから初めて「あらヤダ何これ」と部下や同僚に投げ渡してくるのが得意技なのだ。
 しかもリンゴを適切に処理できなかったことを、最終的に受け取った相手のせいにして上層部に報告したりするもんだから質が悪い。
 腐る前に受け取れば美味しく処理できるものをと内心悔しがる部下たちの気持ちも汲めないので、状況が改善されることもない。

 対処法としては、徹底的にお姫様扱いするしかない。
 お姫様という椅子にしばりつけて、実務はさせないに限る。いやだって実務能力が低すぎるのだから仕方ない。下手に抱え込まれて腐ってからよこされても、こっちが窒息死してしまう。
 これぞ現代の「白雪姫と七人の小人」作戦。
 実務遂行能力の高い小人たちでちゃっちゃとこなしてしまうに限る。
 そのためには、お姫さまが業務を抱えないよう常に見張る必要もある。
 こんな時、継母の魔法の鏡でもあったら楽なのだが、現実はそうもいかないので、とりあえずお姫様のメールのCCには小人役のメンバーを最低でも1名入れてもらうよう教育するしかない。
 宛先は姫宛だとしてもCCの小人が迅速に受け取って他の小人にシェアして解決に走ってしまおう。
 そうして出来上がったツヤツヤで美味しいアップルパイのような成果の報告は、姫さまから上層部にしてもらおう。その際、美味しいアップルパイを作ったのは小人たちであることはお姫様の上司や同僚には自分たちで伝えるしかない。お姫さまは永遠にアップルパイの作り方や作るための苦労など全く気にもとめないのだから。
 

■2種類の魔女

闇の魔女
・政治力度   ★★★
・周りに頼る度 ★
・気遣い度   ★
・業務遂行力  ★★★


光の魔女
・政治力度   ★
・周りに頼る度 ★
・気遣い度   ★★★
・業務遂行力  ★★★★★
 

 対男性能力が低く突出した外見の可愛らしさや美しさが無いと女王さまやお姫さまの道はちと厳しい。
 それでも特殊業務のスキルが高かったり、仕事能力が高ければ、お局の道は逃れることができるだろう。 お局とは違ってまさにその人ならではのスペシャルな業務や技を持っていれば会社の魔法使いになれる。

 だが、この世に光と闇があるように、魔女にも光と闇の2極化の道がある。
 まず会社で闇落ちした「闇の魔女」。
 会社の改革や刷新の荒波の中で生き延びたものの、周りの魑魅魍魎たちとの闘いに巻き込まれ自らも闇落ちしてしまったパターン。
 会社の黒歴史にも熟知しており、上層部の人間関係なども把握していることから、不気味な貫禄をもっており、周りから恐れられ、おいそれと近づくものはいない。
 特殊業務を粛々と完璧に遂行してくれれば文句はないのだが、呪詛のごとく会社や同僚への不満を呟きだしたら要注意。
 周りの空気がひじょうに悪くなり若手たちのモチベーションがだだ下がりしてしまう。

 対処法としては、上司か魔女同士で定期的に飲み会なり食事会なりでガス抜きをさせること。
 短時間の隔離によって別場所で魔女たちの呪詛の言葉を吐き出せば、翌日は会社では呪いの言葉を発することも減り、清浄な空気を保つことができるだろう。
 闇の魔女は意外とストレス耐性が低いので、繁忙期や会社の変革時などなにかしらの大きな動きが生じた時やイレギュラーな業務が増えた時は呪詛を吐きやすい。
 そういった状況にならないよう日々の安定を保つようにするか、一時的な隔離で吐き出すだけ吐き出させれば、ある程度の期間は特殊業務や専門業務といった魔法の鍋を煮詰めることに専念してくれる。

 

 対して光の魔女は、仕事もできるしフラットな感覚を持っている者が多い。だが長い人生で何かをきっかけに達観能力を高めてしまっているため、実は人への関心が低いという一面がある。
 猫や犬を溺愛していたり定期的に長期旅行を取り始めたら要注意。彼女の心はここにあらず…である。

