nanami-JP’s blog

40代おひとり様の日々のささやかな幸せ探し。日々の楽しみや旅行記などを徒然に。

お籠りのお正月2021

 毎年恒例の強制実家帰省イベントもコロナ禍ではさすがに効力が無効となり、2021年のお正月は実家に帰らず家で一人で年越しを迎えることに。
 仕事納めも無事に済んで1週間近くの冬休みを一人で過ごすことになるとは、全く予想ができなかった。
 実家は田舎ならではの風習で、大晦日と1日は親兄弟たちと連チャンで宴会し、2日は父方の親族大集合のおもてなし会、3日は母方の実家にご挨拶と4日間に渡って食べて飲んでの祝宴が繰り広げられるのだが、今年はそれがない。
 しかもこんなご時世なので家で一人、外出も控えて大人しくしているしかない。

 

 ならばこの1週間、お籠り正月に徹しようではないか! かつ、せっかく大人になってもらえた長期バカンス。しかも一人で過ごすとなると時間だけは有り余るほどにある。ならば、より丁寧な暮らしを目指してみよう…!
 ということで、正月料理にも挑戦して迎えた2021年となったのだった。

 

■大晦日

 年始のお籠りに向けて、午前中に食糧の買い出しへ。大掃除は台所のシンク以外は30日までにあらかた済ませたので、今日は余裕をもって取り組むことができるのがありがたい。
 今年は喪中なのでお正月料理も紅白の華やかなものは控え、お節料理にこだわる必要もないので、自分の食べたいものにお正月感を+αする方向で食材をチョイス。
 酒のツマミになりそうな正月料理として、酢だこや数の子を選んでみたのだが、その価格にビックリ!

 えええ?!酢ダコってこんなに高いの?
 数の子って噂では年々高級食材になっているとは聞いてはいたけど、こんなにするの?
 それに野菜が2日前より値上がりしてない⁉

 …いやはやお恥ずかしい話、長いおひとり様人生、お正月は実家に帰省し食材は親が購入してくれていたので、正月価格というものを全く知らなかった。
 お正月の帰省は両親へのお年賀を一応がんばって奮発していたものの、次回からは食費も払うか持ち込んだほうが良いかもしれないと改めて自省しつつ、鮮魚コーナーで買うべきか買うざるべきか暫し悩んだ末に購入することに。
 やっぱりお正月気分を少しは味わいたいし、年始は家に自主的待機ということで籠りっぱなしになるので、食べるしか楽しみがないのだ。たまには贅沢したって良いじゃない。
 とはいえ、ファミリー向けスーパーなので、量もそこそこあるのが悩ましい。正直、数の子と酢ダコはお正月気分を盛り上げる演出要素が強い食材なので、正直1月1日にだけ食べられれば良いのだ。
 都内では100円ローソンでおひとり様おせちが好評というネットニュースを見かけたが、確かにそのほうがコスパ良いし、個別包装で使い切りだしなんてナイス商品!…とはいえ、100円ローソンは電車に乗って都内に行くか自転車で何キロも探しにいかなければなさそう…。てか、往復の電車賃をかけてまで2~3切れの酢だこを買うくらいなら、その分の値段で多めに酢ダコを買っても罰は当たるまい。
 次はお肉も食べたいなぁ、お正月はちょっと贅沢に牛肉……やっぱりローストビーフが良いなぁと思って総菜コーナーで出来合いのローストビーフを探したのだが見当たらない。クリスマスの時はあんなに置いてあったのに!てか、普段もローストビーフはお惣菜コーナーで良く見かけてたのに、何故に⁉と思って探したらお肉コーナーの一角に発見。
 だがしかし、いつも見かけるお惣菜のローストビーフとちょっと色合いが違う。しかもgに対していつもよりちょい高め?とはいえ牛肉、しかも都度焼いたりせずに日持ちのするローストビーフが食べたい…そう思って振り返ると、冷蔵ワゴンに牛肉の塊が!しかも既成のローストビーフのお値段2倍で4倍の量! むしろこっちのほうが牛肉モリモリ食べられるんじゃ⁉…とその場のノリと勢いだけで購入し、その夜、想定外の人生初のローストビーフ作りをすることになったのだった。

