伊豆長岡で日本の近代化の夜明けを体感【世界遺産 韮山反射炉】
6月末、梅雨の長雨にテンションだだ下がり、どうせ外出もままならないなら温泉宿でのんびりしっぽりすごそうか…と、思い立って伊豆の温泉地の一つ「長岡温泉」を訪れてみたら、真夏日ばりの晴天に…!
となったら思いっきり観光するっきゃないぞと、Googleマップで調べてみたら伊豆長岡駅の近くに、江戸末期に建造された「韮山反射炉」があるらしい。
昨年、NHKの大河ドラマ「青天を衝け」にハマった身としては行かねばなるまい。
www.city.izunokuni.shizuoka.jp
宿で朝ごはんをモリモリ食べて気合も十分に、運動がてら徒歩で向かうことにしてみたら、延々と続く長閑な風景。
韮山反射炉の尖塔の先くらい見えるかと思いきや何も見当たらず、ピーカンの青空の下、ただひたすら田んぼ道を突き進むことに。
せっかくなので自然も楽しもうと、韮山反射炉の近くにある小さな丘に佇む鴨川神社にも立ち寄ってみた。
誰もいない神社の静けさが心に沁みる。
住宅街の端っこというか、田園と山の合間にニョキっと建立する謎の塔って感じが面白い。
まずは韮山反射炉ガイダンスセンターで入館手続きをして、展示物を堪能。
世界遺産認定されたおかげで予算も出たのか、紹介映像がなかなか良い演出で作られていて、かつ分かりやすい説明で良かった。
どうやら世界遺産になったのは韮山反射炉だけではなく、『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業』として、韮山反射炉を含む日本全国に点在する明治初期に作られた産業革命遺産がまとめて登録されているらしい。
※九州(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県)・山口県を中心に、静岡県や岩手県を含む8県11市に分散して立地されている遺跡など。
韮山反射炉は韮山代官の江川英龍さんが、江戸時代末期にいち早く諸外国に立ち向かうための武器鋳造の必要性を唱えプランニングしたもので、最初は伊豆下田を予定していたところ、ペリーの黒船襲来によって急遽、伊豆長岡に変更したそうな。
江川英龍さんは建造半ばで病死してしまったものの、息子が跡を継いで無事に完成させ、西洋式大砲を鋳造したという、江川家のファミリーヒストリーでもあるのがエモい。
しかも江川英龍さんは先見の明に優れていて、もし外国と戦争になった時の兵糧としてパン(乾パン)に注目して日本人で初めてパン作りに携わったとか。
今、日本でもパン屋が激増して美味しいパンが食べられるようになったのも、こうやって新しいことに積極的にチャレンジした先代の伊人たちのおかげなのだなぁと改めて思う。
やれない言い訳ばかり並べるのではなく、まずやってみる勇気って大切!
だって、やってみないと分からないし、やらなきゃ何も始まらないものね。
ちょうど仕事でネガティブな同僚たちに辟易していて温泉で癒されたい~と思い立って伊豆に行ってみたからこそ、こうして時を超えて思わぬ出会いがあったのだと思うと、旅って心身ともにリフレッシュされるしいつもと違う経験もできて本当に良いなと思う。


そしてガイダンスセンターを抜けるとすぐ目の前に韮山反射炉が…!!
