nanami-JP’s blog

40代おひとり様の日々のささやかな幸せ探し。日々の楽しみや旅行記などを徒然に。

【40代おひとり様の徒然なる日々】 日本がお休みを決めた日。台風19号に寄せて

 まずは今回の台風19号で様々な被害にあわれた方々が、一日でも早い復興となるよう心よりお祈り申し上げます。

 

 未曽有の大規模な台風が日本列島を縦断し、関東直撃と報じられ、先日の台風15号の被害を踏まえ、世間はこぞって様々な対策を行った。

 鉄道は計画運休、大手スーパーやデパートは臨時休業、24時間が売りのコンビニさえも店舗ごとの判断で休みOK、そしてあの毎年入場者第1位で不動の地位を築くディズニーランド&ディズニーシーですら休園。

 私が所属する会社も土曜日でもとから休みではあったが、10月12日(土)は休日出勤禁止のお触れが早々に出た。

 そうして台風直撃の当日、テレビでは人気のない渋谷の交差点や新宿駅が報道され、まさにゴーストタウンといった風景が映し出されていた。

 それは然るべき対策の結果ではあるけれども、そのことに誰も異論を唱えず、粛々と最小限の被害にすべく誰もが家の中でじっと息をひそめて過ごした土曜日。

 

 その日はみんなの危機管理意識で成しえた、「日本がお休みした日」だった。

 

 そうして改めて日本人の同調意識の高さを実感した日でもあった。

 

 

 今回、未曽有の危機に備えて色々な機関が休みを打ち出したことで、会社もそれに併せて休みを推奨しやすくて本当に良かった。

 先日の台風15号の報道で津田沼駅に並ぶ3000人の列を見て、まったくもってその状況が解せなかったのだ。

 仕事の納期よりも個々の命が優先すべきじゃなかろうか。

 どうしてどの会社も休みを提唱しないんだろう?

(ちなみに私のとこの会社は部署判断で休みを取りやすくありがたかった)

 一日休んだって翌日のリカバーでなんとかなるように常日頃しておくのが仕事じゃないか?

 あの報道を見て、どうして命を預かる仕事に就いている人に優先乗車券が無いんだろうかと思わずにはいられなかった。

 もちろん、様々な仕事があってそれぞれの事情があるだろうけれども、医療機関や警察、消防など災害対応の機関や、地域ごとの災害対策を行う自治体、情報を確認、伝達する報道関係、そしてそこで働く親をサポートする保育園など、そういった業種の人に優先乗車券が発行されても良いんじゃないだろうか。そして、サービス業は会社やオーナーが休みを推奨してくれないものか。

 そんな矢先の台風19号、電車の計画運休が早々に発表されたのは本当に良かった。電車が走らないなら会社いけないもんね!お店も開店できないよね!仕方ないよね!と、明確に休める理由があるって大事。

 

 今回の台風19号で「日本がお休みする日」が実行できることが実証された訳だから、今後も大型台風など災害が生じそうな時は、ぜひ今回の事例をもとに休みを推奨しいと切に願う。

 

 ちなみに、普段、ニュースなどあまり見ず自由気ままに生きている私ですら、この日は一日ずっと家に閉じこもって台風が過ぎ去るのをただひたすらに待っていた。だって「未曽有の」とか「類を見ない強風や大雨」と言われてしまったら、まったく予想がつかず今できることを精一杯やるしかない。

 休日、外出せずに一日家に籠ることなんてよくあることだけれど、何が起きるか分からない不安に怯えながらじっと耐える一日というのがこんなにも時間が進むのが遅いとは知らなかった。テレビを見ていても、レンタルした映画を観ていても本を読んでみてもまったく落ち着かない。

 もし強風で窓ガラスが割れたら、停電になったら、アパートの部屋は3階とはいえ1階が浸水して陸の孤島状態になったら…。未知への不安が次々と浮かんで焦燥だけが募る。

 まんじりとしてもいられず、万が一本当になってしまった時を考えて、むき出しの窓に養生テープを貼ったりベッドを窓辺から部屋の奥に移動したり、貴重品をスポーツバックにまとめて手元に置いたり、ペットボトルに水を入れておいたり。意外とやることがたくさんあって、一人黙々とミッションをこなしていく。そしてふと気づいたら、常備食にと日持ちする野菜料理(前日夜、お肉はあらかた売り切れていた…)や蒸しパンを大量に作っていた。

 

 こうして台風が過ぎた今、なんのことはない日常を送れることが、実はとてもありがたいことなのだと身に染みたのだった。

 

 おひとり様で過ごす大型台風の日は、日々の自由気ままの代償とばかりに孤独と抱えきれないほどの恐怖に満ちていて、台風が過ぎ去った直後、気が抜けたのかストレスと気圧の変化による強烈な偏頭痛に襲われ、第2の恐怖を味わう夜となってしまった。

 

 それでも翌日、台風一過の晴天の中、安否確認をしあう親兄弟や友人たちがいることに得も言われぬ安心感を得て、やはり人は一人では生きていけないのだなぁと改めて実感したのだった。