 当初の予定より微妙に斜め45度な方向ながらもなんとか食材を調達し、やっぱりスーパーで買ったお買い得な海鮮丼で昼食を済ませたら、夕方までは録画しておいたドラマ「タイガー&ドラゴン」を観てまったりと。
 やっぱりクドカンの脚本は良いなぁ~とご満悦になっていたら、すっかり日が暮れてしまった。
 あ、ヤバイと思って慌てて明日の仕込みへ。
 いざ、煮物と初挑戦のローストビーフ作りへ!

 今回のテーマは「丁寧な暮らし」ということで、煮物もニンジンやレンコンはお花の形に飾り切りしたり、こんにゃくもひと手間かけて湯がいてから手綱の形にしたりとしていたら、想定の1.5倍の時間がかかってしまった。
 そして、煮物を煮ている間に牛肉の塊をフライパンで焼き目をつけてからオーブンに投入。
 そこから30分近くは待ってるだけなのでちょっと休憩。
 最近になってオーブン料理にも挑戦してみるようになったのだが、思った以上に楽チン。仕込みさえしてしまえば、あとは数十分、オーブンに突っ込んでおけば良いだけ! その間、ほかのことができちゃうのだ。フランスのホームパーティでオーブン料理がメインに多いのも納得。焼いてる間、お客さんたちと一緒に飲んで食べて待っていられるのだもの。

 そうこうしているうちに煮物とローストビーフもなんとか無事に完成。

 そして大晦日といえばやっぱりお蕎麦!ということで、夕食は天婦羅蕎麦に。

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 せっかくの大晦日だしということでスーパーで売っていたちょっとお高いけれど大振りのエビがめちゃ美味しそうなエビ天に。
 やっぱり大振りのエビで作ったエビ天はプリプリ食感がボリューミィで美味しい。
 ビールにも合って最高のひと時♪
 
 その後、シンク周りの掃除をしていたら、あっという間に年末カウントダウンの時間になってしまったのだった。


■1月1日

 2021年の一番最初の日! しかも、初めて家で一人で迎えるお正月。
 せっかくなので、何か特別なことをしたい。
 ということで、 家の東側の窓が大きく開いているので日の出もバッチリみられるはず!と、早起きして日の出を拝むことに。

 日の出の時間は6時50分台ということで、ギリギリ6時40分まで寝ていたのだが、なんとか無事に起きることができ朝焼けの空を眺めることができた。
 清々しい朝の空気に赤らむ冬空のなんと美しいこと。
 …なのだが、肝心の朝日は木々や建造物に遮られ一向に見ることができない。冬はすっかり日が昇った8時以降にしか起きたことが無かったので、日の出の位置を事前確認するという概念がすっかり抜け落ちていた…。
 それならばと、近くの高台の森林公園に朝の散歩をすることに。
 すでに朝日が昇ってはいるが、早朝の清々い空気の中、木々の間を散歩するのはとっても気持ちが良い。ちょっと早起きを頑張れば手に入る楽しみがそこにはあった。まさに早起きは三文の得だなぁ、でもやっぱり冬は寒いしこういう特別な日じゃないと起きられないよなぁと相反する想いに揺られながら落ち葉の路を黙々と歩いたのだった。

 散歩から帰ったら昨日のうちに焼いておいたアップルパイ(冷凍パイシートにリンゴペーストを包んだだけの簡易版)と挽きたてのコーヒーで朝食。

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 軽い運動後ということもあってお腹が良い感じに空いていたので美味しい。
 しかもゆっくり朝食を採っても時間はまだ8時。お昼まで4時間もあるではないか。
 いやぁ早起きすると午前中って長い。
 とはいえ、録り溜めていたドラマや特番を片っ端から観まくっていたら昼過ぎに。

 

 さていよいよここからが本番(私的に)!