※丸い穴から熱々どころか灼熱のドロドロに溶けた鉄が流れ出て、大砲の型に流し込まれる。
当時は全体を漆喰で覆われていたそうで、緑多い伊豆の地に突如出現した白亜の塔。しかも昼夜問わず鉄を溶かすためにガンガン炊かれてモクモク煙もでてただろうから、一体何事⁉と、当時の人たちはさぞ驚いたことだろう。
韮山反射炉は高さ約15mなので、ビルの4~5階建てくらいだろうか。
江戸末期は藁ぶき屋根の平屋ばっかりだったろうから、巨大建立物って感じだったろうな。
などと、晴天のもと江戸末期~明治初期の浪漫に想いを馳せまくっていたら、すっかり喉がカラカラに。たくさん食べたはずの朝食も消化されまくりお腹が空いたので、韮山反射炉の隣、川を挟んで建てられている土産屋も兼ねたビヤレストランほむらで昼食をとることに。
お店の前には江川英龍さんの銅像が鎮座しており、背後に韮山反射炉を背負って撮影スポットになっていた。
雲が少なければ富士山も見えたハズ…。
旅の醍醐味の一つ!昼からビール‼
…ということで、頼んだのはクラフトビールの飲み比べセット。
ちょうど「鎌倉殿の13人」も放送中だし!ということで8種類の中から北条泰時など鎌倉時代の武人をモチーフにした4種類のビールがセットになった武人セットで喉を潤す。
ライトでフルーティな香りの高いものから、コクのある黒ビールまでどれも美味しい♪
そして韮山反射炉い感動しまくったせいで、思わず頼んでしまった韮山反射炉カレー。
炭火焼の鶏もも肉が片足分ドーンと鎮座し、ご飯が韮山反射炉の形を模している。
しかも型に白米を詰め込んで、しかも2つの塔を再現するためか、お米自体も実はけっこうどころかかなりのボリューム…。
私には白亜の塔は攻略しきれなかった…。
(チキンとルーはビールと一緒に美味しく全部いただきました☆)
かなり満腹になりながら、お店の横手から登れる展望台へ。
夏も近づく八十八夜な茶畑ごしに、伊豆長岡を一望できる。
うっすら富士山のシルエットも見えて、静岡県に来たんだなぁと改めて実感。
なぜか縁結び的なものなのか、インスタ映えを狙ってかのハートのオブジェ越しにも一枚。
思わぬ出会いだった韮山反射炉は、維新の風が吹く素敵な場所だった。
薔薇の祭典‼ 新宿御苑の薔薇を愛でる <5月の薔薇たち>
猛暑で外出する気にもならない今日この頃、春から夏にかけて撮った写真の整理を兼ねて、5月の薔薇たちを再び愛でている。
5月下旬の休日、所用で午前中の早めの時間に新宿に行く用事があったので、その後、新宿御苑を久しぶりに訪れてみた。
今回は大木戸門から入場。
まずは目に付いた温室へ。
お天気にも恵まれて、晴天の中のガラス張りの温室の佇まいが美しい。
温室の中もさまざまな熱帯植物で覆いつくされていて、南国へプチトリップ気分。




温室を出たら、丸花壇を抜けて玉藻池へ。




テレビでよく見る銀杏並木を横目に、本日の目玉となる整形式庭園のバラ花壇へ。
銀杏並木の緑を抜けると、一面に飛び込んできたのは、まさに薔薇色の世界…!!
めくるめく薔薇、薔薇、薔薇の円舞。
薔薇といっても色味も品種もいろいろあって楽しい。
どうしてこうも「薔薇」というものはこんなにも美しいと思えるものなのだろうか。
右を見ても左を見ても薔薇尽くしとはまさにこのことか…!と、薔薇とともにひと時をすごす贅沢を味わい尽くし、セカンドライフは田舎暮らしで薔薇園を作りたいなぁと夢見ちゃったのだった。
帰りは日本庭園を抜けて、新宿門へ。
休日の昼下がり、広場でのんびりくつろぐ人々も多く。
所用のためとはいえ早起きして出かけたおかげで、この日はまったりゆったりと、薔薇尽くしの休日に癒されたのだった。
そしてこの夏もまた、思い出の写真を眺めながら、色とりどりの薔薇たちに再び癒されるのだった。
桜を愛でる長閑で幸せな春 お花見2022
気づいたらブログの更新もせぬまま冬が過ぎ、季節は春。
冬の間も楽しく呑気に暮らしていたのだけれど、春はやっぱりいろいろと新しいことも始まる季節ということで気持ちがワクワクする。
昨年はコロナまっさかりでおひとり様のお花見2021を満喫したのだが、「この美しさ、友だちとも共有したい…!」という思いから、今年は東京近郊のお友だちを誘ってお花見ツアーを開催。
八坂駅から桜の名所の東村山中央公園を抜けて、西武多摩湖線沿いの桜を眺めながら武蔵大和駅を抜けて狭山公園と約4キロの桜ウォーキング。
久しぶりに会った友だちと一緒にさまざまな桜を思いっきり堪能しながら、東京都のおかげですべて無料の公園でコスパも良いし有酸素運動でのんびり気ままな運動もできてと良い事尽くし。
しかもお天気もお花見日和でとっても充実したお花見2022なのでした。
