秋のデトックス!その2 御岳山の難所にドキドキ冒険心を煽られつつもマイナスイオンに癒されまくり
本日の本命はロックガーデン!
すっかり寛いで爆睡した翌朝、私にしては珍しく7時にスッキリ早起き!
7時間半くらい爆睡したので心身共に清々しい。
…というか、今更ながらに気づいたのだが、だいたい旅に出ると夜は地酒やワインをめっちゃ飲むので翌日は微妙に二日酔いなのだが、今回はお腹いっぱいゴハンを食べつつ酒量も控えたおかげでアルコール分解が早々にされたお陰なのではなかろうか。
なるほど、飲まない(または少量)とこんなに旅の朝は清々しいものなのか!
まぁ、とはいえ旅先での地酒は楽しみの一つなので、山登りという私的には超体力使うスペシャル行程でない限り、今後も旅先では飲んで食べての酒池肉林は外せない。
はてさてとはいえ今回は、朝からすっきり快調のおかげで朝ごはんもモリモリ食べることができて、これからのトレッキングのエネルギーも十分チャージ。
またこの朝食も美味しくて。
朝から気分は上々!
さていざ参らん!と出発したこの日、嬉しいことにすっごくお天気が良くて青空に山の木々が映えまくる。
武蔵御嶽神社の山道を黙々と登り、本殿に行く途中の路を左にそれて御岳山の奥へと進む。
宿でもらった地図を片手に黙々を山道を進むと、分岐点が。どうやら一番左の分岐点を300mほど進むと長尾平の展望台に続くらしい。
行ってみたらこれまた絶景!
尾根なので右も左も眼下に景色が広がっている。
しかもめっちゃ天気が良かったので、関東平野がかなり遠くまでくっきり見えるのだ。
日帰りコースだったら、ここで早めのお昼を食べるのも良いかもしれない。
さてまた分岐点に戻り、今度は一番右の路へ。
中央の坂を下ると七代の滝へと続くのだが、宿の女将さんに中央の路はかなり急坂で初心者にはキツイよと教えを乞うたので、わりかしなだらかな右の路を進んでいったのだが…この道はこの道で途中から木の根がうにょうにょ地表を這い、初心者な私はうっかりツマづいて弁慶の泣き所に木の根をぶつけてしまい、山をあなどってはならぬと早々に身をもって知ったのだった。
延々と続く山道を進むと、なんじゃこりゃ⁉という巨岩に遭遇。
天狗岩と呼ばれる巨岩で、右に進めばロックガーデン、左の急勾配を降りると七代の滝へと続く。
ここで素直にロックガーデンに行けばよかったのだが、せっかく来たし、行けるところまで行ってみてもよいんじゃない?と妙な冒険心というか挑戦心が沸き上がり、急勾配な左の路を恐る恐る降りていくことに。
途中でかなり後悔することになったこの道。
だって木の根がめっちゃうにょうみょしているし、坂というよりちょっとした絶壁は垂直に刺さった鉄の梯子を下りねばならぬのだ。
いやぁ、本当に連日晴れていて良かった。これちょっとでも雨降ってたり、前日の雨で濡れてたりしたら、あっという間にツルっと滑って数メートル滑落コース。
お天気の良さに感謝しつつ、いくつもの垂直の鉄の梯子を下りてなんとか辿り着いた七代の滝。
めっちゃ滝!という景観。
しかも難所なせいか人がほとんどいない。
恐ろしいまでの静けさの中に、滝壺に落ちる水しぶきの音だけが絶え間なく響く。
滝の瀑布にマイナスイオンも大量発生していて、いっそ恐ろしいまでの清々しさに思わず居住まいを正したくなる。
さて、滝も堪能したし当初の目的だったロックガーデンに行こうかと振り返った我が身にそそり立つ絶壁!
