nanami-JP’s blog

40代おひとり様の日々のささやかな幸せ探し。日々の楽しみや旅行記などを徒然に。

【立川散策】街中のオアシス GREEN SPRINGS(グリーンスプリングス)で憩いのひと時

お題「リラックス法」

お題「ささやかな幸せ」

 

 すっかり秋めいてきた10月、これからの季節に向けて食器や部屋の装備をちょっと補充しようかなと立川のIKEAに行ってみることに。

 コロナ前に1度だけ行ったIKEAはかなり広々としてシンプルな食器や小物を見るだけも楽しかったなぁ…と遠い(といってもまだ1年もたっていない)記憶を頼りに立川駅北口からモノレール沿いに北上しようとしたら、思わぬ緑の公園的な場所に遭遇。

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緑と硝子に覆われたビルの合間の空の抜け感がまた良い。時間によって動きが変わる噴水もあって癒される。

こんな場所あったっけ?と思ったら、今年8月にオープンしたばかりの施設「GREEN SPRINGS(グリーンスプリングス)」とのこと。

greensprings.jp

公式サイト情報によれば
“心にもからだにも健康的なライフスタイルをテーマにした「ウェルビーイングタウン」です。都心と自然が交差する、立川という豊かな土地だからこそ実現できる
未来型の文化都市空間「GREEN SPRINGS」を、どうぞお楽しみください。”

…ということらしい。

 

 確かに緑と水が豊かな公園にショップが点在していて、公園でまったりしながらお店もブラリ巡ってゆったり過ごそ☆的な空間が広がっている。

コロナ禍でここ数か月、家で籠るか森や湖を眺めているかですっかり自然回帰した身にとってはめっちゃ街!都市‼

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という印象で、逆に新鮮だった(笑)

 

池や水路を駆使した公園は午後の日差しも相まって、まるでモネの絵画のような印象で癒される。

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 人もそこそこいるものの激混みという訳でもないので、それぞれが適度な距離をとってゆったりできるのが心地よい。
 さらにそこここに無料で寛げるソファーなども置いてあり、文庫本片手に数時間まったり過ごすのにめっちゃ良さそう。

 コンサートホールに向かう大型階段横には、そこそこな広さの芝生も広がりちびっこたちがかけまわっていたり、公園のところどころでカップルや家族が団らんしていたりと、なかなかに素敵な風景が広がっている。

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ところどころで流れる水のせせらぎが癒し効果UP

 うん、なるほど、カップルやファミリー向けの文化空間都市という構造。


 マジョリティ向け空間に久々に出くわし、おひとり様はなんだかちょっと座り心地がモゾモゾする。

 

とは言いつつも、ゆったりランチして、点在するソファーでまったりできるので、おひとり様でもけっこう満喫できる場所になっていた。

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この日はワンプレートランチを堪能。おひとり様分とのことだったが、かなりのボリュームでお腹いっぱい。小食の方やちょっとつまみたい方向けのハーフサイズメニューがあった理由がすごくよく分かる。個人的にはハーフサイズとビールにすればよかった(笑)

 さらに良いのが、前にIKEAに行った時は、駅からちょっと歩いて遠いなという印象だったのだが、駅からGREEN SPRINGSをぶらつきながら突っ切ると、道の向こうがすぐIKEAというところ。

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 買い物地へ向かう経路がのどかな散歩道となったことで、目的地に向かいながらリフレッシュもできるという一石二鳥なのが嬉しい。

 

 立川駅近辺は駅ビル含めルミネ、グランデュオ立川伊勢丹高島屋とデパートも充実しているし大型書店もあれば音響の良さが売りの映画館もあり狭いエリアに欲しいものがギュッと詰まっていてショッピングがしやすいのも魅力的。

 

 気づいたら休日の半日を立川で終えていた。

 

 たまには街での時間も楽しいなと思いつつ、夕暮れ時にはやっぱり森のそばの町はずれの我が家が恋しくなってきてしまった。

 

 なんだかすっかり、街に出てきた田舎のネズミのように郷愁にかられた、おひとり様の休日だった。

 

休日はランチを求めて1時間【40代おひとり様のスローライフ】

今週のお題「運動不足」

お題「ささやかな幸せ」

お題「気分転換」

 コロナ禍はいまだ収まらず、仕事も週に半分くらいは出社しつつも在宅ワークの日々。春頃は連日の在宅ワークで、夕方頃に15分ほど散歩して息抜き&運動をしていたのだが、夏は異常気象ともいえる猛暑でむしろ部屋に籠り、そして迎えた秋、なんのかんので仕事が忙しくなってきて、在宅ワークしてると気が付いたらすっかり夕暮れ。日の入りもどんどん早くなってきて、夕方ちょい散歩というのもままならなくなってきた(ちなみに朝はギリギリまで寝てるので、朝の散歩などという素敵なモーニングルーティンとは一生無縁のような気がする…)。

 