まずは東村山中央公園でソメイヨシノを満喫。
公園を抜けたら西武多摩湖線の沿線沿いの桜並木をゆったり歩く。
桜並木の根本には、沿線沿いのお家が丹精込めて育てている可愛らしい花壇や雪柳が歩道を彩る。
武蔵大和駅も桜が満開。
駅を抜けて狭山公園へ。
今年も良い感じに桜が咲き誇っている。
東村山中央公園の桜は大木が多かったのに対して、狭山公園の桜はまだ若木なのか高さがあまりないものが多い。それ故、桜の花を間近に見ることができる。
公園で小休止して、お友だちがお土産で買ってきてくれたお菓子を味わうのもまた楽しい。
気心の知れた友だちたちとのんびりしながら、美しいものを愛でながら美味しものを食べるってなんて至福の時なんでしょう。
もちろん一人でぼーっと思うがままに時間が経つのも忘れて花と向き合うのも楽しいけれど。
いろんな楽しみ方を選べる自由こそが幸せなんだなぁと改めて思ったり。
こうして今年もまた桜を愛でることができて、本当に良かった。
毎年毎年、咲き誇る桜を飽きることなく愛で続けられる、そんな平和な人生こそが最大の幸福なのかもしれない。
また1年後、桜まみれの春を愛でられることを切に願う。
※ちなみに2021年のお花見はこちら
秋のデトックス!その2 御岳山の難所にドキドキ冒険心を煽られつつもマイナスイオンに癒されまくり
本日の本命はロックガーデン!
すっかり寛いで爆睡した翌朝、私にしては珍しく7時にスッキリ早起き!
7時間半くらい爆睡したので心身共に清々しい。
…というか、今更ながらに気づいたのだが、だいたい旅に出ると夜は地酒やワインをめっちゃ飲むので翌日は微妙に二日酔いなのだが、今回はお腹いっぱいゴハンを食べつつ酒量も控えたおかげでアルコール分解が早々にされたお陰なのではなかろうか。
なるほど、飲まない(または少量)とこんなに旅の朝は清々しいものなのか!
まぁ、とはいえ旅先での地酒は楽しみの一つなので、山登りという私的には超体力使うスペシャル行程でない限り、今後も旅先では飲んで食べての酒池肉林は外せない。
はてさてとはいえ今回は、朝からすっきり快調のおかげで朝ごはんもモリモリ食べることができて、これからのトレッキングのエネルギーも十分チャージ。
またこの朝食も美味しくて。
朝から気分は上々!
さていざ参らん!と出発したこの日、嬉しいことにすっごくお天気が良くて青空に山の木々が映えまくる。
武蔵御嶽神社の山道を黙々と登り、本殿に行く途中の路を左にそれて御岳山の奥へと進む。
宿でもらった地図を片手に黙々を山道を進むと、分岐点が。どうやら一番左の分岐点を300mほど進むと長尾平の展望台に続くらしい。
行ってみたらこれまた絶景!
尾根なので右も左も眼下に景色が広がっている。
しかもめっちゃ天気が良かったので、関東平野がかなり遠くまでくっきり見えるのだ。
日帰りコースだったら、ここで早めのお昼を食べるのも良いかもしれない。
さてまた分岐点に戻り、今度は一番右の路へ。
中央の坂を下ると七代の滝へと続くのだが、宿の女将さんに中央の路はかなり急坂で初心者にはキツイよと教えを乞うたので、わりかしなだらかな右の路を進んでいったのだが…この道はこの道で途中から木の根がうにょうにょ地表を這い、初心者な私はうっかりツマづいて弁慶の泣き所に木の根をぶつけてしまい、山をあなどってはならぬと早々に身をもって知ったのだった。
延々と続く山道を進むと、なんじゃこりゃ⁉という巨岩に遭遇。
天狗岩と呼ばれる巨岩で、右に進めばロックガーデン、左の急勾配を降りると七代の滝へと続く。
ここで素直にロックガーデンに行けばよかったのだが、せっかく来たし、行けるところまで行ってみてもよいんじゃない?と妙な冒険心というか挑戦心が沸き上がり、急勾配な左の路を恐る恐る降りていくことに。
途中でかなり後悔することになったこの道。
だって木の根がめっちゃうにょうみょしているし、坂というよりちょっとした絶壁は垂直に刺さった鉄の梯子を下りねばならぬのだ。
いやぁ、本当に連日晴れていて良かった。これちょっとでも雨降ってたり、前日の雨で濡れてたりしたら、あっという間にツルっと滑って数メートル滑落コース。
お天気の良さに感謝しつつ、いくつもの垂直の鉄の梯子を下りてなんとか辿り着いた七代の滝。
めっちゃ滝!という景観。
しかも難所なせいか人がほとんどいない。
恐ろしいまでの静けさの中に、滝壺に落ちる水しぶきの音だけが絶え間なく響く。
滝の瀑布にマイナスイオンも大量発生していて、いっそ恐ろしいまでの清々しさに思わず居住まいを正したくなる。
さて、滝も堪能したし当初の目的だったロックガーデンに行こうかと振り返った我が身にそそり立つ絶壁!