 対処法としては、気持ちちょっと多めの業務を渡して仕事集中モードを維持させるしかない。
 業務遂行能力が高いので、空き時間ができると愛犬の玩具を探し出したり次の旅行プランを立て始めてしまう可能性が高い。
 また光の魔女は愛想はほど良いので、若手の教育係にするのも良いかもしれない。
 要は仕事へのモチベーションを高い水準で維持することができれば、かなりのパフォーマンスを発揮してくれる。
 ただそんな光の魔女にも弱点はある。魔法使いが魔法を使えない一般人を理解できないように、相手が何故この仕事ができないのか本質を知ることはできない。そのため、ややもすると仕事の指示がひどくざっくりしている場合がある。「冷蔵庫のありあわせのもので適当に作っただけよ」と言いながら、レストランで出るような料理を平然と作るのが光の魔女の特質でもあるのだ。そのため、そういう時は、こちらが段取りなど料理のレシピのように書き出して確認してもらうしかない。
 まぁそれでも光の魔女は魔法の使えない一般人への慈愛はそこそこあり、業務チェックは意外とやってくれるので、しっかり頼って頼んでも大丈夫。


ということで、身の回りの会社モンスターたちをあげ連ねてみたが、己がいつ何時、どのモンスターに豹変してしまうか分からないこの恐ろしさ…。

 この中なら光の魔女になりたいところだが、特殊スキルもない身としては立場の確立も難しいのが現実だ。魔法の使えない一般人のアラフォーは謙虚に粛々と業務をこなすしかないのだろうか。それとももうそこそこ良い年ではあるけれど、仕事のスキルアップを目指すしかないか。

 

 今後の己の行く道は未だ暗中模索ではあるけれど、嫌われ者のモンスターにはならないよう自戒して、どんな状況であっても強く優しく美しく、品性のあるアラフィフを目指したい。


 また今回はアラフォー&アラフィルの女性社員をケースに考えてみたが、会社には老若男女さまざまな人間がいるので会社モンスターはまだまだいろんなタイプが日々生まれている。
 勇者などそうそう現れるものではないので、会社という村社会で生きるイチ村人として、モンスター対策は村の仲間たちと一緒に考えていきたいものだ。

 

 

 

おひとり様の冬ごもり 2020年冬

今週のお題「自分にご褒美」

 今年もまた寒い冬がやって来て、部屋がキンキンに冷え込むようになってきた12月。
 
 これから約3か月の寒波に対抗すべく、先週から今週にかけてお部屋の冬支度に勤しんでいた。

 今年はコロナの影響もあって忘年会はすべてキャンセルになってしまい、実家への帰省もままならなくなってしまいそうな気配。
 となると12月から1月上旬までは確実におひとり様で土日と長いお正月を過ごすことになりそう…。

 このままでは、おひとり様の冬のおこもり生活を快適にしないと身も心も凍えてしまいそう。

 ならば今年は自分自身へのご褒美も兼ねて、おひとり様の冬ごもりを思いっきり楽しんじゃお!
 そのための多少の出費は日頃の自分へのご苦労さまとありがとう料ということで!

 

 …ということで、まずはお部屋を冬仕様に。

 

 手始めに部屋の寒さをなんとかせねば。
 あるWEBニュースによると、冬場を寒い部屋で我慢して過ごす人と暖房しっかり入れて20度くらいの温かさで過ごしている人を比較検証すると、寒い部屋で過ごしている人のほうが病気のリスクが高いそうな。
 まぁ確かに、寒さで縮こまって血管収縮してしまっては血行不良ひどそうだしリラックスもできない。
 医療費を払うくらいなら、暖房代に投資して健康促進したい。
 今年は我慢せずに部屋の暖房を入れっぱなしにしよう。

 そして冷えは足元からということで、対処法としてフカフカの冬用カーペットを購入!
 ワインレッドで目にも暖かなものに。
 さらに断熱効果のあるアルミシートと捨て損ねていた以前使っていたカーペットを中敷きにしたことで、フカフカさもUP!
 リビングの床に座り込んでも寝転んでも優しい肌触りで暖かフカフカで幸福度が一気に上昇!

 その上にコタツを設置したらもうそこから一歩も出たくない!と思える半径1mのぬくぬく空間の出来上がり♪

 

 次はお部屋のデコレーション。

 私の大好きな国の1つ、北欧のデンマークは、冬は日照時間も短く寒さも厳しいので家の中をいかに快適に楽しくするかを大切にしているらしい。
 けっして豪華絢爛ではないけれど身の丈にあった程よい幸せを追及することに長けたデンマークのヒュッゲ精神を見習って、私も家の飾りつけを楽しむことに。

 クリスマス仕様も良いけれど、12月はあっという間に終わりそうなので、できれば年明けも適用できる感じが良いなと思い、クリスマスツリーは見送り。代わりに、ニトリで白樺風のスタンドライトを見つけたので、部屋の一角を冬のデコレーションコーナーにしてスタンドライトを設置。そこに赤と金がカワイらしいオーナメントを飾ったら一気に冬の北欧感に!
 そこに先日、購入したお気に入りのケーキスタンドも一緒に飾ってテンションUP。