 そんな訳で、平日は出社日はかろうじて家から駅の往復で多少歩くものの、在宅ワークだとまったく運動していないので、それなら週末まとめて運動しよう!…と思いいたった。
…のだが、週末はやっぱりのんびりゆっくりしたい。惰眠を貪りたい。

 

 そこで思いついたのが「宅急便の午前受け取り&小一時間ウォーキング後のご褒美ランチ作戦!」

 プチ田舎住まいなので水やお酒、日用品などは宅急便を活用するようになったのだが、受け取り時間を土日の午前中に設定することで強制的に午前中に起きなければならない状況に(それでも起きるのは早くて9時30分頃だが…)。
 そして、宅急便を待ちながら午前中は洗濯したり家の掃除をしたり録画した番組を観たりとゆるゆる活動し、無事に宅急便を受け取ったらランチへGO!

 愛用しているGoogleマップくんに4km圏くらいでランチをやっているお店を紹介してもらい、その時の気分でイタリアンや中華や和食などを選択。あとはGoogleマップくんの導きのまま約1時間のウォーキングスタート!

 ということで、ここ最近、雨ではない日を狙って2回ほど実施してみたのだが、普段、歩きなれていないせいで思いっきり疲れた。けどまぁ、精神的な疲れとは違って、肉体的な疲れもまた心地よい。

 

 世の中まだコロナ禍を考慮して、Googleマップでなるたけ人のいない森の中や緑地帯などにあるお店にしよう…と、1回目は狭山湖の近くのカジュアルイタリアンへ。

 小雨が時折パラつく日だったが、折り畳み傘で一時をしのげば涼しく日焼けもほどほどのウォーキング日和。1時間ほど多摩湖(村山上貯水池)と狭山湖の遊歩道を、森林浴をしながらのんびり歩き続ける。

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多摩湖の西側(村山上貯水池)。遊歩道は人家ほとんど無しの山の中

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狭山湖。湖沿いの遊歩道の先には「トトロの森」と呼ばれる森が広がっている。体力的にそこまで行ける気がしなかったので断念。またの機会にぜひ訪れたい。

 人家のほとんどない森と湖が延々と続き、狭山湖入口の近くにポツンと建っているカジュアルイタリアンのお店へ。

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 まずはビールでリフレッシュ♪
 昼時のビールって、なんでこんなに美味しいんだろ。
 歩き疲れたこともあってビールが沁みる。
 マルゲリータピザも1人で食べるにはちょっと多いかな?と思ったが、歩き回ってお腹ペコペコだったので、気が付いたら完食していた(笑)


 帰りは近くのお寺や神社も散策。

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思わぬ場所に由緒ある建造物を発見できて楽しい。武蔵野地の歴史を感じる。

 …その結果、帰りはすっかり疲れてしまい、西武球場前駅から西武山口線を利用してショートカット。
 ちなみに西武山口線の電車は案内軌条式鉄道という種類で、単線で実はゴムタイヤ走行らしい(線路のあるバスみたいなもの…?)。ゴルフ場と湖沿いの路線なので森の中を走っている感じで車窓からの風景が楽しい。


 さてまた日を変えて秋晴れが気持ち良い土曜日。 今度は多摩湖(村山下貯水池)を突っ切って小一時間ほど歩いたバーミヤンへ。

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ちょっと雲が多かったが穏やかな秋晴れで散歩日和♪

 多摩湖近辺をのんびり散策して初めて訪れた地のファミレス。コロナで街中への外出もほとんどしていなかったので、久々の田舎街のファミレスに内心テンションが高まる。
 バーミヤンのすぐそばには大型衣料店やスーパー、マクドナルドもあり、すっかり娯楽に縁遠くなった身にはさながらテーマパークのような楽しさだった。

 ちなみに帰りは脇道に入ったら人気のまったくない延々と続く森というか山の中の細道みたいなところに出てしまい、少しずつ日が傾いてきた時間帯ということもあって心細いことこの上ない。思わぬ恐怖のアトラクションがオプションでついてきたのだった。

 

 ということで、家事などは午前中にこなしたことで、往復数時間かけてランチを堪能して帰ってきてもまだ夕方。その後は家でのんびりテレビを見たり、軽めの夕食を摂ったりとのんびりまったり秋の夜長を過ごすことができる。
 しかも歩き周り、かつ見慣れない景色に5感をフル稼働し周囲の気配に意識を自然と高めるようで、脳味噌のサバイバルスイッチが入るからなのか、平日の仕事の疲れやモヤモヤが良い感じに吹き飛んでしまう。

 

 運動不足解消法になるのはもちろん、リフレッシュ&田舎街のアトラクションとして、片道徒歩1時間強のランチという新たな楽しみがしばらく続きそうだ。

 

 

ドラマ「私の家政夫ナギサさん」に観る結婚の違和感

お題「気になる番組」

 

 この夏は、火曜10時のドラマ「私の家政夫ナギサさん」を毎週楽しく観ていたのだけれど、最終回を経て3週間たってもなんだか心の隅がモヤモヤして仕方ない。
 なんでこんなにモヤるんだろうと、今更ながらだけれど改めて考えてみた。

