nanami-JP’s blog

40代おひとり様の日々のささやかな幸せ探し。日々の楽しみや旅行記などを徒然に。

お風呂を求めて6時間 さすらいのおひとり様の冬

お題「ささやかな幸せ」

 

 その予兆は数日前から確かにあった。

 

 キンキンに冷え込んだ朝、お風呂場の給湯機パネルから間断なく鳴り響く温度設定のコール。
 寒さで給湯機パネルの調子が悪いのかしら…?と気楽な判断で、ひとまず音声オフにして過ごすことにした2日後、お風呂を沸かしてゆっくり温まろう♪とお風呂を沸かすボタンを押したところ、全く反応しない。
 
 なんと給湯機パネルがすっかり故障してしまったのだ…!

 

 お湯は出るので、蛇口からお湯を出して浴槽に溜めてみたものの、浴室のあまりの寒さに溜まる先から冷めていくお湯。結果、体温よりちょい温かい?くらいのぬるめのお風呂が出来上がったのだった。
 さすがにこれはマズイ…。
 冬場、思った以上に冷え込む住まいの貴重な楽しみがお風呂だったのに。

 シャワーでちゃちゃっとすますこともあるけれど、浴室の寒さに正直、シャワーだけだとかなり辛い。

 仕方なく不動産屋に連絡して、給湯機を設置したお店に相談してもらうことに。

 こういう時、おひとり様的にはやっぱり賃貸で良かったと実感する。

 自分で全部やらなくてよい楽さ。

 賃貸契約書にすでに備わっている設備のメンテナンスを貸主責務と明記されている安心感。
 毎月粛々と賃料を払う身として気兼ねすることなく相談することができる。

 そして、販売店のオジサンと大家さんの立ち合いのもと給湯機パネルを見てもらったのだが、なんと、パネルの不具合はもちろん、給湯器自体もそろそろ限界ということが判明…!なんと⁉
 そういや最近、シャワーのお湯も一定の温かさを維持できなくてちょっと調子が悪かったような。
 築30年の賃貸物件なので、海外のお湯の出ないホテルよりかはマシかな、という気持ちで使っていたのだが、本来は一定温度でちゃんと出る代物だったようだ。
 この四半世紀、キレイさよりも広さ優先で同じ値段なら古くても広い物件を選んできた弊害か、多少温度が変わってもお湯が出るだけでありがたいという心境になっていたため、事態の深刻さに気付くのが遅くなってしまった。

 結果、給湯器パネルどころか給湯器自体を交換することになったのだが、季節は年の瀬、しかもコロナ禍。取り替える給湯器が全然来ない…(涙

 ということで、当面シャワー生活が続くことになったのだが、やっぱり寒さで萎えてしまうし体の芯から温まらない。
 かといってほどよい片田舎で閑静な住宅街となると銭湯などなく…。
 それならばと、先月訪れた市営温泉「かたくりの湯」を訪れることに。  

※前回の話はこちら

【週末散策】森林浴と温泉でリフレッシュ【多摩湖自転車歩行者道とかたくりの湯】 - nanami-JP’s blog

 

 前回の反省を生かして、出発は日曜の午前中。
 といってもやっぱり寒くて寝坊したので、朝ゴハン食べてちょっとTVを見ていたらあっという間に11時間近となってしまい慌てて出発。

 前回は湖畔沿いの遊歩道というか後半はかなり人気のない森の道だったので、この真冬の時期に延々と枯葉の落ちた寒々とした木々を延々と眺めながらというのも物寂しいかなと、今回は別ルートで少し街中を通るルートに。途中まで湖畔沿いを歩き、湖畔の半周コースの分岐点で青梅街道方面へ。

 のんびり歩いていると林の中に謎の動物たちを発見…⁉

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謎の動物たちの傍には小さな社がいくも点在している。どうやら神社の裏手のようだ。

こんなブサ可愛な動物たちを飼っている?神社ってどんな神社⁉…と思ってちょっと寄り道することに。

 訪れてみたら思った以上に広くて素敵な神社だった!