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 そしてデンマークぽさということでイオンモール武蔵村山にあるフライングタイガーでデンマークチックなアイテムを購入。

blog.jp.flyingtiger.com

デンマークコペンハーゲンに本店があるプチプラグッズを扱うお店。デンマークの一般家庭の雰囲気が味わえる。

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 リースにデンマークの伝統的な赤と白の編み込みで作られたハートのオーナメントを括りつけて玄関に設置。一緒に、手のひらサイズのプチプラなもみの木風な小物も飾ったら気分は一気にデンマークの片田舎のお家に(笑)
 

 こうして暖かさに見た目の楽しさも加えた冬支度が整ったら、あとはゴハンも冬ならではのお料理でしょう!

 冬の晩餐会ということで、今年はオーブン料理もいろいろマスターしてみたい。
 ということで、豚肉の塊を買ってきてクリームチーズと一緒にオーブンで焼いたら部屋中に香ばしい香りが充満。ちょっとした幸せの香りに包まれながら飲むワインはいつもより美味しくてついつい飲みすぎてしまったのだった。

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※立川のユザワヤで買ったクリスマスっぽい布を繋いでテーブルクロスに。

 この日の晩餐会はサーモンとオニオンのカルパッチョに、長ネギのコンソメ煮込み(風レンチン)、豚肉のクリームチーズ焼き。そして大好きな白ワイン♪

 

 ということで、冬支度も万全に今年はおひとり様の冬ごもり満々となったのだが、大きな落とし穴が一つあった。

 

 コタツの魔力…である。

 

 平日、仕事が忙しくて帰宅が遅くなったので暖房つけるまでもないかとコタツのみで暖をとったのが悪かった。頭寒足熱でシャッキリするのを通り越し、寒さに肩までコタツに入ったら秒で寝落ちしてしまった。しかもこの5日間で2回も。
 明け方に覚醒するも身体はバッキバキで全く動けず。
 やむなくそのまま二度寝してコタツで迎えた朝は、もう最悪な仕上がり。
 疲れが全く取れないどころか疲れの二乗で翌日の仕事が辛いのなんの。
 40代はコタツで寝るのは絶対NGだと身をもって学んだのだった。

 しかも、おひとり様の身としては、コタツで寝落ちしたら起こしてくれる人がいない。
 おひとり様の宿命として自分の身は自分で守るしかないのである。

 まず家についたら暖房を入れて部屋全体を温めてからコタツに入り、その後はフカフカのカーペットの誘惑にフラフラ~と横にならないようにしなければならない。

 起こしてくれる相手がいないのであれば、寝ないための防止グッズで対処するしかない。

 至急、部屋に合いそうな可愛らしい座椅子を探すべくネットリサーチに勤しむ週末となったのだった。

 

 

お題「ささやかな幸せ」

お題「わたしの癒やし」

お題「我が家のここが好き」

 

 

 

GO To!…したつもりでやってみたい事を考える会(実施編)

今週のお題「感謝したいこと」

 11月頭におひとり様の楽しみとして発足した「GoToトラベルキャンペーンしたつもりでやってみたい事を考える会」
 3つの企画を順にこなそうと11月はリサーチやアイテム準備に費やしながら楽しいひと時を過ごすことに。

■その1:アフタヌーンティー
■その2:ビールとフィッシュアンドチップ
■その3:こ洒落たフレンチのフルコースとワインを堪能

 

 そしてこの度、月末間近の週末、無事に第一弾として、まずは「■その1:アフタヌーンティー」を実施♪

 アフタヌーンティーを楽しむなら、やっぱり窓際にティーテーブルをしつらえて、そこで紅茶やサンドウィッチ、お菓子を楽しみたいなぁということで、アンティークなティーテーブルは欠かせない。

 そして、アフタヌーンティーといえば数段重ねのケーキプレート!

 

 ということで、いつもお世話になっている楽天Amazonで虱潰しに探してみたところ、予算もデザインも自分好みの品を発見!
 ウキウキしながらポチっと購入ボタンを押してからが長かった。

 特にケーキスタンド。
 ネット検索すると多種多様なデザインが現れ惑いに惑ったのだが、その最中、ハタと気づいてしまったことがあった。
 普段使いのおひとり様分ということは、お皿のサイズが大きすぎるとスカスカになっちゃうのでは⁉ もしくはお皿を埋めようと色々載せたら一人じゃ食べきれないんじゃ…。
 しかも私、実はそこまでケーキとか好きじゃなかった…!!
 飲み会でも締めにデザートじゃなくてワインもう一杯とか頼んじゃう派だった…、、、