 

 ドラマ「私の家政夫ナギサさん」は、アラサー(といってもまだ28歳)で、製薬会社の営業職であるMRとして仕事に邁進するバリキャリ女子として活躍するメイが主人公。仕事ではチームリーダーになったりと順調にキャリアを積んで、同世代よりもかなりの高収入というある意味、勝ち組。けれど、実は壊滅的に家事が苦手で、部屋は汚部屋、食生活はコンビニゴハンという不摂生ぶり。みかねた妹が家政婦をスーパー派遣してくれたところ、そのスーパー家政婦はアラフィフなオジサンだった。

 

……ということで、バリキャリ女子のメイとオジサン家政夫のナギサさんの交流を通じて、現代社会における妙齢女子の生活環境だったり家族の問題だったり仕事への向き合いだったりを軽やかに、そして優しく包み込んで描かれた良作…だったと思う。

 

けれど、やっぱり結末にはモヤモヤするのは何故だろう?

 

一番モヤついたのは、メイとナギサさんが最後急に恋愛っぽい雰囲気を醸し出して結婚したこと。

 

 ナギサさんが部署移動でメイの家政夫ができなくなったことを知ったメイが突発的に「それなら結婚しましょ!」と言うのは、突発的衝動と一緒にいられる理由作りとして「結婚」を閃いたからということで、分からなくもなくもない。しかもお試し結婚という過程を設けたことで、お互いの不一致部分も見つけたり、仕事ではなく素のメイとナギサさんとして向き合おうとする努力も見られた。

 

 その結果、お互いを「好き」だと認識して結婚にいたる訳だけれど。

 

 私的にはそこに最大の違和感を感じてしまったのだ。

 

 もちろん、メイとナギサさんは相性も良くて、一緒にいる姿は微笑ましいし、仲良しなのは見ていてほっこりする。

 

 でも、メイとナギサさんの間にある感情は果たして恋愛なんだろうか…?

 

 お母さんに甘えたい子供の心のまま見た目だけ大人になってしまったメイと、お母さんになりたかったナギサさん。
 この二人の「好き」って、「お母さん大好き!」「娘が大好き」という家族愛なんじゃなかろうか?
というのが、全話通して二人をみて思った関係性だった。
 なので、そこで急に「恋愛」を出してきたのが違和感だったのだ。

 

 全編通じて「恋愛」としての過程が感じられないのに、最終回間近で急に「好き!」「一緒にいたい!」と言い出して結婚しちゃって、周りからも「(年の差はけっこうあるけど)お互い好き同士で一緒になれてよかったね=恋愛結婚おめでとう」的な生ぬるい祝福を受けて私たち幸せ♪みたいなノリがなんだかとっても違和感なのだ。

 

 メイは本当に恋愛として好きなんだろうか?

 

 ナギサさんとSexできるんだろうか?

 

 実はそこが一番気がかりで。

 

 だって、メイの言動に性の匂いが一切ないのだ。

 それでもお互い好きあってます!と周りにアピールする様が、実は私的一番の違和感かもしれない。

 

 

……と、ここまで考えて、ようやく違和感の正体に気づいた。

 

 2人の全編を通じて描かれた言動を元に再検証した結果、結論から言えば、メイとナギサさんは恋愛関係ではない。
 お互いの需要と供給が合致した疑似家族としての家族愛なのだと思う。

 けれど、血の繋がりもないただの他人が親子関係を結ぶという発想がない故に、周りも本人たちも「年の差恋愛」という型に無理くりハメて納得しているだけではないか?

 メイ自身も本音でいえば、ナギサさんはあくまでお母さんなので、親子愛のハグはできてもキスやSexをしたいという感情は無いのではなかろうか?

 ナギサさんはもしかしたら、年若くて可愛いメイちゃんが傍にいたら、人間の本能としてオジサンだってムラッときちゃうかもしれない(笑) ただ、大切なメイちゃんがそういう気持ちを持っていないから優しく包み込む関係でいてくれてるのかもしれない。

 そう思うと、メイとナギサさんは恋ではなく愛、しかも親子愛でしっかり絆を結んだ二人で、それはそれでお互い欠けたものを埋めあう大切な相手と巡り合えてとても良かったなと思う。

 

 そういう意味で、2人が一緒の家庭を築くことはとても喜ばしい。

 

 ただその家庭はあくまで母娘の家庭である。

 

 そう思うと、結婚後のメイの態度もイラつかないから不思議。

 

 実は最終回翌週のスペシャル編という名の総集編で、ちょこっと出てきた二人の新婚生活にもちょっとモヤったのだ。
 ナギサさん仕事もしてるのに家事も全部担当して、それを当たり前だと思っているメイに、少しは手伝えよ!と思ってしまったのだ。
 多分、その時はメイの姿に「オレ仕事がんばってしっかり稼いでるんだから、家のことはお前がやって当然」と素で思っている世の大半の旦那たちの影がチラついてしまったからだと思う(笑)

