nanami-JP’s blog

40代おひとり様の日々のささやかな幸せ探し。日々の楽しみや旅行記などを徒然に。

40代おひとり様の超初心者海外旅行【イタリア2日目】

■2日目:フィレンツェはルネッサン!情熱!テンションUP!!

※ポンテ・ヴェッキオ橋 → ピッティ宮殿 → バルジェッロ国立美術館 → 夕食

 

 2日目は早起きして8時35分のテルミニ駅発でフィレンツェへ。
 1日目は飛行機の疲れで当社比2時間前倒しで就寝したおかげで、6時台にバッチリ目が醒める。しかも夕食も摂らずに爆睡したことですっかり腹ペコ。出発の準備を整え、ホテルの朝食開始時間早々に朝食とは思えぬ食べっぷりを発揮しまくる。
 ※朝食メニューなどの詳細はホテル編にて

 朝からガッツリ食べ身も心も気合満タンとなり、8時前にちゃっちゃとチェックアウトしてテルミニ駅へと向かい、出発20分前にはホームでスタンバイ。
 テルミニ駅のホームはズラズラっと並列されており、段差もなくまっ平ら。駅の中央の巨大掲示板に電車の到着時間と発着時間が記載されており、発着時間だけで良くない? …とおもったのだが、実は理由があったことが後で判明。
 日本だと基本的には特急と鈍行はホームが分かれており何番ホームかも決まっているのだが、イタリアはたくさんあるホームのどこに列車が到着するのか、直前まで分からないのである!! まじかー、早く行っても直前まで分からんこのドキドキ感。なんてスリリング。
 しかも駅名とかよう分からん。唯一の手がかりは予約した時の列車番号のみ。それでもホーム番号と列車番号さえ分かれば、イタリアの駅の表示は意外とわかりやすい。
 万国共通な数字の偉大さを朝から実感したのだった。

 

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 約1時間30分の快適な電車の旅を満喫して、時刻は10時過ぎ、たどり着いた先はフィレンツエ! 東京から名古屋に行くくらいのノリであっという間に着いてしまった。


 サンタ・マリア・ノッヴェラ駅は、テルミニ駅に比べれば割とこじんまりしており出口も分かりやすい。
 ここで海外旅行が趣味の会社のボスの訓示「スーツケースは早々にホテルに預けるべし」を遵守するため、駅前のタクシー乗り場へ。
 日本だとチェックイン前に荷物を預けるという概念がまったくなかったので、「どうせボスが泊まるのは超高級ホテルだからサービスで預かってくれるんでしょ? まぁでも今回のフィレンツエのホテルはちょっと奮発したからお情けで預かってくれるかも」と半信半疑ながら、美術館等のクロークに預けるスキルがまだない私は、ひとまずホテルを目指すことに。
 駅前のタクシー乗り場でタクシーを拾い、ホテルの名前と場所が表示されたグーグルマップを印刷したものを無言で運転手に見せる。フィレツェはそれなりに有名なホテルにしたおかげか、タクシーの運転手も即座に理解してくれた。
 フィレンツエの道は網の目状なため、正しいルートなのかボラれた迂回ルートなのかもまったく分からず、緊張の面持ちで無言を貫きホテル前に到着。
ホテルの前でトランクに入れた荷物を取り出してもらう際、もしこのまま走り去られたらどうしよう、いやスーツケースの中はどうせ着替えだけだし現地調達すれば大丈夫と、ほとばしる脳内妄想をなだめつつ、無事にスーツケースを受け取ってドアマンに無愛想に迎えられながらロビーへ。
 後で気づいたのだが、このホテル、チェックアウトが12時なので11時すぎに到着した私はこれから迎えるチェックアウトの繁忙な時間帯に紛れ込んだ珍客である。それでも流石は四つ星ホテル。スーツケースを抱えて途方に暮れた私のことを認知してくれた! 笑顔などまったくない無愛想対応だったが、こちらも緊張で無表情だったので表情対決的には引き分け。ノープロブレム。
 しかも、運よく泊まる部屋の準備が整っているということで、人生初めてのアーリーチェックイン! 荷物を預けるどころか、スーツケースと共に部屋に案内され、思わぬ展開と写真よりもはるかに素敵な部屋の内装にテンションが瞬時に上がってサンキューを連発したら、無愛想だったホテルマンもニヤリと笑みを返してくれたのだった。
 ※私的に奮発した素敵ホテルの詳細は【ホテル編(フィレンツエ)】にて