 

 そんな私が何故アフタヌーンティーをやろうと思ったのか、それはひとえに非日常的空間の体験をしたいがため。
 アフタヌーンティーは、優雅な午後のひと時をアンティークの家具やティーカップに囲まれて過ごす、その雰囲気が好きなのだ。

 ということで、おひとり様の嗜む分量でもいい感じに埋まりそうな2段のケーキスタンドに方針変更して検索。すると、蝶とお花の描かれた可愛らしいデザインを発見!
 お値段も想定よりお安かったので即購入!…したのだが、ネット通販の罠。届くのに3週間もかかってしまった。
 いつ来るのか全く分からず問い合わせしたほうが良いのかなと思い始めた11月下旬。待ちに待ったケーキスタンドが無事に到着。梱包材には英語が書かれており、どうやら海外から送られてきたらしい。Amazonのグローバル感に半ば怯えつつ、無事にお目当ての品を手に入れることができたことにまず感謝。

 予算も3万円弱で想定していたところ、ネットで探しまくって無事に予算内に。
・小ぶりのティーテーブル(21,000円)
アフタヌーンティーには欠かせない2~3段のケーキスタンド(3,000円)お買い得☆
・サンドウィッチとお菓子(500円)


 そうして迎えた本日、お天気もよく窓辺から外を眺めてお茶するにも良さそうな休日の午後、お気に入りのティーカップといただき物のちょっとお高めな紅茶を淹れ、ケーキスタンドにはサンドウィッチとエクレア、チョコレートを。

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 小洒落たベーカリーなど何キロも先で買いに行くのも半日は要するので、今日はひとまず近所のスーパーでサンドウィッチとエクレアを購入。本当はサーモンとクリームチーズのサンドウィッチが食べたかったのだが、近所のスーパーでは売っておらず。かといって遠出したら帰りは夜でアフタヌーンティーではなくただの夜食になってしまう。翌日に持ち越したらパンがパサパサになってしまって美味しくない。プチ田舎住まいの盲点だった…。致し方ないので、次回はサンドウィッチも自分の好みの具を用意して自作してみたい。

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  いよいよ準備も整い、それではいただきます…!と思ったら、昼食兼ねてのアフタヌーンティーでお腹がペコペコだったため、サンドウィッチをペロリと食べてしまい、ケーキスタンドの1段目はあっという間に空になってしまったのだった。

 

 なるほど、庶民がやるとこうなるのか……。

 

 どうやら優雅なアフタヌーンティーは、軽い昼食でお腹をそこそこ満たしてから、身も心も余裕がある時にやるのがおススメのようだ。
 また一人だとおしゃべりしながら合間につまむという行為ができず、ついつい食べる事に専念してしまうので、おしゃべり相手の代わりにお気に入りの本を用意するのが良さそうだ。片手に読書をメインにして、時々思い出したようにちょいとつまむくらいがちょうどよいかもしれない。

 

 なにはともあれ、1つ目の企画を無事に成しえた満足感も相まって、実に楽しい休日のアフタヌーンティーだった。

 

 そして今回の企画には嬉しい副産物も。

 

 休日や在宅の日の朝食を、窓辺にしつらえたティーテーブルで摂るようにしたことで、朝がちょっと優雅なひと時に。

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 会社に行く日は朝食を取るか取らざるべきかと全く余裕がないのだが、在宅だとガッツリ寝ても朝30分くらいはのんびりする時間ができるので朝食をしっかり摂るようにしているのだが、窓辺のティーテーブルで朝食をとりながら午前中の窓辺の風景を眺めたり日向ぼっこしたり、朝のワイドショーをなんとなしに観たりする時間が心に余裕を持たせてくれて仕事開始もスムーズに。
 そして休日もまたのんびり朝食を楽しんだことで、その後のノルマになっている掃除・洗濯等の家事にも励むことができるというもの。

 

 日常の中の非日常を運び込んでくれたティーテーブルにも感謝。

 

 

 そうして「GoToトラベルキャンペーンしたつもりでやってみたい事を考える会」はあと2つの企画が残っているので、12月の楽しみとしたい。

 こんなご時世ではあるけれど、ささやかな幸せを楽しむ時間ができたことには感謝したい。

 

お題「わたしの癒やし」

お題「ささやかな幸せ」

お題「リラックス法」

 