 

 けれど、今改めて二人の関係が親子だと思ってみれば、メイはお母さんのナギサさんに甘えっぱなしなんだなぁ、ナギサさんもメイの面倒を全力で見るのが生きがいなんだなぁ、じゃあ仕方ないね☆
 …と思えてきた。

 

 それなら、お互いが納得した関係性であればなんの問題もない。

 

(世の中にはお互いの納得ではなく世間の常識とい物差しで一方的にその関係を強いる男たちがいるから悲劇が起きるし、結婚したくなくなる)

 

 

 お母さんになりたかったアラフィフのオジサン家政夫ナギサさんと、仕事はできるがプライベートは何もできない小学4年生くらいで心の成長が止まってしまった大人コドモのメイ。そんな二人が出会ってお互いを必要だと思い、疑似母娘となって末永く幸せに暮らしましたとさ…。

 

 という、現代のおとぎ話として捉えれば、とてもほっこりする。

 

 こうして3週間たってようやく心のモヤモヤが解消され、メイとナギサさん二人のこれからの人生を心から祝福しようと思えたのだった。

 

 そして、最終回でメイが結婚を選択したのは、もしかしたら無意識の策略だったのではないかと改めて思う。

 全く他人のアラフィフ男性と20代後半の妙齢女子の2人が一緒にいるための言い訳、それが「結婚」だったのではないか。

 現代社会で周囲に受けいられる型として編み出したのが「年の差男女の恋愛結婚」という言い訳だったのではないか。

 ある意味、偽装結婚ともいえる二人。

 

 けれど、結婚なんて、本来は社会的生活を潤滑にするための方便や様式でしかない。

 恋愛至上主義で恋愛結婚万歳と持ち上げる現代。疑似母娘の男女なんて世間的には想定外で異端であろう。だからこそ、世間からの防御策として「年の差男女の恋愛結婚」という形を取ったのだとしたら……。

 

 ある意味、メイは現代の歪みが生んだ恐るべき子供なのかもしれない。

 

 

 そうしてドラマ「私の家政夫ナギサさん」を通じて、私たちの無意識層に「結婚なんて所詮は型でしかない。結婚する二人がどう納得し歩みよれるかで幸せになれる」ということを刷り込まれたのだとしたら…。

 

 メイとナギサさんの二人に憧れ、このドラマを面白かった!と喜んでいた世の妙齢の女子たちに、どうかそれが呪いではなく、祝福の魔法として届いていることを祈るばかりである。

 

 

【週末トリップ】澤乃井園で日本酒三昧

お題「リラックス法」

お題「ささやかな幸せ」


 土曜日の日帰りプチトリップで訪れた奥多摩
 一番の目的は澤乃井酒造が経営する澤乃井園で日本酒を楽しむこと。

 御岳渓谷を堪能した後は、澤乃井園へ。

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入口にはウサギのさわのすけくんが出迎え。仕込み水を祀る祠もある。

 澤乃井園は渓流沿いにしつらえた日本庭園に売店とあづまやがあり、売店で買ったお酒や軽食をあづまやで食べることができる。
 隣接したレストランもあり、そこではちょっとした懐石料理と利き酒セットを堪能できる「ままごと屋」や、豆腐料理などをカジュアルに味わえる「とうふ遊び 豆らく」がある。

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年代物そうな日本家屋が趣ある「ままごと屋」。和室で懐石料理を味わいながら渓谷を堪能できるらしい。次の機会は奮発してここでゴハンしたい。

 とはいえ、お昼は御岳駅近くのカフェレストランで済ませてしまったので、あまりお腹も空いてない。
 売店で味噌こんにゃくでも買って日本酒とキメようかなと思ったものの、ガーデンテラスのあづまやは人気が高く、どの席もカップルや家族、友達同士で占められている。
 そしてこういう時、おひとり様の哀しさとして、場所取りをしてくれる仲間がいないということ。
 お腹も空いてないことを言い訳に、売店は諦め土産屋で日本酒でも買って帰ろうかと思ったら、利き酒コーナーの看板が。

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 しかもラッキーなことに1テーブルちょうど空いているではないか!
 
 日本酒好きに悪い人はいないハズという思いで、バッグを置いて席をキープし、利き酒カウンターへ。

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 利き酒コーナーは数種類の日本酒から好きなものを選んで試飲できるのだが、初回は澤乃井酒造特性の可愛らしいお猪口がついてきて、そこになみなみと注いでくれる。
 試飲したらおちょこはお土産として持ち帰れるようビニール袋もくれる手厚さ。
 そして、2杯目はおちょこを持ってカウンターに行けば100円割引というお得さ。

 1杯目をどうしようか迷って、店員さんに一番辛口のものはどれか聞いたら、今日のラインナップにはないものの売店でも売っている「澤乃井 大辛口」なるものを出してくれた。
 なんて優しい…!
 しかも、その名の通りまさに辛口の中の辛口といえる逸品。
 キリっとした辛口で個人的にめっちゃ飲みやすい…!!
 夏の暑さにキンキンに冷えた日本酒が沁みる沁みる。

