nanami-JP’s blog

40代おひとり様の日々のささやかな幸せ探し。日々の楽しみや旅行記などを徒然に。

日が暮れて後、宵闇の暗さを知る【40代おひとり様のスローライフ】

 引っ越した先は近くに自然公園が多い閑静な住宅地。
 
 最寄り駅の近辺には数件のお店しかなく、降車する人々は真っすぐに家路に帰る人ばかり。
 ぶらり飲み屋に立ち寄りなどできる環境ではない。
 引っ越ししたのが真冬ということで、定時通りに帰ってもすでに日没後で帰り道はすっかり夜の様相。
 休日も日が暮れると近所の家々は皆、門戸を閉ざしてしまう。
 
 久々に冬の日没時間の速さと、日没後の冬の静寂を実感している。
 
 そんな環境になったのは実に四半世紀ぶり。
 大学入学を機に一人暮らしを始める前は田舎暮らしだったので、冬の16時過ぎは山の稜線に太陽も隠れてしまい、もうほとんど夜に片足突っ込んだ状態だった。
 
 夜ってこんなに暗かったんだなぁ…と、久々の実感とともに、長年にわたり人間のDNAに刻まれてきた宵闇の暗さの恐怖が呼び起される。
 そんなもんだから、当然、本能のまま私も自然と帰宅が早くなった。
 平日は仕事があるので仕方ないが、なるたけ定時か残業も少なめに。遅くとも9時までには家に帰れるように逆算して取り組むようになった。それでも終わらない場合は翌朝早く出社することで帳尻を合わせることに。
 今までは23時~24時頃に帰っても、駅から徒歩4~5分のアパートまでは駅のホームや雑居ビルの明かりで賑わっていたから怖いなんて全く思いもしなかった(まぁ、治安という面での怖さは少々あったが)。
 それが今や、家路までの夜の様相を思い浮かべるたびに、早く帰らなきゃとソワソワするように。
 私の四半世紀の街中暮らしの歴史なぞ、長い人類の歴史に比べればミクロン単位というもので、速攻で上書きされている。
 やはり日の出と共に起き、日の入りと共に休むのが動物的本能なんだろう。
 
 そういえば昨年、真冬にヨーロッパに行った時も、日没は16時頃で街中もメインストリート以外は早々に夜の静寂に飲み込まれてしまっていて、出歩くのが無性に怖かった。
 日没後はホテルのすぐ近くのレストランかもしくはスーパーで買った総菜でホテルで食事をしたものだった。あれは、不慣れな異国の地ということももちろんあったが、やはり街の灯りの少なさによるものだろう。
 真夏のイタリアは白夜で20時代でも明るかったもんだから、結構遅くまで飲み屋で楽しんでいたのだから。
 旅先での体験と新たな新天地での経験を経て、長い冬の夜の過ごし方をいうものを改めて考える良い機会になっている。
 
 平日はなるたけ定時か早めに帰って寄り道せずに真っすぐ家に。
 休日も遅い時間まで出歩く必要などない訳で、用事がすんだら早めに家に帰ってどう寛ぐかに重点を。
 
 そんな冬のライフスタイルで、改めて冬の宵闇の暗さと静寂を楽しみはじめている。
 
 …とはいえ、やはり仕事帰りには、たまにブラリと入った飲み屋で軽く一杯(いや2~3杯)は楽しみたい。
 
 家飲みとはまた違った楽しさが、居酒屋の酒と肴にはある訳で。
 その楽しみをどうやってやり繰りするかが今のところ悩ましい。
 いっそフレックス活用して居酒屋がたくさんありそうな中間駅で途中下車して、17時くらいから一人飲みしてみようかと検討している。
 それもまたおひとり様の楽しみというものか。
 
 そして長年の習慣というものは恐ろしいもので、宵闇の暗さに冬の夜の過ごし方を改め始めた半面、朝は未だに起きられない。
 休日も昼くらいまで起きられない…。
 せめて休日も8時くらいに起きられれば、明るい午前の日の元で4時間くらいは活動できるはずなのに。
 そうしたら午前中に家事を済ませて、昼前からのんびりゆっくり外出もできるはずなのに。
 これがなかなか実行できず。
 
 そのため、早起きな近所の人々よりも私の休日は断トツで起床から日没までの時間が短いのが、なんだか少し勿体ない気もする。
 けれども温い布団にくるまっての惰眠の幸福には今のところ全くもって抗えない…。

 もう少しこの閑静な地での生活に慣れたら、休日の有意義な午前中の使い方を編み出せるようになりたいもんだ。