ディズニープリンセスの真の呪いと秘められた魅力について想いを馳せる休日

 昨日の「午前12時のシンデレラ作戦」でシンデレラってもしかしてスーパー主婦⁉とう気づきを得たことで、今までなんとなく苦手で敬遠していたディズニー作品のヒロインたちに、もしかしたら実は気づかなかった秘めた魅力が本当はあったのでは?…と思い立ち、3連休の中日、外出する気分も失せ家でまったりのんびりしていた午後、ディズニーのプリンセスたちに想いを馳せてみた。

 

 ディズニーの公式サイトによると、ディズニーには「ディズニープリンセス」なる8人のプリンセスがいるそうな。

 白雪姫、シンデレラ、オーロラ姫(眠れる森の美女)、アリエル(リトル・マーメイド)、ベル(美女と野獣)、ジャスミン(アラジンと魔法のランプ)、ラプンツェル、モアナ(モアナと伝説の海)。
 以前はポカホンタスやムーランも入っていたような気もするが、公式サイトには載ってない。やっぱりプリンセスという地位を先天的にせよ後天的にせよ得ていないからだろうか…だとしたらシビア。

 8人のプリンセスの顔ぶれを見ると人種も種族も以外とバリエーションに富んでいて、ディズニーの多様性のアイコンにもなっているように思える。

www.disney.co.jp

商売上、「ディズニープリンセス」というブランド化することで昔の作品のプリンセスたちにスポットライトを再び当てることで実写化のチャンスも高める作戦(のように見える)

 

 さてここで、初代のアニメ化された時期とディズニーブランドとして実写化された時期を改めて確認してみよう。

1:「白雪姫」…アニメ(1937年)、実写(無し)
2:「シンデレラ」…アニメ(1950年)、実写(2015年)
3:「オーロラ姫」…アニメ(1959年)、実写「マレフィセント」(2014年)
4:「アリエル」…アニメ(1989年)、実写(製作発表されたが公開日は未定? 2022年以降?)
5:「ベル」…アニメ(1991年)、実写(2017年)
6:「ジャスミン」…アニメ(1992年)、実写(2019年)
7:「ラプンツェル」…CGアニメ(2010年)、実写(製作発表されたが公開日は未定? 2022年以降?)
8:「モアナ」…CGアニメ(2016年)、実写(未定)


「白雪姫」って戦前だった事がまず一番の驚き!
 なるほど、第2次世界大戦突入前の勢いあるアメリカのオラオラ俺様男性主義が蔓延っている時代に生み出された白雪姫は、そりゃ確かに庇護欲そそる可憐で従順な美少女だよなぁと納得。
 しかもディズニー人気をぶち上げた貢献者の一人とあっては、下手な改変はご法度。現代風に改変するのもかなり難しいだろう。きっと彼女は伝家の宝刀として、ディズニーの会社経営が破綻の危機を迎えない限り、超深層のお姫様として実写は難しいかもしれない。

 他のプリンセスたちというと、シンデレラとオーロラ姫は今の70代女性が初めて触れた長編アニメの可能性がある。いわば気持ちも若くお金にも余裕がある祖母世代のプリンセス。
 アリエル、ベル、ジャスミンは30代後半~40代女性が若いころにデートムービーとして楽しんだ映画のヒロインで、実写化されたのはそんな女性たちが母になっているかおひとり様としてライフスタイルを確立しようと己の生き方を問いかける時期にあたる。かつ、昔は彼氏と行ったけど、今は娘と一緒に実写映画を見に行ける頃合いという絶妙さ。
 そして2010年代からはCG長編アニメーション技術の発達とともに生み出された2010年代のプリンセスとなるラプンツェルとモアナ。ラプンツェルは美少女顔で金髪の超長髪という可憐さで正統派プリンセスの外見なのでまぁ分からなくもないけれど、モアナはこのプリンセスたちの中ではちょっと異色な印象がある。それでも「ディズニープリンセス」というブランド下に置くことで他プリンセスと同等の立場よ!と見せつけ、モアナもプリセンス扱いしなきゃいけないようなプレッシャーを感じさせるのがすごい。

 なんて商業的なプリンセスブランド! でもブランド化ってそういうものだよね。いっそその清々しさが逆に好感度UP(笑)

 

 まぁ、そんなプリセンスたちの商業上のバックボーンを読み解いたところで、いうなればディズニープリンセスを養っているのは年金生活ながらも余裕があって孫には甘い祖母世代と、昔のノスタルジーにちょっと甘酸っぱい思い出を塗して、娘たちにもキラキラライフを送って欲しいと思う一家の財布を握る30~40代のママたちや、お金は全部自分のためもしくは可愛い姪っ子に使っちゃえ!と言うおひとり様女子なのだと改めて実感。