 2杯目は、お店の利き酒ラインナップの説明書きに「とぎすまされた味の芸術品」とあった大吟醸を試飲。
 口に含んだ瞬間、嫌みなくすっと広がる味わい。しかもクセが無く飲みやすい。それなのに馥郁たる香りもあって。まさに芸術品。
 たまらん味わいだった。

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自然豊かな景色をのんびり眺めながら味わう日本酒は格別

 3杯目も行こうと思ったものの、炎天下の遊歩道散策は思ったより体にこたえ、これ以上飲むと酔っぱらう可能性が…。
 家に帰るまでが遠足ならぬプチトリップである。
 こんなところで酔ってバッドトリップしてしまうのは避けたい。
 ここはスマートに酔う前に撤退あるのみ。

 大吟醸の後味を噛みしめながら、澤乃井園を後にしたのだった。

 

 ちなみに澤乃井酒造は酒造りの見学も行っていたのだが、今年はコロナの影響で中止になってしまった。
 いつかコロナが収束したら、またぜひ酒造見学に訪れたい。

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思い出と一緒に持ち帰ったお猪口。カニの紋がカワイらしい。このお猪口で日本酒を味わうと、自宅にいながら奥多摩の緑豊かな景色が浮かんできて、日本酒がより美味しくなる。



【週末トリップ】奥多摩に涼を求めて

お題「気分転換」

お題「ささやかな幸せ」

 

 おひとり様生活も実に四半世紀を超えた今日この頃、コロナの影響で家でまったりゆったりした日々が過ぎ、ある意味、安定した毎日を送っていられることに感謝しつつも、やはりどうにも刺激が欲しくなる。

 安寧した日常の反動で、どうしてもいつもと違う風景が見たい衝動にかられてしまう。
 思えばこの四半世紀、3~4か月に1度は小旅行をし、1年に1回はどこか遠くに長旅をすることが貴重な楽しみだった。
 そして月に1~2度は街中に出て外食したり本屋で時間をつぶすのが至福の時間だった。

 それがコロナの影響で外出もままならない。
 半年近く会社以外は半径2キロ圏内で生きてきたのだが、そろそろどうにも気持ちがざわめいて仕方ない。
 しまいには、ヨーロッパの街を夢で訪れる始末。

 

 心と体が旅を欲していて仕方ない。

 

 あまりに我慢しすぎるのもストレスになってしまう。

 ということで、この状況下でできうる最大の策として、近場で人のいない所へ行ってみることにした。

 

 流石に泊まりは憚れるので、弾丸日帰りプチトリップを決行!
 Googleマップで自宅を中心に地図を拡大しながら、近場で自然が多そうな緑色地帯を探して選んだ先は奥多摩
 東京にして大自然豊かな奥多摩であれば、人も少ないに違いない。
 かつおひとり様のプチトリップならば、おのずとソーシャルディスタンスも取れるはず。

 しかも奥多摩観光サイトをチェックしてみたら、澤乃井酒造があるらしい。
 これは日本酒を楽しめるということでは!?
 さらにその辺は御岳渓谷として遊歩道もあるそうな。

 

 この暑さで山登りをする体力はまったくないが、遊歩道くらいなら行けるはず。
 しかも渓谷を眺めながらの散策なら、川のマイナスイオンで少しは涼しいだろう。
 そこで飲むお酒は美味しいこと間違いない。

 

 いてもたってもいられなくなって、週末の土曜日、いつも昼まで惰眠をむさぼっているところを、がんばって朝8時30分に起きて訪れてみた。

 

 青梅駅からJR青梅線に乗ると線路のすぐ近くがもうすでに山!
 あふれんばかりの緑が車窓を覆う。
 澤乃井酒造のある「沢井駅」に降りると、徒歩5分くらいですぐに澤乃井酒造と澤乃井園があり、そこから遊歩道に入ることができる。

 ※澤乃井園については「【週末トリップ】澤乃井園で日本酒三昧」にて 

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 目の前に広がる渓谷!
 エメラルドグリーンの川面と、ゴロゴロむき出しの岩肌に、鬱蒼とした緑、そして夏の青空。
 日頃PCとスマホの使いすぎで疲れた眼に沁みる沁みる。

 まさに日本の田舎の原風景。
 東京にこんな場所があったなんて。

 しかも雄大な渓谷の美しさといったら!

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 キャンプを楽しむ家族や若者たちが適度なディスタンスをとりつつも河原を占領する中、遊歩道自体はキャンプ以外の目的の観光客がちょい歩きくらいで楽しむ程度なのであまり人もいない。たま~にすれ違うことはあれど、基本前も後ろもソーシャルディスタンスの30倍以上の距離感で、伸び伸びとおひとり様空間を満喫することができて最高!