そう、いくつもの垂直梯子で降りたということは、戻るには同じ数だけ登らねばならぬということなのだ。
いやまぁ、降りてく途中でほんのり気づいてましたけどね!でも敢えてそこには目をつむって滝を優先してしまったの。
そんな少し前の過去の自分の無謀さを拭うのはこれまた己でしかない。
気合を入れて垂直の梯子を上り続け、時折うにょうにょ映える木の根をハシゴ代わりに伝いながらなんとか巨岩の元へと無事に戻ることができたのだった。
この時点でかなり疲弊してしまったが、実は行程の六分の一くらいという現実が恐ろしい。
それでも立ち止まっていても仕方ない。というか一歩でも進まねば目的地には辿りつけないし、なんなら帰ることもできない。進むしかないのである。…と、なんだか人生の真理に触れたような気持ちになって黙々と進むこと800mほど。
平地なら800mといえば10分もかからないところが、山だとこの800mがなかなか進まない。
道幅30センチくらいの細い山道もあり、ちょっとでも気を抜いたら崖から真っ逆さまというスリル。
なんというか久々に危険と隣あわせの状況に、日々の些末な思いや悩みなどもう本当にどうでも良い境地に。
人間社会は文明の進化によってかなり便利になったけれども、それ故に社会は複雑化していらんストレスも増えてしまった訳で、もっとシンプルで良いじゃんね!…という心境にすらなったところで、ようやくロックガーデンに辿りついたのだった。
ロックガーデンは清流のいたるところに大小さまざまな岩があり、形も山頂ならではの研磨前の奇岩で、そこにマイナスイオンをたっぷり吸い込んだであろう苔がびっしりと生えている。
木々の緑とはまた違った、水気の多い苔の緑が眼前に広がる様はまさに幽玄。
私の腕では上手く撮れなかったが、写真で見るよりも視界全体が緑のベールに覆われたような、そんな緑の世界が目にも優しい。
石好きの身にはたまらない石と苔の空間にテンションがあがりまくって写真を撮りまくり、大好き空間に浸る事小一時間。
ようやく綾広の滝へ(通常だと30分くらいの行程らしい)
綾広の滝は落差10mの滝で、武蔵御嶽神社の滝行に使われているそう。
真夏の暑い時だったらちょっとやってみたい気もする。
いつかお寺の宿坊に泊まって朝行として滝に打たれたら、日ごろの煩悩も滅却するかもしれない。
綾広の滝の横の路を上ったところにある休憩所でお菓子と水で英気を養ってから、今度は山沿いの平坦な道をどんどこ進んでいく。
天狗の腰掛杉。幹の途中から生えた枝が椅子のように90度に曲がっている不思議な杉の木。
この奥から大岳山に行けるらしいのだが、上級者コースらしく断念。
そうこうしている内に、あれ?なんか見たことある風景?デジャブ?と思ったら、再び武蔵御岳神社の分岐路に辿りついたのだった。
武蔵御岳神社も紅葉に色づいて、真っ青な空を背景に朱色の本殿と紅蓮の紅葉の混ざり合う様がこれまた美しい。
御岳山の山頂に武蔵御岳神社がまつられており、本殿の奥からは大岳山を拝むことができる。
山の神様に無事にトレッキングを楽しめたお礼をして、山道を降りてケーブルカー乗り場へと。
時間も良い塩梅に昼時なので、宿坊の一つの「東馬場」でお昼というか軽食をいただくことに。
茶房なのでがっつりしたゴハンものはないのだが、お腹を満たすよりも年代物の古い家の内装を見たい気持ちのほうが勝ってしまい訪れてみたものの、おかげで代々続く由緒ある古民家のお家の内装を見れたので良かった。
ちなみにトン汁のようなものにお餅が入った清汁をいただいたのだが、疲れた体に塩分が沁み込んで美味しかった。
ケーブルカーで山を下り、またバスで御嶽駅に戻ったところで、駅近くのカフェで小休止。
ビールと迷ったものの今回は甘味にしるかと、渓谷を眺めながら日本酒アイスクリームに舌鼓。
そうして御嶽駅から電車で帰路についたのだが、さすが都内、というか我が家も多摩湖の近くと武蔵野国ということで奥多摩から一時間半くらいと近場なので、最寄り駅についてもまだ夕方と、余裕ある一日に。家について昼寝というか夕寝しても普段ならまだまだ仕事をしている時間だという贅沢さがたまらない。
こうしてすっかりすっきり心身デトックスできたおかげで、翌日からは新しい自分で仕事もバリバリこなすことができたのだった。
また日常の澱が積もりに積もったら山で浄化しようと、次なる初心者コースを探す秋の夜長なのだった。