 そうなると、そんな彼女たちの今の嗜好に合わせる必要があり、改めて2010年代の長編CGアニメーションや昨今の実写化にあたって、昔のヒロイン像を21世紀の現代に改変せざるを得ない。

 いわば、ディズニープリンセスの昨今の作品における描かれ方は、21世紀の女性像を反映しているものでなければならないのだな…ということが分かった。

 

 ということで、ディズニープリンセスたちは、半世紀から四半世紀前の戦後直後から高度経済成長期の男尊女卑な文化で生み出された身でありながら、多様性と自立を歌う21世紀、日本にとっては令和な時代にギアチェンジせざるを得ず、そこには生まれた時の呪いと、改変したことによって見出される新たな魅力が実に複雑に絡み合っているように思う。

 アニメ化も実写化もすでにされた以下のヒロインたちから、その呪いと魅力を考えてみたい。

「シンデレラ」…アニメ(1950年)、実写(2015年)
「ベル」…アニメ(1991年)、実写(2017年)
ジャスミン」…アニメ(1992年)、実写(2019年)
※「オーロラ姫」の実写映画「マレフィセント」(2014年)は、オーロラ姫が主役ではなく魔女が主人公になったので今回は割愛。アラフォー女子の悲哀という視点で‭観る「マレフィセント」も興味深いが、彼女の切なさについてはまたの機会に考えたい。


■「シンデレラ」…アニメ(1950年)、実写(2015年)

 シンデレラといえば意地悪な継母と義理の姉たちにこき使われ、本来はお嬢様なのに使用人のごとき日々を強いられながらも屈折せず健気…というプリンセス。魔法使いも手助けしたくなる可憐さもあり、ドレスアップした姿はお城のパーティで今日イチの美しさ!と王子に一目ぼれされちゃうくらいの美人でもある。
 個人的には辛い日々をただひたすら耐える姿がやけに受け身に思えて、王子に一目ぼれされたのも外見の美しさだけだし、美人は得だよね~とやっかみ半分の気持ちもあってあまり好きではなかった。
 だが昨日改めてシンデレラのスーパー主婦能力を再認識したことで、彼女が本当に守りたかったのは自分が生まれた屋敷だったんだなと気づいた。
 実写版では幼少時の幸福な日々が冒頭でしっかり描かれていて、シンデレラにとっては屋敷の維持は亡くなった両親の思い出の維持であり、愛した日々を守る行為でもあったのだ。だから家を出ることをせず、ひたすら屋敷を守ることに尽力したのだ。そのためには自身はフカフカのベッドでなく暖炉前の灰の上でも耐えて見せるという、その根性がまずスゴイ。一見受け身に見えながら、実は誰よりも根性があって、しかも自分にとって大切な物を守り切る強さと、大好きな父親が一度は見染めた継母を排除しない包容力まであるんだからすごすぎる。
 こんなすごいシンデレラと結婚できた王子こそ一番のラッキーマン。シンデレラが自身が生まれた屋敷だけでなく、そんな自分が生まれた国そのものも守りたいと心から思ったら、たぶんきっとそのスーパー主婦能力を発揮して王子を立てつつも様々な改革を行う有能な事務官として国を栄えさせるんじゃなかろうか。そんなポテンシャルすら垣間見せるシンデレラには、今後も自分にとって大切なものを正しく清く守って欲しい。
 そんな彼女にとっての呪いとは何だったのか。それは、極端に美化された幼少時の幻想という呪縛だったのかもしれない。
 王子との結婚で幼少時の幻想という呪縛が詰まった屋敷を出ることで、美しい思い出はそのままに、お城での新しい生活でスーパー主婦ぶりを発揮できれば彼女の人生は幸せになるだろう。
 どうか城での生活を充実させ、新しい幻想の世界で生き抜いて欲しい。幻想が打ち破れ守る気持ちを鬱屈させてしまったら、城の大広間の窓の桟のホコリを見咎めて小言を言うような小姑だったりお局になってしまう可能性を秘めたシンデレラは危うい存在でもあるのだ。

 どうか彼女には自分自身に魔法をかけ続けることで幸せいて欲しいと、祈るばかりである。

 

■「ベル」…アニメ(1991年)、実写(2017年)