そう、いくつもの垂直梯子で降りたということは、戻るには同じ数だけ登らねばならぬということなのだ。
いやまぁ、降りてく途中でほんのり気づいてましたけどね!でも敢えてそこには目をつむって滝を優先してしまったの。
そんな少し前の過去の自分の無謀さを拭うのはこれまた己でしかない。
気合を入れて垂直の梯子を上り続け、時折うにょうにょ映える木の根をハシゴ代わりに伝いながらなんとか巨岩の元へと無事に戻ることができたのだった。
この時点でかなり疲弊してしまったが、実は行程の六分の一くらいという現実が恐ろしい。
それでも立ち止まっていても仕方ない。というか一歩でも進まねば目的地には辿りつけないし、なんなら帰ることもできない。進むしかないのである。…と、なんだか人生の真理に触れたような気持ちになって黙々と進むこと800mほど。
平地なら800mといえば10分もかからないところが、山だとこの800mがなかなか進まない。
道幅30センチくらいの細い山道もあり、ちょっとでも気を抜いたら崖から真っ逆さまというスリル。
なんというか久々に危険と隣あわせの状況に、日々の些末な思いや悩みなどもう本当にどうでも良い境地に。
人間社会は文明の進化によってかなり便利になったけれども、それ故に社会は複雑化していらんストレスも増えてしまった訳で、もっとシンプルで良いじゃんね!…という心境にすらなったところで、ようやくロックガーデンに辿りついたのだった。
ロックガーデンは清流のいたるところに大小さまざまな岩があり、形も山頂ならではの研磨前の奇岩で、そこにマイナスイオンをたっぷり吸い込んだであろう苔がびっしりと生えている。
木々の緑とはまた違った、水気の多い苔の緑が眼前に広がる様はまさに幽玄。
私の腕では上手く撮れなかったが、写真で見るよりも視界全体が緑のベールに覆われたような、そんな緑の世界が目にも優しい。
石好きの身にはたまらない石と苔の空間にテンションがあがりまくって写真を撮りまくり、大好き空間に浸る事小一時間。
ようやく綾広の滝へ(通常だと30分くらいの行程らしい)
綾広の滝は落差10mの滝で、武蔵御嶽神社の滝行に使われているそう。
真夏の暑い時だったらちょっとやってみたい気もする。
いつかお寺の宿坊に泊まって朝行として滝に打たれたら、日ごろの煩悩も滅却するかもしれない。
綾広の滝の横の路を上ったところにある休憩所でお菓子と水で英気を養ってから、今度は山沿いの平坦な道をどんどこ進んでいく。
天狗の腰掛杉。幹の途中から生えた枝が椅子のように90度に曲がっている不思議な杉の木。
この奥から大岳山に行けるらしいのだが、上級者コースらしく断念。
そうこうしている内に、あれ?なんか見たことある風景?デジャブ?と思ったら、再び武蔵御岳神社の分岐路に辿りついたのだった。
武蔵御岳神社も紅葉に色づいて、真っ青な空を背景に朱色の本殿と紅蓮の紅葉の混ざり合う様がこれまた美しい。
御岳山の山頂に武蔵御岳神社がまつられており、本殿の奥からは大岳山を拝むことができる。
山の神様に無事にトレッキングを楽しめたお礼をして、山道を降りてケーブルカー乗り場へと。
時間も良い塩梅に昼時なので、宿坊の一つの「東馬場」でお昼というか軽食をいただくことに。
茶房なのでがっつりしたゴハンものはないのだが、お腹を満たすよりも年代物の古い家の内装を見たい気持ちのほうが勝ってしまい訪れてみたものの、おかげで代々続く由緒ある古民家のお家の内装を見れたので良かった。
