おひとり様の40代が考える理想の老後とは
今週のお題「理想の老後」
今週のお題は「理想の老後」ということで、子供もパートナーもいない単身独居なおひとり様には少々耳の痛いテーマである。
遺すものが無いおひとり様は、かくしてどのような老後が理想なのだろうか。
まず女性の平均年齢が87.26歳ということから、88歳の米寿までの道のりを考えてみた。
……のだが、そもそも「老後」とは、果たしていつからが「老後」なのだろう…?
定年退職を迎えた60歳から?
周りで知っている限りの60代を思い浮かべてみるに、めっちゃ元気。若い人よりむしろ元気。風邪もひかないたくましさ。老人というよりかは中年花盛りな方々ばかり。
それでは70代はと考えると、70代前半の両親を思い浮かべるに、充実した日々でかつかつてのダブルインカムの恩恵か悠々自適を絵にかいたような不自由の無い生活。
80代は身近にいないのであまり想像つかないのだが、最近好きなTV番組「ポツンと一軒家」で見る80代お年寄りのかくしゃくとした姿は、まだまだもう20年くらい生きそうな方ばかり。
老後といっても大病を免れれば人生まだまだ楽しめる日々は充分にありそうだ。
一応、今勤めている会社の定年は60歳なので、定年退職からおよそ30年と考えると……長い。長すぎる。
新卒で社会人になってまだ20数年しかたっていない身としては、今までけっこう頑張ってやってきたぞでももうそろそろ疲れちゃったかもと思う今現在の勤続年数よりも更に長い老後が待っているのかと思うと、もうどうしたら良いのか途方に暮れる。
人生、大きく区切って若者(新卒3年目くらいまでの25年)→大人(定年までの35年)→老人(90歳くらいまでの約40年)…と考えると、老後ライフが一番長い。
もう第2の人生というよりも、人生2巡目くらいの気持ちでないと立ち向かえないんじゃなかろうか。
そこで改めて考える「理想の老後」。
人生2巡目と思ったら、仕事人として築いた功績やキャリアなど前世だと割り切って、すっぱり捨てて生きたほうが楽に生きられるんじゃないかと思い至った。
60歳すぎたら現世を離脱して新たな人生の開幕。
そう思うと、なんだか無性に楽しくなってきた。
むしろ人生の新たな冒険はこれからだった!
それならどんな冒険をしようか。
そんな自分のなかで、定年を迎えたらどうしたいかと思いは千々に乱れつつも、1つだけ決めていることがある。
それは、郷里に帰ること。
生まれた地でも良いし、幼い頃過ごした田舎の原風景がある地でも良い。
いずれにせよ、都会を離れて田舎に住みたい。
今でもふとした時に浮かぶのは、自我が芽生えた小学1年生の頃の幼い記憶で、キラキラと木漏れ日を散らす竹林だったり、岩肌を濡らす小川のせせらぎだったり、田んぼのあぜ道に咲き綻ぶシロツメクサだったりと、田舎の原風景ばかり。
そこで何をしたい訳でもする訳でもないけれど、四季折々の風景に同化して、毎日を丁寧にシンプルにまったりのんびり暮らしたい。
ただそこに在るということ。在ろうとすること。
そういった境地に至れるかどうか挑むのも、これまた1つの冒険なんではなかろうか。
結局、おひとり様の人生、人間としては種の存続ができなかった訳だけれど、数多ある命の1つとして、生まれたのであれば、ただそこに在って良いのだと。そう思える場所が、私にとっては原風景的な場所=田舎なのかもしれない。
そんな自分にとってのユートピアとなる新天地での生活を夢見ながら、60歳までは実直に今ある人生に向き合って、もうちょっと仕事を頑張ってみるかという気持ちになれた。
2巡目の人生となる理想の老後を迎えるには、まずは今の人生に思いっきり満足しないとね!