 ベルは町の商人の娘だが、後に野獣に姿を変えられた王子と結婚することでプリンセスという身分を手に入れる。
 でもベルにとってはプリンセスという称号よりも、本当の自分を好きになってくれた野獣と一緒になれたことが最大の幸せだと思う。
 実写版では冒頭、インテリすぎて村では浮きまくっていたベルの姿がけっこう長尺使って描かれていた。ベル自身は自分の知識欲と探求心に邁進していただけなのだが、女性で、しかも田舎の小娘という立場が、女は結婚して旦那を支え家事(農業含む)に勤しむのがフツーとされる村の風習にはまったくもって馴染まない存在で、異端児扱いされていた。
 村の中では若手NO1として人気の男はベルの見た目だけを気に入り、しつこく嫁にしようとする。知性のかけらもない俺様男なんてマジ無理、とベルが思うのはもっともなのだが、周囲の村人たちはそんなベルを理解できず、むしろなんで結婚しないの?良い話じゃないと村人全員がお節介のお見合い婆みたいな状況は、ベルにとっては地獄だったのではないだろうか。
 それでも愛する父親のため家を出ることをせずガマンしていたのが、ベルの弱さでもあり情の深さでもある。
 実は彼女にかけられた呪いは、捨てられない家族と実家だったのだ。
 そんな彼女の呪いは、父親の迂闊な行動という思わぬ形で破られる。
 野獣の城の薔薇を無断で手折って怒りを買った父親の代わりに、野獣の城での生活を強いられることになったベル。でも正直なところ、村での生活よりも衣食住整っていて、しかも巨大書庫のある城での生活はベルにとってまさに夢のような素敵な日々。父親がうっかり薔薇を手折った時点で、彼女の呪いは解かれ幸せの第一歩となる道が開けたのだ。しかも「大切な父親の身代わり」という体の良い言い訳もついてなのだからベルにとっては最高の条件のように思える。
 王子に助けられてといったヒロイン性が全くないのが面白い。
 そんな訳でベルにとっては野獣の城生活は充実した日々で、それ故に心にも余裕があったからこそ、野獣の心の内を思いやることもできたのではないだろうか。
 しかも野獣は元々呪いをかけられたのは自身の傲慢さが招いたものだったが、野獣化した期間が長すぎて自省する時間がかなり十分あったものだから精神的に謙虚になり、かつ巨大書庫の書物を読むくらいしか時間潰しの娯楽がなかったことが野獣とベルの心を一気に近づけるきっかけにもなったのだから、むしろラッキーだったのは野獣ではなかろうか。
 ベルが面食いでは無かったのが野獣にとってまず最大のラッキーポイント。
 そして結果として、外面ではなく心の内面を見極める知性と優しさをもったベルの偉大な愛で野獣は呪いを解くことができるのだ。
 あれ?もしかして「美女と野獣」の真のヒロインはベルではなく野獣⁉

 確かに内向的で受け身で自分に降りかかった悲劇を嘆き悲しむだけで特に何もしていない野獣は一昔前のヒロイン像が重なる。
 となると、ベルはすべてに受け身で後ろ向きな野獣に真っすぐ向き合い、野獣の真の魅力を引き出してくれたまさに王子様! 野獣ってば良かったね☆
 ちなみに個人的にはアニメ版「美女と野獣」を観た時に、呪いが解けて人間に戻った彼の姿を観た瞬間、映画館内であったにも関わらず「これじゃない」と呟いてしまった過去がある。
 なよっちくて軽薄そうにも見える王子の姿よりも、大柄で厳つい野獣のほうが個人的に好みだった。
 だがまぁ、つい外見で判断してしまう未熟な私に比べれば、ベルは見た目ではなくちゃんと内面を見極める真のヒーローなので、野獣が王子様になってもちゃんと外見に惑わされず今後も末永く向き合ってくれるだろう。
 ヒロインポジションの元野獣の王子は、そんな優しいベルに対して調子に乗りすぎてベルを失望させるという過ちを犯さないよう切に祈るばかりである。

 ちなみに余談だが、実写版のベルを演じたのは、インテリで女性の地位向上に邁進するリアル・ハーマイオニーのようなエマ・ワトソンだが、当初、彼女には「シンデレラ」のオファーがあったらしい。だが彼女的には「これじゃない」と断ったのだとか。改めてシンデレラとベルの両者を検証してみると、確かにエマ・ワトソンにはシンデラは演じきれないだろう。強さのベクトルが違う。もし彼女がシンデレラを演じていたら、王子に出会わずして早々に屋敷維持のための改革と継母との縁切りをしかねない(笑)

 

■「ジャスミン」…アニメ(1992年)、実写(2019年)