ちなみにトン汁のようなものにお餅が入った清汁をいただいたのだが、疲れた体に塩分が沁み込んで美味しかった。
ケーブルカーで山を下り、またバスで御嶽駅に戻ったところで、駅近くのカフェで小休止。
ビールと迷ったものの今回は甘味にしるかと、渓谷を眺めながら日本酒アイスクリームに舌鼓。
そうして御嶽駅から電車で帰路についたのだが、さすが都内、というか我が家も多摩湖の近くと武蔵野国ということで奥多摩から一時間半くらいと近場なので、最寄り駅についてもまだ夕方と、余裕ある一日に。家について昼寝というか夕寝しても普段ならまだまだ仕事をしている時間だという贅沢さがたまらない。
こうしてすっかりすっきり心身デトックスできたおかげで、翌日からは新しい自分で仕事もバリバリこなすことができたのだった。
また日常の澱が積もりに積もったら山で浄化しようと、次なる初心者コースを探す秋の夜長なのだった。
秋のデトックス!その1 御岳渓谷のせせらぎと秋の味覚祭り
9月、10月と仕事に忙殺されて10月は深夜残業も何度か重なると、日々の疲労とストレスが積もりに積もって心身ともに重い…。
判断力も低下して、うっかり物忘れも頻発してしまうとなれば、ここはひとまずリセットあるのみ!
…ということで、なんとか仕事の大山を抜けたこの機に、緊急事態宣言も明けたし、ワクチン接種したし、一応同じ都内だしと言い訳連ねて、以前訪れて気になっていた奥多摩の御岳山を訪れることに。
だがしかし、日々の疲れで疲労困憊の身では早起きはかなり至難の業。
そのためディスタンスに気を付けながら御岳山には前乗りすることに。
昼ちょいすぎに御岳山の1個手前の駅の沢井で下車。
前に澤乃井園に訪れたことがあったので、ちょっと懐かしい。
前回訪れた時はピーカンの猛暑真っ盛りの夏だったが、今回は秋ということで紅葉もちらほら見え始めまた違った風情を楽しむことができる。
緊急事態宣言も明けたことで人でもそこそこで、澤乃井園でお昼&ちょい飲みするには場所取りが困難そうなので、ひとまず澤乃井園から御岳渓谷の遊歩道をぷらぷら歩いて御嶽駅に向かうことに。
都心よりも標高が高いためか木々もいち早く色づいていて、紅葉を楽しみながら澄んだ川のせせらぎに脳味噌もα波に揺蕩い昨日までの喧騒が嘘のように忘却の彼方に。
昨日の深夜までは確かに仕事の細々としたことにイラついていたはずなのに、澄んだ多摩川の渓流を眺めていると、もうすべては水に流しちゃえばいいや…という気持ちになってくる。
雄大な自然を前に視点も俯瞰した高見に引き上げられたおかげか、私がどうこうできるものでもない職場の些末なトラブルに関心を持っても無駄無駄無駄~という気持ちに。
私ができる事なら最大限やるけれど、いうても万能ではないいち人間なのでやれる事は時間も物量も限られている訳で、それなら自分でできる最大限の事に専念するほうが良いや…と良い意味で割り切りの気持ちも生まれてくるのだった。
そんなこんなで河の流れのように万事、時の流れに身をゆだねていこうじゃないか…と思ったあたりで、渓流の途中のお茶屋のような売店&食堂を発見。
引き寄せられるように立ち寄って、渓流を臨む桟敷の一角を陣取って、お疲れ様の一杯。
いやもう最高に心身に沁みる~~~~~~~!!!!
紅葉に色づいた渓流を眺めながら飲むビールは、至高の一杯!
