nanami-JP’s blog

40代おひとり様の日々のささやかな幸せ探し。日々の楽しみや旅行記などを徒然に。

40代おひとり様の超初心者海外旅行【イタリア6日目】

■6日目:ヴェニスへの名残惜しさと観光大都市ローマの貫録

 6日目はお昼すぎにヴェニスを出発しないとならない。あまりの名残惜しさに頑張って7時に起て朝の散歩へ。

f:id:nanami-JP:20190901201409j:plain
f:id:nanami-JP:20190901201423j:plain
f:id:nanami-JP:20190901201437j:plain
f:id:nanami-JP:20190901201504j:plain


 アカデミア美術館の前を通って細い路地を散策しながら、海沿いにたたずむ瀟洒な教会、白壁に青い丸屋根が優美なサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会へ。時間的にまだ開いていなかったので教会の周りをぐるりと廻って建物の美しさを堪能し、海辺から眺めるヴェニスの風景を改めて目に焼き付けてしばし想いに耽る。
 ホテルへの帰り道は海沿い側の道をたどっていくと、ベイサイドのレストランなどが並ぶ開けた波止場に。道をちょっと変えただけで街の景色がぐるりと変わるのが面白い。
 ホテルのあるブロックにゴンドラの工房を見つけたり、観光客よりも市民のための町の教会といった様相のこじんまりとした教会を発見し、少しだけこの街の住人たちの生活の片鱗を味わうこともできた。

f:id:nanami-JP:20190901201526j:plain
f:id:nanami-JP:20190901201604j:plain


 朝食をがっつりしっかり食べた後は、ホテルの内装や庭の写真をしばし撮りまくってから、出発ギリギリまでこの街を堪能しようと、ヴァポレットで本島の外側の航路をぐるっと巡ってみようと思い立ち、少し早めの10時すぎにチェックアウト。
 ちなみにヴァポレットは本島をぐるりと一周する航路は無く、乗り継がないとならない。便も多いしなんとかなるハズ!というノリと勢いで、先ほどの散歩で見つけた海側のジュデッカ運河沿いの停留所から乗り込み、サンタ・ルチア駅方向へと。ちなみにこのルートは観光客よりは市民が活用するルートらしく町並みも生活感が一気に増して、それはそれで味わいがまた違って楽しかった。そして駅前の乗り場でヴァポレットを乗り継いで、今度は一気に狭くなった水路を通って前日にブラーノ島に向かった停留所のある本島の北側の海へ。と、ここで折り返さないと時間がギリギリになりそうだったので、後ろ髪ひかれながら再度、駅に戻るヴァポレットに乗り換え。約半周くらいだったが、昨日とはまた違った水路で違った景色を味わえたので満足♪

f:id:nanami-JP:20190901201548j:plain
f:id:nanami-JP:20190901201621j:plain
f:id:nanami-JP:20190901201636j:plain
f:id:nanami-JP:20190901201654j:plain

 

 こうして電車の時間ギリギリまでヴェニスの街を堪能しまくったのだった。

 

 電車にも無事に乗車し、さてさて第3の目的地ローマへと。
 ヴェニスからは3時間40分くらいということで、車窓からの景色を楽しみつつ、1等車のゆったりした席と安全性の高さに半ば意識を飛ばしながらしばしの休養の時間に。


●ローマ大人気の観光地は人種のるつぼ
 無事にローマに到着し、まずはホテルにチェックイン。1日目に泊まったホテルとはまた違った趣の個人経営のB&Bホテルへ。地図ではオペラ座のほぼ向かいにあったので分かりやすいと思ったら、そこは個人経営。見つけにくいことこの上ない。それでもなんとか建物をみつけて中に入り、若干挙動不審になりながらエレベーターで4階に。

 着いた場所は本当にアパートの一角といった趣で、目立った看板など見当たらず、人様のお家に遊びに来ました感が半端ない。おそるおそる玄関のインターフォンを押して中に入るも、誰もいない…!? 良く見ると目の前のウェルカムボードに名前と部屋番号と一緒に部屋の鍵が入った封筒が貼り付けてある。どうやらこの鍵を自分で取って勝手に部屋に入れということらしい。なんだか「注文の多い料理店」のような展開にドキドキしながら該当番号が書かれた角部屋へ。恐る恐るドアを開けてみたら……目の前にはアンティークな数々の家具とクイーンサイズのベッドが中央にデデーンと置かれた広々とした部屋が広がっていた!!

 過去の旅行含め、人生今まで泊まったさまざまなホテルの中でも一番広い部屋かもしれない。1泊7千円弱の安さでこんなに広い部屋に泊まれるちゃうの!?と、しばし狐につままれたような気持ちになりながら部屋の家具や備品を一通りチェック。一緒についていたお手紙の英文をなんとか所々は分からないながら解読するに、どうやらチェックアウトまで鍵は自分で管理して部屋の中は好きに使って良いらしい。すごい、まさに人様の家に居候している感覚。これがB&Bというものなのか!