 

 そして私にとってはフィレンツエの大目玉であるピッティ宮へ、いざ出陣!
スマホと小銭、カードとタオル生地のハンカチとデジカメ、そしてホテルのサービスでおいてあったペットボトルと最低限の装備で身も心も身軽になって足取り軽く出発!
ピッティ宮はグーグルマップ君の事前学習で徒歩圏内であることを確認済である。地図上ではホテルから運河に向かい、ポンテ・ヴェッキオ橋を渡ったらすぐの場所ということで、取りあえず太陽の位置的にこっちだよね?というざっくりした感覚で河の方に向かう。

 

●カラフルな黄金の橋 ポンテ・ヴェッキオ橋

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ポンテ・ヴェッキオ橋の外観

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橋の中は黄金の煌めき


 狭い路地を抜けて川沿いに出て視界が広がった瞬間、数百m先にカラフルなポンテ・ヴェッキオ橋を発見! 本当は橋のたもとに辿り着く予定だったので、地図的にはルートを誤った感満載であるが、写真を撮るには絶好の距離感。しかも本日は快晴なり! ガイドブックで何度も眺めたポンテ・ヴェッキオ橋を激写しまくり早々にご満悦となる。
ポンテ・ヴェッキオ橋は橋の両側に金細工の店が軒を連ねており、橋というより煌めく小路のようである。一軒ずつ眺めたいところだが、まずは本命のピッティ宮へ急がねばと少々心残りながら早足で通りすぎた。それでも視界の端に飛び込んでくる様々な金細工の煌めき!外側はポップでカラフルながら橋の通りはまさに黄金の道だった。

 

●ピッティ宮殿

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ピッティ宮の外観



 何故今回、フィレンツエで私的にピッティ宮が本命だったのか。それは、高校時代に大好きだったラファエロの絵画が現物で飾られているからに他ならない。
 己の自己満足と欲望まっしぐらだった無邪気な高校時代。図書館で偶然出会い、以降10年近くこじらせた聖母と天使モチーフの原点となったラファエロの絵。その現物がピッティ宮にあるのだ! 日々の忙しさにすっかり忘れていた、青春時代の思い出が四半世紀を経て私の中に蘇ったことで、「見た目はアラフォー、中身は高校生」である。いやむしろ、ここから私の第2の青春が始まったのかもしれない。
 そんな感慨にふけりながらチケット売り場へ。ピッティ宮殿の中にあるパラティーナ美術館、近代美術館、銀器博物館、衣装博物館の共通券を購入。
 昼前だったのかほとんど並ばずにチケットも買え足取り軽く宮内へと向かったのだった。……のだが、イタリアの美術館を舐めていた。膨大な展示物と広大な敷地!! どんだけ歩けば本命にたどりつくのか皆目見当がつかぬまま、記憶の残滓にとどまっていた名画の数々をいたるところで発見しテンション爆上がり。
 所々で足を止めては堪能しまくり、ラファエロの間に辿り着くころにはかなり疲労困憊だった。
 それでもやはり、かつて憧れていた存在が目の前に現れた瞬間は格別である。記憶の中では美術誌の印刷物だった2次元の存在が、平面の絵画とはいえ額装され展示室の一角に鎮座することで、3次元の圧倒的な存在となって鎮座しているのだ。同じ次元で出会えた僥倖。500年以上の時を超えての邂逅は4次元的ですらある。
時も距離も超えて出会うことができるのだ、己が実行さえすれば。
 しかもイタリアの美術館は基本は撮影OKという大判振る舞い!
 でも確かに現物の圧倒的な存在感を知ってしまったら、写真では物足りなくなってしまうのも事実。その絵が描かれた場所で、当時の息吹を多少なりとも感じながら鑑賞するのが一番の贅沢なのかなと思う。