しかも熱々おでんがまた合うことこの上なし。
お腹も満ちてさらに幸せ気分も高まりながら、渓流を眺めつつ御嶽駅へ。
御嶽駅からはバスでケーブルカー乗り場の滝本駅まで。
御岳山の山頂近くの展望台までケーブルカーに乗らず歩いても行けないことはないらしいが、奥多摩に昼過ぎ到着してのんびりしていたら意外と宿のチェックインの時間になりそうだったのと、明日に向けて体力温存すべく大人しくケーブルカーに乗ることに。
このケーブルカー、傾斜がかなりエグい。
富士急ハイランドのフジヤマかなと思うくらいの急斜。
標高差424m、平均勾配22度と関東一とのこと。
そんな急こう配をかなりの速度で登るケーブルカー、強い。
御岳山ケーブルカー|観光スポット|東京・青梅市御岳エリア観光ガイド
一気に山を駆け上って、山頂近くの御岳駅に到着。
ケーブルカー乗り場を降りてすぐの展望台は、眼下に関東平野が一望できて絶景!
目の前に待ったいらな大地が広がる様に、関東平野の広さを改めて体感したのだった。
ケーブルカーの駅からちょっと歩いた先に宿坊が軒を連ねる集落があり、今夜はその1つに宿泊。
御岳山頂上間近の集落ということで、まさに天空の宿坊といった佇まい。
宿というか民宿の風情は実家感が満載でめっちゃ落ち着く(笑)
そして窓からは関東平野の夜景が一望できて素敵。
さらにお宿の料理がすっごく美味しかった!
山の味覚の先付けに地元で採れたであろうお野菜の和え物や煮物、鮎の塩焼きにお肉と野菜の鍋、そして栗ご飯!
久々のご馳走にテンションが上がって、今日は一杯と思っていたのに、ついつい日本酒(澤乃井)を2合いただいてしまった。
(本当はもっとも~っと飲みたかったのだが、明日の登山に備えて自重)
そうして実家感満載の部屋で超リラックスできたおかげか、普段なかなか寝付けないのに、その日はあっという間に爆睡できたのだった。
2021年 秋の味覚祭り♪
ありがたいことに今年も実家から物資が補給され、さまざまな秋の味覚を味わえている。
今年の猛暑で実家の栗の木は大きな実をつけたそうで、袋一杯の栗の実をなんと二袋も送ってきてくれた。
…のだが、茹でたものをそのまま食べるだけではどうにも消費できそうになく、今年はあの手この手で調理してみた。
栗料理だと栗ご飯が一番好きなのだけど、ふだんあまりお米を食べないものだから、少量のもち米を入手するのもめんどくさくて、結局やらずじまい。
代わりに、ツマミになりそうなものや甘味系にトライしてみた。
〇焼き栗
茹で栗に飽きたので、良く洗った栗に切れ目を入れてオーブンで30分くらい焼いてみた。
ホクホクでちょっと香ばしいのが風味になって良い。皮も茹で栗よりかは剥きやすい。
〇鶏肉と栗とキノコとゆで卵の炊き合わせ
焼き栗の皮を剥いたものを煮物に投入!
ショウガをたっぷり入れたのち、みりんと砂糖と醤油で甘辛く味付け。
〇鶏手羽元と栗の煮物
鶏手羽から滲み出すコラーゲンでスープがプルンプルン。そんな旨味凝縮スープを栗が吸い込んで絶妙な美味しさに。
〇渋皮煮
分厚い皮をなんとか向いて、渋皮の状態にしたものを1日水につけて柔らかくしてから、渋川の太い筋を揉み洗いして取り除いて、お砂糖で煮込んでみた。仕上げにメープルシロップも投入して煮詰めて、ちょっとコクのある渋皮煮が出来上がり。オヤツや箸休め的な酒のツマミに意外と重宝。
…とまあ、いろいろ手を尽くして満喫したのだが、あと1袋残ってしまったので、ひとまず茹でたものを冷凍保存することにしたのだった。
さてそんな中、昨日は物資補給第2弾ということで、実家の柿の木にたわわに実った柿のおすそ分けや、両親が茨城の各所でゲットしてきたリンゴや銘品の柿やシャインマスカトを送ってきてくれた。
コロナの影響でここ2年近くリアルで会えない代わりに、故郷の果物や母のお手製野菜を送ってくれるようになった両親に感謝しながら、秋の味覚を堪能するひとり晩餐会を開催。
柿とカマンベールチーズにオリーブオイルと黒コショウをかけた前菜と、最近激務だった自分へのご褒美にちょい奮発して赤身の塊肉を買い込んでローストビーフをメインに。ソース代りにお肉を焼いたフライパンに残った肉汁で炒めた玉ねぎに解凍した栗を投入してお醤油ベースで味付け。そしてデザートにシャインマスカット!