 

 御岳渓谷遊歩道はJR御嶽駅を中心に多摩川の両岸4kmにわたって整備された遊歩道とのこと。
 今回は御岳駅と隣駅の沢井駅を繋ぐ遊歩道を散歩。
 1キロ弱の道は整備されており、川岸に降りなければフツーの靴でも全然いけそうなほど(さすがにヒールはきついだろうけど)
 線路側の遊歩道はアップダウンもほとんどなく、緑の渓谷をゆったり眺めながら気楽に散策できる。

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標識によると海から70km地点とのこと。遊歩道の渓流とは反対側には民家が点在するが、その合間いたるところに山水が湧き出ている。

 

 途中で鵜瀬橋を渡って反対側の遊歩道へ。

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 ちなみに反対側の遊歩道はちょっと整備が甘く、かつ途中でうっかり国道にでてしまったため、車がけっこう行き交う長いトンネルを歩くのが一番のスリルだった。

 あちこち写真を撮ったり、途中で立ち止まって渓流を眺めたりしながら、ゆったり散策して30分ほどで御嶽駅に到着。

 御岳橋から眺める渓谷の深さもこれまた絶景。

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 良い感じにお腹も空いてきたので、駅近くのカフェレストラン「Mitake terrace」でランチ。

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 御岳渓谷が見える窓際の席でさっそくビールを堪能。
 渓谷といえども昼時の炎天下で30分も歩くとかなりの汗だくとなった体に一気に沁みこむビールは何物にも代えがたい。
 この一杯のために歩いた甲斐があるというもの。
 ランチプレートのポークメンチカツがまたビールに合う合う。

 汗だくになったせいか、塩気のあるお肉が食べたくてメンチカツを選んだのだが、隣の席の自転車仲間らしき同い年くらいの男女2名は唐揚げで、男性のほうは唐揚げonワッフルのメープルシロップかけを味わっていて、それもまた美味しそうだった(後で調べたらこのお店の名物メニューだったらしい)

 

 ランチを堪能した後は、また沢井駅に戻り、澤乃井園で日本酒を堪能し15時くらいには沢井駅を後に。

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駅のホームにある木のベンチには澤乃井酒造の印が

 滞在時間実質4時間くらいではあったが十分すぎるほど。
 いつも見慣れた風景とはまるで違う風景に取り囲まれたことで脳内リセットもでき、遊歩道散策でほどよくというかいつもより何倍も運動もすることができ、かなり心身リフレッシュすることができて本当に良かった。

 とはいえ久々のプチトリップにかなり疲弊し、その夜は夕食もままならず、コンビニで買った唐揚げ数個(昼の隣席の唐揚げが美味しそうだったので半ば無意識に選択していた)を食した後は爆睡。
 そして翌日は身体の節々が悲鳴を上げ、家の中でほとんど動かず…という両極端な週末となってしまった。
 奥多摩雄大な山々に登山への誘惑が起きつつも、今の自分では初心者ハイキングですら到底無理そう…。やはり日頃の運動も大切だなぁと痛感。
 
 何はともあれ思いがけない形で訪れた奥多摩は東京に居ながらにして大自然を堪能できる素敵な所だった。

 

 そうして、週末プチトリップを経て、かつての日常のありがたさを再認識し、コロナ禍で身動きもままならない日常が続いているが、いつか無事に自体が収束して、今度はなんの気兼ねもなく遠出できる日がくることを切実に願う。

 

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月に一度は週休三日のススメ【40代おひとり様のスローライフ】

お題「気分転換」

お題「リラックス法」

お題「ささやかな幸せ」

 

 連日連夜の猛暑が続き、あまりの暑さに部屋から出ることもままならずセルフ軟禁状態になり、常に30度以上の気温に果たしてここは日本だったろうか?と思わず自問してしまう今日この頃。
 暑さは思考力も奪い、仕事もびっくりするくらい全く身に入らない。

 この時期、お盆休みをしっかり取れることが本当にありがたい。
 やはり休みは必要だ。

 

 さてそんな中、とあるWEBニュースで、日本の祝日は実はアメリカなどより多いのだという記事を拝読した。
 2020年は祝日に振り替え休日も含むと18日の休みがある。
 そこに土日が加わると土日祝日は計120日の見込みとなる。
 かつ会社の夏季休暇と年末年始の休業日が7日ほど。
 さらには法改正でリフレッシュ休暇の取得が5日。
 有給取得可能日も含めれば、年間ざっと135日くらいは休めることになる。
 一年の約37%。1/3強は休んでOKな状況になっている。
 ヨーロッパのような夏の長期休暇は取れないものの、年に1回は土日挟んで10日間の休みを確保しようとすればできるし、3連休も多いので休日の活用度合いが昔よりも高まったように思う。

 

 もちろんこれは会社員基準で、フリーランスの方や飲食店、観光業など手掛けている方々は休日はかき入れ時ということで、そうそう休みも取れないだろうから、それは職種の違いということで。

 あくまで一個人の話として、ここからは年間の約1/3を休んでも良いという状況が、おひとり様の人生に何をもたらすかという話。

 