 

 初体験のB&Bホテルに新たなときめきを感じつつ、時刻はまだ18時。外はまだまだ明るい。日の暮れるまで市内探検と、いざローマ市内へ。

 

●ローマと言えばやっぱりスペイン広場とトレヴィの泉
 ローマといえばやっぱり「ローマの休日」! 少女時代に観たアン王女の可愛らしさとローマの町並みを薄らボンヤリと思い出しながら、オペラ座からスペイン広場まで街の様子を楽しみながら歩いていくことに。
 いやぁ、地図だとどうしても直線距離で計測して近い気がしてしまうのだが、やはり実際歩いてみるとそこそこの距離。しかもフィレンツェヴェニスと徒歩で十分まわれるこじんまりした街に慣れた身としては、ローマ市内は1つ1つの建物も大きく、道幅も広く、巨大都市! さすが大都市!と田舎から上京したばかりの時のような気持ちに。

f:id:nanami-JP:20190901201950j:plain

f:id:nanami-JP:20190901202021j:plain

 なんとか辿りついたスペイン広場は階段上に佇むトリニタ・ディ・モンティ教会の真っ白な尖塔が少しずつ暮れゆく空を背景に佇む様が美しい。しばし眺めていたい気持ちだったが、まぁ人の多さといったら! しかも薔薇の花を売りつけようとする花売りがそこかしこに。これは事前にネットで知ったボッタクリ花屋というヤツではないか!? 早々にローマの恐ろしさを知り、改めて気を引き締めながらスペイン階段を下りてバルカッチャの噴水へ。噴水ごしに見上げる階段と教会がこれまた美しい。ここまでくると階段のそこかしこにいる人の多さも装飾の一部のような気がしてくる。

f:id:nanami-JP:20190901202109j:plain

f:id:nanami-JP:20190901202050j:plain

 

●泉よりももはやるつぼなトレヴィの泉

f:id:nanami-JP:20190901202409j:plain
 スペイン広場からさらに足を延ばしてトレヴィの泉へ向かうと、なんと芋を洗うような人だかり!! さすが人気スポット。世界中の国から訪れた様々な人種の観光客たちでごったがえして、まさに人種のるつぼ状態。それでもなんとか人混みをかき分けて泉のフチまで辿りつき、無事にコインを投げ込むことができた。トレヴィの泉は白亜のバロック様式が美しい噴水なのだが、様々な人種が一同に会した状況のインパクトが強くて、実は泉の彫刻や建物の印象があまり無い(笑)

f:id:nanami-JP:20190901202215j:plain

 

■夕食は地元のお店感まんさいのトラットリア

 ひとまずローマといえばこれだろ!という主要観光場所のスペイン広場とトレビの泉を観れたことで満足し、ホテルに戻りがてら夕食にしようと思うものの、やはり初めて訪れたばかりの地ではお店センサーも上手く働かない。迷いながら歩き回って、結局ホテルの近くのトラットリアに。
 ちなみに街中をさまよいながら、所々で店先の看板でビュッフェのようなメニューが書いてあったのだが、どうやら日本でいうところのハッピーアワーのようなもので、早めの時間帯はドリンクを頼めばヴェニスのバーカロで食べたようなおつまみがつまみ放題のシステムらしい。そういう楽しみ方もあったなと帰国してから気づいたのだった。
 さてローマで初めて入ったお店はカジュアルというかチープな感じがいっそ居心地の良いトラットリアで、客もあまり多くなく、ローマ初心者の私が若干キョドりながらおろおろしていても適度に放置してくれる。おかげでメニュー選びもじっくりゆっくり取り組むことができた。ひとまずビールは必須として、アーティチョークのフライと豚肉とキノコのクリーム煮のようなものに決定。メニューの見た目はだいたいイメージ通りだったので安心しながら、まあお値段的にそうだよね…といったそこそこのお味。その庶民さが意外とリラックス効果をもたらすことも発見。たしかに旅先で常に郷土料理や観光地ならではの料理を食べなければと強迫観念に陥りがちだが、その時に食べたいものを食べたい分だけ食べたほうが胃も疲れないというもの。

f:id:nanami-JP:20190901202247j:plain
f:id:nanami-JP:20190901202257j:plain


 そうして、思ったよりも帰りが遅くなり、ホテルに帰ってみたら1階の共同玄関の分厚い扉が閉まっていることにショックを受け。門限破った小娘のような気持ちに。ちょうど住人らしき夫婦が外出するところだったので、何食わぬ顔をよそおいながら無事に中に入ることができた。部屋に戻ってから、そういえば1階のインターフォン鳴らせばよかったのだと気付く。お作法がまったく分からないままB&Bホテルに泊まるのも考えものだ。B&Bホテルはドアマンもいなければフロントのホテルマンもいない。サービス全くなしの部屋と朝食だけ提供しますといった完全放任主義なのが売りでもあるのだけれど、海外おひとり様旅初心者にはちと難易度が高かった。改めて通常のホテルの宿泊費の半分はサービスを受けるための料金だったのだなと妙に納得したのだった。