スパークリングワインがこれまたすごくマリアージュしてくれて、大満足の秋の味覚大満喫な晩餐に。
そして日曜日は、日ごろの疲れがたまって体は重いし、外は小雨だしで全然、元気が出ないので昼まで寝てたのだが、午後は小雨で出かける気力がまったくなくなってしまったので、家でまったりと。
録り溜めたドラマを見ながら、支援物資のリンゴを砂糖と一緒に弱火でじっくりコトコト煮込んでから、シナモンをたっぷり入れてリンゴのコンポートとジャムの中間物のようなものを作成。
冷凍パイシートを半解凍して、包んで焼いたら即席アップルパイの出来上がり!
水切りしたヨーグルトとクリーミチーズを砂糖で混ぜたものをたっぷり乗せてオレンジマーマレードを添えたたパイも作成。
砂糖控えめで酸味の効いたヨーグルト&クリームチーズの爽やかなパイにオレンジマーマレードの甘さとほんのり後追いの苦味がいい感じにマッチ。
アップルパイもシナモンが効いていて、サクサクなパイの中にゴロゴロ入ったリンゴが控えめな甘さで紅茶にすごく合う。
せっかくなので今日はとっておき用のシャンパンの香りを混ぜ込んだシャンパーニュ紅茶にして良かった。
そして口直し的なリンゴと柿をカットしたものに、ちょっと多めに作りすぎてしまったヨーグルト&クリームチーズソースをかけてみたら意外と合う合う。
お口の中が茨城の豊饒な秋の味覚とシャンパーニュの爽やかな秋風のような紅茶の風味が混ざり合って、なんとも楽しいアフタヌーンティーだった。
そしてそして、休日の締めとなる日曜の晩餐は、おひとり様のハロウィンパーティ。
レンチンしたカボチャの薄切りにカマンベールチーズを添えて、マヨ味噌で味付けしたものをトースターで焼いた簡単グラタン。昨日作ったローストビーフに水切りしたヨーグルトとマスタードを混ぜたソースでさっぱりながらもボリューミーなメインディッシュ。デザートにシャインマスカットと、まだまだ残っていたヨーグルト&クリームチーズソースをかけた柿。
…と、今夜も秋の味覚祭りを開催。
旬の食材で季節を体に取り込みながら、ハロウィンをちょっと意識した飾りつけで視覚的にも楽しんでと、五感全体で愉しむわたしだけの秋祭り。
こうしてまた、季節の移ろいを愉しめるようになった自分が愛しい。
だから、天高く馬肥える秋、今日くらいは自分を甘やかして目をつぶろう。
なんでもない日曜日の幸せ
気づいたらもう10月の上旬も終わろうとしていて、年々加速する体感時間速度の速さにびっくり。
先日訪れたニトリがハロウィすっ飛ばしてフロアのおススメコーナーがクリスマス一色になっていたこともあり、なんだかもう初秋を感じる間もなくすっかり秋となってしまっていた。
緊急事態宣言は無事に解除されたものの、新型コロナが消滅した訳でもないのでまだちょっと旅行に行く気分にはなれず、気づけばアラフォーどころかアラフィフ突入しており、よもやよもやこいつは更年期障害か?という無気力っぷりで、週末は家でゴ~ロゴロ。
そんな日曜日、安定の二度寝で惰眠をむさぼり、覚醒してみたら11時とすっかり昼間近に。
お気に入りの食パンを軽くトーストしてカフェオレを飲みながらTVをなんともなしに見ていたらあっという間に午前中(賞味1時間)は消え去ってしまった。
昼をまわったものの、まだ起きたばかりでトーストとたっぷり入れたカフェオレでお腹も空かない。
かといって出かけるほどの用事も無い。
掃除も先週それなりにやっておいたし、今週末くらいはスルーしてもホコリもたまらないだろう。
とすると特段、何もすることが無い。
なんとものんびりとした日曜の午後。
こんな日は、何故だか焼きたて熱々の小麦とバターの香りに包まれたくなる。