 平日=仕事とすると、一年の2/3にが仕事に占められているということにもなる。

 もちろん、平日も残業しなければ仕事自体は7~8時間といったところだが、7時間の睡眠と食事や日常生活の細々した家事や所用などで平日の残りは消費され、脳味噌的にも平日は仕事モードのスイッチが入りっぱなしになっている。そのせいか、平日は心から安らぐことは少ない。
 しかもコロナの影響でリモートワークも増え、見えない分、いかに成果を出せるかに苦心することになるので、なんだか以前よりも仕事への集中度とタスクが増えたように思う。

 それ故、仕事から解放される週末の土日が最近ものすごく楽しみになっている。

 

 仕事自体を辛いとか嫌だと思うことはないが(面倒くさいと思う案件はままあるけれど)、仕事関連から解放され脳味噌が仕事モードから休暇モードに入る金曜の夜が最高に楽しい気分になる。

 昔はそんな事を思ったことなど全くなくて、なんとなく週末を迎え気づいたら週明けになっていることが多かったのだが、最近はおひとり様の休日をどう過ごすかが第2の命題のようになっているせいか、オンオフのスイッチがしっかり入るようになった。

 

 そう、40代も半ばの独り身で、かつ最近はコロナ禍で外出もままならず、数少ない友達と会うこともできず、実家に帰省もできず、一人でいる時間が昔よりもかなり長い。

 

 そうなると人間、不思議なもので、状況を変えたくなって、普段しないような事もしたくなってくる。

 

 そもそも週休2日というのは、パナソニック創始者である松下幸之助氏が提唱したのが始まりだったらしい。
 休日の1日はゆっくり休養し、もう1日は己の研磨に努める時間として活用せよ、という意図だそうだ。
 己を磨く時間を持つことで、人として成長することが仕事への効率も高め、人材強化にも繋がる。

 

 なるほど、さすが堅実勤労な松下幸之助氏!

 

 そんな姿に憧れるものの、やっぱりパーッと遊びたい。
 好きなことしながら無為な時間をダラダラ過ごしたい。

 

 そんな訳で、私にとっては月に1度は三連休がおススメなのだ。

 

 土日の2日間だと、土曜は平日5日間の精神的疲労で正直、何もしたくない。
 お昼くらいまでベッドでゴロゴロ2度寝しながら、合間にスマホで雑多な情報をツマミ食いして気分転換してから、さすがに空腹に耐えきれずようやっと起きられる。
 午後は細々とした家事をしたり、録り溜めたドラマを見ているうちに、気づけば日が暮れてしまう。
 そのあとは一人晩餐会で飲んで食べてをしているうちに、もう深夜。
 そして翌日も心行くまで寝ているとあっという間に昼になってしまう。
 日曜の午後は食糧の買い出しという重要かつここ最近の貴重な楽しみの一つがあるので、なんかもうそれだけで気持ち的に手一杯に。
 そうして少し早めの夕食を堪能しながらTVを見ているうちにあっという間に日曜が終わってしまう。
 実に光陰矢の如しな週末。
 月曜の朝を迎え仕事スイッチを入れるまでの短い時間、あっという間に過ぎ去った土日への未練で妙に憂鬱になる。

 

 そんな時の三連休、である。

 

 猛暑にへこたれながら迎えた8月の3連休。
 暑さで部屋からほとんど出ることなく、一人軟禁状態となったのだが、精神的充足度がかなり高かった。

 正直、1日目はいつもの土曜日と同じようにだらだらのんびりなのであるが、2日目からが違う。
 翌日も休みだと思うと、心の余裕のせいか、何故か早く起きられるのだ。
 そうすると午前中に家事を済ませ、かつ掃除もより時間がかけられれ、小奇麗になった部屋は軟禁生活に快適さを与えてくれる。
 午後は買い出しミッションが発生するのだが、翌日も休みだと2日にわたる晩餐会となるので料理もちょっと冒険してみたり、2日に渡って食せる常備食も作ってみたりと料理に幅が出る。そして何より明日も休みという気持ちで食べる夕食は美味しい。
 そして迎えた3日目。
 1日目、2日目の精神的余裕が3日目も早起きを促し、午前中から時間がかなり使える。
 そうなるとものすごく暇になり、普段やったことないような事を始めたくなる。
 先日の3連休では3日目の朝食後、押し入れの奥にしまっていた10年前くらいのビーズを徐に取り出し、無心にビーズをつなげる所業を始めた。
 そして午後は、やはり本棚に眠っていた本を発掘し、十数年ぶりの邂逅を果たすこととなった。
 しかも2日目に料理を2食分作っていたおかげで、3日目の夜は簡単な準備ですぐ夕食を食べられるのでかなり時短になる。お腹がペコペコになる直前まで本を読んだりTVを観たり、ボーッとしたりと、精神の解放度合いが半端ない。
 身体は家の中からほとんど出なくとも、気持ちの充足度が高まればむしろ快適で楽しい。