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 この「豊鹿島神社」なる神社、後で調べたら都内現存する最古の神社本家らしい。なんと室町時代に建立されたのだとか。すでに室町時代から武蔵野の山に人がいたんだということもちょっとびっくり(まぁこの近辺、古くは縄文時代から人はいたらしいが)。なんとも趣があり、清浄な空気に満ちた素敵な神社だった。

 

 ちょいと寄り道がてら水分補給してから再び青梅街道を延々と歩いていったが、途中、分岐点から山方面に向かうと案の定、人気のないも森の中の細い遊歩道へ。恐々と進んだ先、前回通った「武蔵野の路」の中間地点あたりの場所に合流。
 前回、Googleマップを見ずに本能のままに三差路で違うルートを選んで迷ったのだが、どうやら今回合流すべく歩いた道は、前回迷った道とはまた違うもう1つの路だったようだ。
 意図せず三差路のそれぞれの先のルートをこれでコンプリート。
 ちなみに愛用しているGoogleマップ君だが、さすが機械、最短距離となるたけアップダウンのない平坦な道を選ぶという優秀さは合わせ持つのだが、選んだルートのコンディションまでは把握できないので、最短コースが時として獣道かと思うほど鬱蒼とした道になることが…。そんな細道まで把握している事もすごいのだが、人気のない獣道に近いなんとか維持された遊歩道は、昼間でないとマジで怖い。
 なんとか午前中に出発して本当に良かった。

 2回目ということで多少の土地勘もできたせいか、今回は迷わずに到着!
 
 ほどよく汗ばんできたので、さっそく入浴。
 広々とした浴槽に思いっきり手足を伸ばして堪能できる幸せ。
 しかも炭酸泉が日頃の疲れに沁みる沁みる。
 内湯で十分温まったら今度は露天風呂へ。外はちょっと寒いがお湯が熱めに設定されているので良い感じ。お昼時ということでファミリー層はお昼ごはんに集中しているせいか客もほんの数名。人生の大先輩のおばあちゃまと小さな孫がいそうな妙齢のご婦人、そして若い女の子、その中に40代おひとり様な私と幅広い客層ゆえか、各自、距離感も絶妙。というかかなり距離を取りつつ己の好きな浴槽にのんびり入ることができた。

 

 いい感じに温まった後は、お腹も空いてきたのでランチへ。
 今回は天婦羅ソバとビール!

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 風呂上りのビール最高‼

 

 しかもさくさくの天婦羅とビールの相性の良さといったら♪
 この一杯のために1時間半、歩いた甲斐があるというもの。
 適度に運動したという言い訳もできるから天婦羅だってモリモリ食べちゃう。

 

 ランチ後、適度に休憩した後、足元が冷えてきたので、もう1回お風呂に入って再度ポカポカになったところで制限時間3時間間近に。これ以上お風呂に入ると逆上せるし超過料金もかかってしまう。ここは潔く撤収。

 そして帰りは湯冷めしないよう、徒歩ではなくバスを利用。
 ちょうどバスの時間も迫っていたので、ポカポカしたままバスで帰路に。
 ちなみにバスは直通などなく、バスからバスへの乗り換えになってしまう。
 最初のバスの終点は上北台駅ということで、駅前の100均の大型店舗で細々とした日用品を買ったりスーパーで食材を買っていたら、あっという間に日が暮れてしまった。
 乗り換え後のバスで家の近くまできたものの、すっかり日が暮れ森の遊歩道の近道は使えず、結果やっぱり少しだけ遠回りして住宅街の路地を通って帰ったのだった。

 

 そんなこんなで、家に着いたのは5時過ぎ。
 お風呂を求めて実に6時間のプチ旅行となったのだった。

 
 それにしても今回の件で、世の中の文明の便利さを改めて実感。
 でも、それに慣れきってしまうことも危ういのだなと思ったのだった。

 

 そもそも、蛇口をひねってお湯が出るってだけですごいことなのだ。
 そんな便利ツール、100年前にはなかった訳で。
 蛇口からお湯がでることを感謝こそすれ、出なくなったことを嘆き悲しんだり怒ったりしてはならない。
 というかそこであたふたするだけ無駄。

 何故なら、文明の利器とは壊れやすいものなのだ。
 そもそも本来、お湯が当然ある現象などこの地球上、そうそう無い。 
 自然温泉が湧き出た場所か活火山にほどよく近い場所くらいって、かなり限られている。
 無いものを人間の知恵と文明で作り上げ日常にまで高めているのだから、その時点で実はかなりの労力と歴史がある訳で。
 人為的な物は壊れるのが前提なのだと、身をもって体験したのだった。

 だからこそ、この日常が実は絶妙なバランスで作り上げられた幸せのガラスの箱庭だったのだと。

 そう思うとささやかな日常がとっておきの日々になってくる。


 …とはいえ、毎日のようにお風呂を求めて6時間もさまようのも辛いので、年内には新しい給湯器が来ることをけっこう切実に願っていたりはする。


 文明の利器は、使えるのであればそれはそれでぜひフル活用したいのも、正直な人間のエゴだったりはする(笑)