 

 せっかくのお正月。
 しかも家でひとりお籠りとあっては、ここはもうあれしかない!
 そう、おひとり様晩餐会ならぬ、おひとり様宴会!!
 昼から飲んじゃう♪

 

 今回のテーマ「丁寧な暮らし」を実践すべく、料理の盛り付けもちょいとこだわってみることに。

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 奮発して買った酢ダコと数の子はじめ、数種類のお料理をワンプレーとに盛り付けておもてなし料理に。
 昨夜のうちにすべて仕込んでおいたので包丁もあまり使わず、煮物は電子レンジでガスは全く使わずに出来てしまいすごく楽。
 お節料理がもともとは年始の家事を減らすための保存食だったというのもなるほど納得!と、実践してみて身をもって分かったのだった。

 その後は、ちびちびツマミながら飲んで食べてを十二分に楽しんで、午後のお楽しみとして録画しておいた金曜ロードショーの「風の谷のナウシカ」を鑑賞。
 30年前の作品ながら、まさに見えない菌に怯える今現在に通じるものがあって、やっぱり宮崎駿監督は時代を先取りしていたのだなぁと襟を正して見始めたのだが、ついつい杯を重ねていたため、うっかり途中で寝落ちという失態(笑) 気づいたら夕方になっていたのだった。。。
 その後、寝落ちしたところからまた見直して最後まで完走。

 ということで午後はずっと座りっぱでろくに動いていない(というか寝てた)ので、お腹もあまり空いていない。昼よりかはちょっとボリューム減らして、お酒のアテにしてチビビチやりながら実写ドラマ「岸部露伴は動かない」全3話を一気観していたら、あっという間に夜になってしまった。

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 うんでも、美味しいお酒と料理と、上質な作品をじっくり鑑賞することができたので大満足な1日だった。

 


■1月2日

 さて2日目、この日も家でお籠り。
 昨日の早起きはどこへやら、いつもの休日、安定の9時半すぎ(というかほぼ10時近く)に起きて、冷凍しておいた食パンのトーストと挽きたてコーヒーで朝食を摂るも眠気はおさまらず午前中はぼんやりと(笑)

 

 お昼はネギたっぷりのお蕎麦と、大量に作った煮物をまたレンチンで。

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 午後もまったりしつつ、窓辺で日向ぼっこしながら漫画を読みふけっていた。
 今夜、Eテレで萩尾望都先生の特集番組が放送されるので、気分的に萩尾望都作品にしよっかなと、先日購入した「マージナル」を一気読み。
 出生形態が変わってしまった未来の地球の物語ではあるけれど、昨日のナウシカに通じる自然破壊と人類の再生が描かれていて興味深い。「風の谷のナウシカ」も「マージナル」も80年代の作品で、増え始めた人工問題や汚染や環境破壊問題などが表面化しつつある時代に描かれており、だからこそ問題が露呈した今、改めて観たり読むことで気づきも得られる。
 また「マージナル」は男だけの世界という枠の中に生まない女性の物語も内包していて、いろいろと身につまされる。
 と、人類の行く末と個としての自身の行く末をどうしたもんかと揺蕩っていたら、あっという間に夕方になっていたのだった。

 晩御飯は昨日からのパート3(笑)