…ということで、お昼ご飯をすっ飛ばして、ほかほかのスコーンでアフタヌーンティーをしようと思い立ったのが1時すぎ。
YouTubeでさくさくでパッカーンと宝石箱のように割れるスコーンのコツを学んでいざトライ。
未だ家には秤がないので、目分量でざっくりと。
どうやらコツは、牛乳を入れる前に小麦にまんべんなくバターを刷り込ませることらしいので、無心で小麦とバターを摺り合わせしていたらあっという間に2時になっていた。
それでも動画で学んだおかげか加減が分かりやすく、なんとなくそれっぽい生地ができあがった。
そこから30分ほど生地を寝かせている間、愛用しているNHK+のデトックス特集で、オーストリアの街並みを紹介しているミニ番組を見ながら脳内トリップ。
来年の夏か秋には世界中のコロナが落ち着いて、海外旅行に行きたい。
この2年で行きたい場所だけがどんどんリストアップされていく。
Googleマップでエア旅行も一時ハマってみたものの、やっぱり現地の空気を肌で感じたい。
そしていずれ行った時に「あれ?なんか見たことある?」と既視感を覚えないよう、敢えてGoogleマップのストリートビューは封印した身には、15分くらいのながら見な旅番組がちょうど良い。
そうこうしているうちに生地を寝かす時間も良い頃合いになり、冷蔵庫から取り出してみるとほどよい硬さで良い感じ。
何回か折りたたんでは平たくしてを繰り返してから、お菓子用の丸形など家にはないので、包丁で四角くザックザックと切り落とし。
YouTubeによると側面を触ると断層が潰れちゃうそうなので、そっと生地の下にヘラを挿し込んで、左手は添えるだけ…の状態で天板に並べていく。
そして仕上げに牛乳を刷毛で塗り込み、いざオーブンへ!
200度のオーブンで15分ほど焼いている間に、アフタヌーンティー用の紅茶や果物を用意。
お気に入りの小型の丸テーブルを窓際に置いて、のんびり空を眺めながらアフタヌーンティーをまったり楽しんだのだった。
今日はお天気も良かったので、窓から見える空も青空に秋の雲が映えて癒される。
まったり空を眺めつつ、お気に入りの紅茶と焼きたてのスコーンをほお張って。
そして、昨日スーパーで買った、リンゴのシュトレーレンと柿で秋の味覚も楽しみつつ、ひとりのんびりしたひと時を堪能したのだった。
(ちなみに焼きたてのスコーンは、パッカーンとは割れなかったものの、今までで一番サクサクの出来だった)
そうしてまったりアフタヌーンティーを愉しんだおかげか、すっかりお腹いっぱいになったせいか、気力も復活。
せっかくなのでちょっと腹ごなしでもしようかと、多摩湖へ。
夕暮れ間近の多摩湖の堤防沿いの遊歩道は、そこそこの人でで、みなそれぞれ、夕暮れの空を映す多摩湖を激写していた。
私も漏れなく激写。
日が暮れ始め太陽が沈むにつれて少しずつ空の色合いが変わっていく様子がとても美しい。
二度と同じ空模様にはならないのかと思うと、今日この日だけの地球の美しいライブペイントを鑑賞しているような気持になってくる。
美術館での絵画鑑賞も好きだけれど、こうして自然が描く刹那の美をぼんやり気ままに眺めるのもまた癒される。
そして癒しと同時に、壮大な自然が作る圧倒的美の裏側に隠された自然の驚異の片鱗に、抗ってもしかたない、なるようになるさという気持ちにすらなってくるのだから不思議。
…とまぁ特に何がある訳でもない、なんでもない日曜日。
それでもなんでもない日であることが本当はとても貴重で幸せなことでもあるのだと、あらためて何もない一日を過ごせる贅沢さを噛みしめたのだった。
休息と安寧に満ちた日曜日は、やっぱり私にとって必要で、こんな日を過ごすことができる幸せを大切にしたい。