 

 そして精神的余裕が生まれたことで、松下幸之助氏が提唱した自身の修養にもようやっと目を向けられるようになったのだった。

 

 ということで、今後は個人的オススメとして、連休が無い月は有給休暇を活用して一人三連休をしたいなと思うようになった。

 

 さてそんな中で迎えた盆休み。
 三連休よりさらにもう一日休めることに感謝しながら、午前中はより精神的な解放として今回は何をしようかとつらつら考えながら掃除をし、昼食前の息抜きに休日の有用性を徒然と書き連ねている。

 

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三連休の夕方にもなると、精神的充足度のおかげか気持ちも水鏡のように滑らかな湖面のように穏やかになるのが何よりもありがたい。

 

休日の午後はプラネタリウムで心は宇宙へ【40代おひとり様のスローライフ】

お題「気分転換」

お題「わたしの癒やし」

お題「ささやかな幸せ」

 近くの、といってもけっこうそこそこ歩いた先に、市の小さな博物館には不釣り合いに大きいプラネタリウムが併設されている。
 
 真夏の休日、散歩がてらに訪れてみたら、博物館(というより資料館に近い)は無料!しかもプラネタリウムは大人300円、小人100円という破格の安さ。
 しかも空調もほどよく効いているし、資料室では雑誌『ニュートン』を読み放題だしと、休日の午後のひと時を過ごすのにとても寛げる空間がそこにあった。
 さらに昨今のコロナ禍で人がほとんどいない。
 プラネタリウムも数名の鑑賞者でかなりのソーシャルディスタンスを保つことができる。
 このご時世で街中に行く気力も無く、映画館に行くのも憚れていた身としては、手軽な憩いの場所として休日の楽しみの一つになった。

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 そもそも世代的に、幼少時をアニメ「銀河鉄道999」や「キャプテンハーロック」を観ておとぎ話の代わりに宇宙の星々に夢膨らませて過ごし、小学生の時に年上の従兄の影響で「機動戦士ガンダム」を知り、「聖闘士星矢」のアニメを見て原作漫画というものに興味が沸いて初めて買ってもらった漫画が「聖闘士星矢」だったりと、宇宙には子供の頃の思い出の欠片が一緒に詰まっている。
(その一方で「ベルサイユのばら」や「キャンディキャンディ」、「レディージョージ」など少女向けアニメや偕成社少女小説シリーズにもトキメいていたものだが)
 
 『宇宙』と書いて「そら」と読んだり、『小宇宙』と書いて「コスモ」と読んでは、難局に対峙するときは心の中で呪文のように唱え鼓舞したことも数えきれず。
 宇宙進出してもなお人間の性に捕らわれ互いの主義主張で戦う悲哀に人間の愛しさすら感じたりニュータイプの可能性に不思議な高揚を覚えたりする一方で、宇宙の神秘は己の秘めた力だと、無限の宇宙の創造の一欠片というにはおこがましいほどちっぽけな人間の中にも大きな可能性があることを熱く示してくれたことに勇気をもらったりと、思い返せば子供時代は宇宙が身近な存在だった。
 
 しかも実家はド田舎だったので、見上げればそこに満点の星空、である。
 
 数えきれない星々はいやおうなく宇宙の存在を示すものだから、宇宙というものは頭のすぐ上にある身近な存在だった。
 きっと遠い昔、羊飼いや船乗りたちも頭上を覆う満点の星空の圧に、身をもって宇宙の存在を体感していたに違いない。
 
 とはいえ宇宙へのロマンは抱きつつも気づけば人生の半分以上が東京生活となり、大人になると見上げても星など見えない夜空ばかりで、足元の街の灯りの煌めきにすっかり気持ちが傾いていたのだが、このタイミングでまた手軽にプラネタリウムに通うことができるようになって星空へのロマンが再燃している。
 
 そしてまた数多ある星の中で、太陽系の1惑星が様々な奇跡の積み重ねで緑と水に満ちることができた地球の貴重さもまた再認識するとともに、無限に広がる宇宙の中で、人の一生なんて一瞬のものでしかないのだと改めて思う。そうなると日々の仕事などで生じるモヤモヤも、なんかもうどうでもいいや、と思えてくるから不思議だ。
 
 45分のプラネタリウムを鑑賞した後は、妙に清々しい気持ちになる。
 
 鑑賞料300円と、コーヒー約一杯のお値段で暇な週末の午後を空調の効いた空間で過ごせて、かつストレス解消もできてしまうのだから、本当にコスパ良い。
 
 宇宙にロマンを抱きつつも、心根のところはコスパの良さの喜びが上回る我が身の小ささもまた、可愛らしいモンである。
 
 ちなみにプラネタリウム情報によると8月12日はペルセウス座流星群が見られるらしい。
 コロナ禍で実家にも帰省できずに暇なおひとり様の夏休みの楽しみとして、その夜はベランダでビール片手に流星鑑賞を今から楽しみにしている。