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 配置は多少変えてみたものの使っている具材が一緒なので大きな変化は無い。
 煮物のレンチン含め、5分もかからず準備ができてしまうのはすごい楽ちんなのだが、昨日から変わりがないことに多少の飽きも出始めてくる。
 せっかくなので、お酒はちょっととっておきにしておいた白ワインにして、夜の晩餐会を楽しむことに(チェイサーがわりの柘榴酢の炭酸割も添えて)。
 良い感じに酔っぱらってきた頃合いで楽しみにしていた新春ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」をリアタイ視聴。
 今回はみくりさんの出産話を軸に、婦人科の病気にかかった伯母の話やLGBTの向き合いや育休問題などここ最近の社会問題がこれでもかとぶっ込まれており、さらにとどめはコロナにもド直球に向き合った内容になっていて、リアタイだったから1個ずつ思考のハードル越えながら見られたが、振り返るとあまりの問題提起の多さにドッと疲れてしまった。
 逃げ恥は生む女性の話ではあったけれど、その陰には生まない女性(伯母の百合ちゃん)のエピソードも織り交ぜており、「マージナル」といい「逃げ恥」といい、生命としての女性と個人としての女性の悩みや葛藤が凝縮されて、たぶんもうすぐ百合ちゃんと同じく生まない女性の路を歩まざるをえなくなる身としては考えさせられる時間でもあったし、これらの作品を通じてエールをもらったようにも思えて。
 何はともあれ、これだけ女性性について真向から向き合っても良いのかも、問題提起しても良いのかもと思える時代になってきて良かった。令和は女性や男性といった性差を超えて個として充足できる時代になって欲しい。


■3日目

 お正月も気づけばあっという間に3日目!というか冬休みがもう6日も経っていて残りわずかという事実にビックリ。休み前はこんな長い休暇、一人じゃ持て余すかも…と思ったのが杞憂だった。むしろ足りない。まだまだ観たい番組や漫画や小説が控えている。まぁ、それだけ観たい読みたい作品があるというだけで幸せなのかも。

 さて、今日は9時にがんばって起き、ちょっとスクランブルエッグにこだわったカフェ風朝食。

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 連日、和食寄りだったのでバターの風味を効かせて味変。


 ちょっとした喫茶店のモーニング気分でまったりとした時間を過ごしたら、昨夜録画しておいたEテレの特番「100分de萩尾望都」を視聴。
 昨夜リアタイしたかったのだが「逃げ恥」と時間がドンかぶってしまい、かつ、酔っぱらいながらながら見するには勿体ないと、一番意識がしゃっきりしている本日午前に遅ればせながら襟を正して観ることに。
 いやぁ100分では全然足りない!まださわりだけって感じで、有識者の方々にもっともっと語って欲しかった。さまざまな見解を通して新たな気づきもあれば、再認識することもあり。永遠と一瞬を少女漫画という技法で閉じ込め結晶化した萩尾望都先生はやっぱり偉大。
 また近々、久しく読んでいなかった「トーマの心臓」を読み直してみよう。
 きっと今だからこそ気づけることが多そう。

 と、気づいたらすっかり昼過ぎ。冬の有能保存食たちや作り置き料理はまだまだ残っているものの、なんかこう全然違う味がするものが食べたい。とはいえ作る気力は全く無い。
 ということで、お正月3日目の昼食はコンビニで買ったカレーになったのだった。

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 スパイスの効いたカレー最高に美味しかった!


 午後はのんびりお茶したりTV見たり、こうして大晦日から3が日までを振り返っている内に気づけばもう夜。


 今夜は未だ残っている大量の煮物はじめ、酢ダコや数の子などなど酒のツマミのオンパレードで、キンキンに冷やした白ワインを愉しむことにしよう。

 

 

 こうしておひとり様のお籠りのお正月もあと僅か。
 例年とは一味も二味も違ったお正月だったけれど、久しぶりに好き勝手に思う存分、思考を揺蕩わせて過ごすことのできた贅沢なお正月だった。

 

 そしてまた、恒例だと思っていた行事の有難さを再認識できたことも良かった。
 お正月の帰省は義務だと思っていたけれど、義務ではなく親しい間柄の人たちと労りあう感謝の時間だったのだなぁと。

 

 次のお正月はまたみんなで一緒に過ごせることを願って、この新年が自分自身にとっても新たな進展の年になれるよう、1つずつ丁寧に向き合いながら頑張っていきたい。

 

 

お題「昨日食べたもの」

お題「ささやかな幸せ」

お題「気になる番組」