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壁を埋め尽くす名画たち そして憧れのラファエロとの邂逅

 ピッティ宮には気づいたら3時間強ほど滞在しており、かなりの疲労困憊ではあったが、日はまだ高く、もう1か所くらいは観光したい。ひとまずポンテ・ヴェッキオ橋の近くのジェラート屋でピスタチオとラズベリーのダブルでちょい休憩し、観光名所の一つであるシニョリーナ広場方面に向かってみた。

 

●バルジェッロ国立博物館

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 フィレンツェで一番人気らしいウッフィッツイ美術館も気になるところだが、予約なしではけっこう並ぶらしく、かつかなりの広さと展示数とのガイドブック情報をふまえて、今回は建物の外観をちょっとだけ観て終了。また次の機会があった時の楽しみとっておくことに。
 しかもピッツティ宮殿でハイテンションで歩き回って足もかなり棒状態だったので、気軽に観れるこじんまりとした美術館か博物館が望ましい。
 そこで気になったのがシニョリーナ広場から3分ほどで行けるバルジェッロ国立博物館
お昼に絵画をお腹いっぱい鑑賞したので、ちょっと気分を変えて彫刻や装飾品も面白そう…とほとんど事前知識なく思って入ってみたら、個人的には超ビンゴ!

 

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中世の武器や装飾品など多数展示

 1階はところ狭しと展示された彫刻の数々、2階、3階には装飾品や中世の武器、タペストリーなどなど。当時の生活の様子を彷彿とさせる品々にまたもテンションUP!
 しかも広場から歩いてすぐなのに、近くにもっと大きな美術館や博物館があるせいなのか、時間が夕方だからなのか、客があまりにも少ない。1階は有名な彫刻も多いらしいのでそこそこ客はいたが、3階の武器コレクションコーナーなど私のほかに1~2名という閑散さ。それ故に周りを気にせず気になったコレクションをじっくり舐めるように全方向から鑑賞していてもドン引きされることなく、心行くまで堪能し、コレクションを通じて中世の人々の生活ぶりに思いを馳せることができ、ひじょうに満足度が高かった。
 しかもこの博物館、ガイドブック情報によると自治都市時代の警察長官の住居だったらしい。エリートが住んでたお屋敷! 建物の所々にちょっとしたこだわりの装飾が散見され、主要通路の窓は丸型のヴェネチアンガラスが多数はめこまれた仕様など、当日にしてはかなりの贅をつくしたお屋敷。王族以外でもこんな広くて素敵なお屋敷に住めちゃう訳? やはり権力者として招いた客へ権威をアピールするためにはこのくらいやらないとなのか?と、当時のセレブな方々の生き様も感じることができる博物館だった。

 

■夕食:ビールといえば揚げ物!&モチモチなクリームパスタ

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フィレツェ1日目は街角のトラットリアで

 美しいものをこれでもかと鑑賞しまくり、まさに眼福。胸いっぱい。とはいえお腹は流石に空いてきたので夕食を摂ろうと、シニョリーナ広場近辺で安くて入りやすそうなトラットリアを物色。広場沿いは観光客で賑わい、その中に単独で乗り込むのはちと勇気がいるので、一本奥まった通りに入って落ち着いて入れそうなお店を探すもなかなかピンとこない。それでもなんとか小物使いが可愛らしいインテリアのちょっとこじんまりしたお店を見つけて入ってみることに。通り沿いの半テラスのような席に通され、さっそくビールを注文。通りを眺めながら飲むビールは最高に美味しい。メニューもイタリア語と一緒に英語で書かれていたので、前菜は揚げればなんでも美味しいでしょ!と無難にフライと書かれているメニューを選び、あとはせっかくイタリアだしパスタにするかとクリーム系ぽいものを選択。フライは4種類の盛り合わせで、中身の具がなんなのかよく分からないながらもまずまずの美味しさでビールに合うのだけで十分合格。パスタは太目の麺がもっちりしており、クリームに胡椒が効いて少ししょっぱいが疲れた体に染み渡る味だった。

 こうして、昼から約半日とは思えぬ充実度と満足感なフィレンツェの初日となった。