 アニメ映画「アラジンと魔法のランプ」を実は上映当時、私は観なかった。
 何故なら大量に投下されるCMスポットのアラジンとジャスミンリア充全開なラブストーリー予告が、10代でちょっと中二病患っていた当時の私にはまったく刺さらなかったのだ。
 という訳でアニメ版を見たのは実写公開記念でTV放送された時…ということで昨年の話だったりもする。
 TV放送ということで、映画館のように全集中!ではなく晩酌しながら気楽に見れたのが良かったのかもしれない。映画としては思いのほか面白かった。まず音楽が良かったし、砂漠の王国の描かれ方が好みだったし、アラジンが意外といい奴だったので好感度UPだった。それでもやっぱりそこで描かれるヒロインのジャスミンは添え物感満載のわき役感が強くて苦手だった。
 とはいえ、映画自体は面白かったので実写もきっと映像美はかなり素晴らしいに違いないと、実写版は映画館に足を運んで全集中モードで観たらめっちゃ良かった。
 映像美やキャストたちのハマリ具合、音楽の良さなど語りたいところは多々あれど、その中でも衝撃を受けたのがアニメとは違うジャスミンの描かれ方だった。
 実写版のジャスミンは知性ある一人の人間としてきちんと描かれていたのだ!
 しかも、国を統治する父親の背中を見て育ったことで、国民が幸せな国とは何かを自ずと考えるほど真の統治者としての素質するらある。しかもめちゃ美人でセクシー。なにこれ再強か!という人物だった。
 そんな彼女でも女は国の統治者になれないという決まり事の前に一人悩む姿が本当に泣ける。
 生まれながらのプリンセスであるジャスミンにかけられた呪いは、国の掟という最大で強固なものだったのだ。
 頭も良くて能力が高いからこそ気づいてしまった強靭な呪い。
 アメリカでも実はいまだに破られない女性管理職を阻む「ガラスの天井」がここにもあった。
 しかも愛する国から出て行けといわんばかりの他国の王子との縁談を強固に推し進められるもんだからたまったもんじゃない。
 それでも一人の人間としての自立と国を思う気持ちを朗々と歌い上げる姿は本当にカッコ良かった。
 アニメでは描かれなかったジャスミンの内面と、彼女のソロの歌が実写版ではきちんと入ったことが実写版「アラジンと魔法のランプ」の最大にして最高の改良点だったのではと思う。
 女というだけで彼女の素質に気づかない父親、国王としてマジ、ポンコツだな…と内心罵りながらやきもきしていたのだが、最後の最後に王として最高の判断を下してくれた。
 それがジャスミンへの王位継承権の委譲。
 ということで、ジャスミンが国を統治することになれば、アラジンが王子様でなくても全くもって問題ない。寧ろ、王位継承権を持つジャスミンにとっては政治や権力に関心の高い相手だと、寝首をかかれるか乗っ取られるかの脅威でしかない訳で、その点、権力とかに興味なさそうな気の良いアラジンは夫にするにもとっても最高な相手なのだ。
 魔法のランプで願いを叶えようとするアラジンと対象に、実力で願いを叶えたジャスミンは素晴らしい。
 そしてまた、最後は魔法に頼らず心根の良さで最高の伴侶をゲットしたアラジンも実はすごい奴なのかもしれない。ジャスミン効果でアラジンまでもが良い男に見えてくる(笑)

 

 改めて、21世紀の女性の悩みや望み、ありようを上手く練りこみかつ物語として破綻しない形で紡ぎあげたディズニープリンセス作品はやはり傑作であり、だからこそ大勢の人々の支持を得るのだろう。

 今後、実写を控えているアリエルやラプンツェルたちがどんな女性像を打ち出してくれるのかもとても楽しみになった。

 

 ちなみにここ数年でメガヒットをたたき出した「アナと雪の女王」がディズニープリンセスに入っていないのも面白い。

 まぁアナ雪はもうそれだけで最強ブランドとして売り上げも高いので、ビジネス的にも別枠にしておいたほうが何かと都合がよいのだろうと思いつつも、やはり「アナと雪の女王」はディズニー作品においてもある意味、生まれたその時から新時代のプリンセスの気質と文脈で生み出されたプリンセスだったからなのかもしれない。
 個人的にはディズニー作品の中では「アナと雪の女王」が一番好きなのだが、やっぱりそれはおひとり様街道を真っすぐ駆け進エルサのせいかもしれない(笑)

 

 ……と、長々と想いを馳せた休日の午後。
 さまざまなプリンセスたちの新時代ならではの生き様に勇気をもらえたように思う。
 
 強く、逞しく、美しく。

 

 そんなプリンセスたちを見習って、私も私の物語のプリンセスでありヒーローになろうではないか。

 

 そう思えるようになっただけでも、今日は有意義な休日だったかも。 

 

 

お題「ゆっくり見たい映画」

お題「好きなシリーズもの」